90.オーガキング
吹き飛ばされた先で木にぶつかって止まる。間に合ったのは奇跡だ。すぐに立ち上がって石の槍が飛んできた方を確認した。
名前:なし
種族:オーガキング 種別:大鬼
レベル:35
ランク:A
スキル
《統率-》《支配者-》《腕力強化Ⅳ》《土魔法Ⅴ》《水魔法Ⅱ》《魔力操作Ⅲ》《観察-》《魔力感知Ⅲ》
ステータスを確認出来たのは一瞬だけ。すぐに追撃の石槍が飛んでくる。さっきの一撃はしっかり準備したものだったのか、今度のは少し細く小さい。それでも《直感》はしっかり強く反応しているし数が多い。
攻撃を躱しながら体内の魔力を確認。さっきの切り札で魔力が大きく減っている。七割弱ほどもあった魔力はもう三割を切りそうだ。咄嗟だったからずいぶん魔力を多く使ってしまったらしい。
オーガキングは俺に近づかれたくないようで弾幕を切らさない。当てることより動きを制限することを優先している。俺の消耗を理解して削り殺すつもりなのだろう。
石槍を躱して、足元の地面に違和感。自分の感覚を信じて魔力加速で離脱する。
気づいたのは偶然だ。ついさっき《直感》が反応しないのを経験したばかりだったから警戒していたのだ。
自分のいた場所に目をやると地面が沼のようになって蠢いていた。離脱が遅れていれば、足を絡めとられていたのだろう。
魔力加速しか逃れる方法がない今の魔法を連発されると、あっという間に魔力が尽きてしまう。そもそも毎回気づけるかどうかも怪しい。今までの相手はこの手の拘束系を使ってこなかったから基本《直感》頼りなのだ。
相手はAランクの化け物、勝ちの目は剣の魔法を当てることだけだろう。魔力があるうちに仕掛けるしかない。いくつも賭けに勝たなければいけないが、遥か格上を殺そうとしているのだ。そんなことは当たり前だろうと自分に言い聞かせて覚悟を決めた。




