88.油断
よし。思ったよりもかなり余裕だったな。こいつよりハイオーガのほうが多分強かったとは思うが、ここまで一方的に狩れるとは思わなかった。それだけ強くなったってことだな。
しかし本当に最後まで邪魔がないとは思わなかった。いるであろう伏兵が襲ってくるのを警戒していたし、それがなくてもリーダーのそばにいる残り二匹のファイターが投石で援護するくらいはあるだろうと思っていたのだが。
「ゴァァアアア!」
警戒しながら構えるとリーダーが吼える。直後、《直感》に反応。四方から投石が飛んできた。《直感》に従って出来るだけ小さな動きで躱していく。僅かでも魔力を回復させたいからだ。
どこかで投石に弾かれでもしたのか、カツンと頭に小さな石が当たったところで投石が止む。このまま続けても無駄だと悟ったのだろう。
「ガァッ!」
リーダーがもう一度声を上げると何体かのファイターが前に出る。残りは再度石を構えている。多少面倒だがなんとかなる範囲だろう。リーダーを倒せれば早いだろうが、流石に少し無茶をする事になりそうだし地道にいこう。
投石が飛んできている中でファイターの首を落としにかかるのはかなり危険そうだったので、少しずつ傷を与えて削っていく。それも三体が入れ替わりながら襲ってくるせいで中々進まなかった。
(しかしオーガの上位種ってのはほぼ全部がファイターになるのかね。)
投石と拳を躱しながら斬りつける。俺の体に当たっているのは小石くらいだ。余計なことを考える余裕すらでてくる。確認できる上位種は投石している十体ほども接近戦をしているのもファイターだ。例外はリーダーのみ。
思考が逸れていても同じように斬り続け、ついに状況が動く。一体のファイターが倒れた。残りの二体ももうボロボロ、というか今にも倒れそうだ。
まだ立っている二体は放置してリーダーを狩る。
そう決めて駆けだそうとして、つんのめった。




