84.レベル上げ準備
三ヶ月ちょい過ごしていたガルマの家を出てグラシオの屋敷へ向かう。
「レベル上げするってことは元々俺がいたところみたいなとこにいくのか?」
「いえ、魔族領にはあのようにダンジョンの形になっていて今の魔王候補様にちょうどいい獲物がいる場所はありませんね。向かうのは別の場所です。」
魔族は魔物から進化した者の末裔だからか、そこらに漂っている魔力をよく吸うのだという。それが生きるエネルギーの足しにもなるため魔力が集まりやすい場所は心地よく感じて街ができる。洞窟なんかでも広いスペースがあればその環境が合っている魔族がいるらしい。
結果、魔族領全体で魔力溜まりが出来にくくなってダンジョンも少ないらしい。あってもゴブリン以下の弱い魔物がいる程度のようだ。
ただし何事にも例外はある。魔力が集まりやすく、しかし過酷な環境なために魔族が住めなかった場所。そこが今回行くレベル上げスポットらしい。
「何かに使えるかと思って残しておいて正解でした。その場所に近い街まではこの街からの転移装置で移動できますから、準備ができ次第行きましょう。」
屋敷に着いたら準備、といっても俺がしたのは着替えくらいだ。俺がガルマの所にいるうちに作ったという白いロングコートを受け取った。アラクネ布製で魔力を流すと修繕できたり汚れを落とせたりするらしい。例によって内側に骨組みを作って着込み、剣を腰に差す。
グラシオは執事服の男に俺のレベル上げに向かうことを伝え、男がどこからか持ってきた大きなカバンを受け取る。以上である。
そして二人で転移装置に向かう。荷物は狩りに使うものらしいが中身はまだ秘密らしい。
さあ、強くなりにいこう。
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