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78.どうして※

 


 side聖女


 魔族と魔王候補に会ってから、すでに2ヶ月が経っていた。


 魔族が転移の魔道具を使って二体が消えた後、大急ぎで帰還し、すぐに各所に情報を広めた。



 魔王候補が誕生した。すでに魔族領に連れ帰られている。魔王へ進化する可能性が高い。



 その情報を受け取った多くの国がいったん争いを止めて対魔王に協力する姿勢をとった。



 魔族領に隣接する国に支援を送り備える。神から勇者召喚の陣を授けられた国には特に多くの物資と兵が集められた。



 勇者召喚の陣は魔王が生まれた後に使用される。授けられたときに神からそうするようにと言葉があったと言われている。魔王誕生を知らせるのは神託を受け取る聖教会の仕事だ。



 そして召喚された勇者を守り育て、魔王を討つのだ。



 対応は完璧。完璧、のはずだ。





 それでも、どうしても拭えない違和感があった。



「なぜ私は…生きているのでしょう…。」



 あの時から何度も感じた疑問を口に出す。重大な情報を得た。その私が、討伐隊の全員が生きて戻った。



 本来ならそれは喜ばしいことだ。だがあそこにいた魔族は名を名乗った。それはつまり高位魔族である証明だ。



 討伐隊は魔族と特異個体に対して十分な戦力として編成されていた。高位魔族と魔王候補に当たるには明らかに力が足りなかったはずだ。


 少なくともグラシオと名乗った魔族は、討伐隊を簡単に全滅させるだけの力を持っていただろう。聖女の力は魔物や魔族に対して有効だが、それだけでどうにかなるほど高位魔族は甘くない。



 教会の上層部も、かつて勇者様とともに魔王を倒した祖母すらも、考えすぎだと言う。万が一にも魔王候補を失う訳にはいかなかったから、聖女を相手にするリスクを避けただけだろうと。



 でも、誰にどんな言葉をかけられても、私の心にかかる不安が晴れることはなかった。




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― 新着の感想 ―
よくいる脳死聖女じゃなかったのか
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