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74.求める理由

 


 俺が言葉を学ぶのにピッタリな教師役がいる、ということで屋敷を出てグラシオと街を歩く。



 ちなみに骨とはいえ街へ出るのに裸は…となったので今はフード付きのローブを着ている。わざわざ内側で骨を組んで不格好に見えないようにしている手間のかかりっぷりだ。


 剣も抜き身だったので尻尾の一部を鞘に加工した。鞘に鎖のように加工した骨を付けて肩から提げている。



 街は賑やかで、いいところのようだ。住人はみんな人間にはない部位をもっているらしい。角がある者、尻尾がある者、翼がある者。腕が4本ある者もいる。



 街の様子を見回す俺に、グラシオが語りかけてくる。



『我々魔族は二種に分けられます。魔物から進化し魔族に至った純魔族と呼ばれる強者たち。そしてその純魔族から生まれた力なき子孫たち。』



 さすがにそこらの人間よりは強いですが、と付け加えて言葉が続けられる。



『我々の営みはもはや人間と変わらない。ですが、神はそれを決して認めないのです。神に認められない魔族には名前がありません。自ら名を世界に刻めるほどの力を得なければ名無しのままです。』



 言葉を聞いて、ためしに近くの住人たちを軽く《鑑定》してみると、確かに全員の名前がなしになっていた。グラシオの屋敷にいた執事服の男も名乗っていなかったことを思い出す。



『そしてそんな魔族を人間も認めない。奴らは常に、魔族を滅ぼすチャンスを伺っている。』



 グラシオは言葉を切って足を止め、こちらを見る。



『だから我々魔族は求めているのです。神に見捨てられた我らを、神に変わって庇護する存在を。絶対的な力を持つ、魔王を。』



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