70.討伐隊と戦ってみる
しまった。魔力に意思を乗せるのに慣れてないのもあって声が出てしまった。
転移の魔道具でいつでも逃げられるので討伐隊と戦ってみませんか、というグラシオの提案に乗って討伐隊の到着を待っていたのだ。そしていきなり小芝居を始めたグラシオに突っ込みを入れてしまったというわけだ。
気を取り直して剣を構え、魔力を発して《威圧》を強くする。声は出さなくてもこちらに戦うつもりがあることは伝わるだろう。
危険なく進化後の体を試せる絶好の機会、存分に有効活用しようじゃないか。ついでに二、三人殺してレベルアップ出来ればなお良し。
構えた俺に反応して討伐隊もそれぞれが構える。
以前戦ったパーティは入り口付近に固まっている。戦う気はなさそう。前に出てきてるのは似た雰囲気の別の奴らだ。単純に以前の奴らより強いってことでいいだろう。
グラシオから散々注意された聖女っぽいのはその後方。側に控えてる鎧の二人はその護衛か。
一人だけグラシオの方を注視してるやつもいる。こいつはいきなり俺に攻撃してくるようなことはなさそう。いったん放置。
状況を確認したところで前にいたパーティの剣士が突っ込んでくる。《直感》を使って剣を捌き反撃、こちらの剣も捌かれる。確かにこないだのパーティのやつより強いな。
確認もできたので全身に魔力を纏う。
突然早く、力強くなった俺の剣を捌きそこねた剣士の体を、かろうじて防御のために掲げられた剣ごと切り裂いた。




