69.魔族と魔王候補※
sideギルドマスター
ゴブリン洞窟を進む。魔物はほぼおらず、見かけても向こうが逃げていった。
「この先に魔族と特異個体がいた時の優先は白い魔剣の確保でいいんだな?」
竜の牙のリーダーが問いかける。一応事前に共有していたはずだが、やる事がなくて暇らしい。
「ええ。魔族に魔剣を持って逃げられる前に抑えたい。魔族を倒し切るには戦力に不安がありますが、特異個体はスケルトンですから私がどうとでも出来ますし。」
聖女は律儀に答える。EランクのスケルトンにCランクパーティを退けるほどの力を与える魔剣。絶対に確保しなければならなかった。
「ゴブリンの集落潰してるならあのスケルトンは進化してるかもしれねぇけど大丈夫なのか?俺らが戦った時点でかなり強かったぞ?」
聖女の言葉に今度は黒の剣のリーダーが反応する。実際に特異個体と戦ったからこその疑問だったようだが、聖女は絶対に大丈夫だと断言する。
「私には《聖魔法》のスキルがありますから。アンデッドと戦いが成立するのは相手がAランク以上だったときくらいです。」
そうこうしているうちに集落手前についた。確かに集落の中から強い気配を感じる。
「よし、行くぞ。」
竜の牙のリーダーを先頭に気配の方へ進んでいく。そしてそこには黒い翼の魔族と、報告とは少し姿の変わり、威圧感を放つスケルトンがいた。
『はじめまして人間の諸君。私はグラシオ。こちらは新たなる魔王候補です。お見知りおきを。』
『それ言っていいのかよ。』
こちらを確認して仰々しく頭を下げた魔族の言葉に、スケルトンが少女のような声で突っ込みをいれた。




