63.決着
右手に握る剣に意識を向ける。尻尾と同じように作って、吸収した剣。
ドロップしたスケルトンの手を使って作った剣を吸収したのは強度の高い剣を手に入れるためだ。
その後前世の記憶で剣を振ってきた俺にとってこの剣は、刃こぼれせず、斬れ味の落ちない高性能な「剣」だった。
違う。そうじゃなかった。剣の形をしていても、手を離せば落ちてしまうものでも、間違いなくこれは俺の体の一部分なのだ。
魔力を動かす。頭の先から手足、尻尾の先まで纏っていた魔力をさらに広げる。体全体、剣の先まで。
オーガが振り下ろす拳を躱す。強引に距離を詰めて剣を振る。最初に試した時と同じその動きは、違う結果を起こした。
「グォオ!?」
オーガが苦悶の声を上げて後ずさる。その拳には深い傷が刻まれていた。
攻撃を通せるようになったとは言え、俺の魔力は三割を切っている。残った魔力でオーガを倒しきらなければならない。
オーガは斬られたことで剣を警戒しているらしい。攻撃は大ぶりなものが減って、隙が少なく反撃しづらい。だからこそ、一歩踏み込む。
距離が詰まったところにオーガの裏拳が飛んでくる。《鋼の肉体》を全力で起動して防御、吹き飛ばされる。そして、オーガの足に巻きつけた尻尾を中心にして背中に回り込む。
そのまま背中に取り付き左手で肩を掴む。オーガが尻尾を掴んできたが、尻尾を切り離して対処する。後で回収すればいいのだ。
魔力はほぼ空っぽ。全身に纏っていた魔力もかき集めて剣に集中する。
(俺の勝ちだ。)
そう心の中で呟いて、オーガの首に剣を振った。




