51.撤退戦※
side冒険者
「鑑定終わってるよ。」
リーダーの指示にめったに喋らない聖職者が答える。
「よし来た撤退だ!走れ走れぇ!!」
言いながら取り出した石をスケルトンに投げつけてリーダーとシーフが走りだす。
「石散弾!ちょっと速いですよ!置いていく気ですか!」
魔道士と聖職者もそれに続いてスケルトンを牽制しつつ走り出す。
「って言ってもこのままじゃ追いつかれるぞ!なんかないか!」
魔道士の魔術で多少の距離は離したし走る速さはほぼ変わらないが、最初の突撃の時のような加速を使われたらすぐになくなる程度の距離だ。
シーフの叫びに聖職者が無言でポーチから瓶を取り出す。蓋を開けて投げられたそれは中身を散らしながら転がっていく。
スケルトンの反応は劇的で、すぐに足を止め大きく後ろに飛びずさった。
そして、なんとかスケルトンから逃げ延びたあと、リーダーは聖職者に向かって聞いた。
「で、さっきの何だったんだ?すげえ反応だったけど。」
「聖水を持ち歩くのは聖職者の嗜み。低位のやつだし効くか怪しくて賭けだったけど。」
「…ちなみに効いてなかったら?」
「怒って地の果てまで追ってくる。」
ともあれ黒の剣は無事に撤退を成功させるのだった。




