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【キミの話】

作者: はるき

眠たくて仕方がないって顔したキミが甘えてきた

ベッドの上で僕の隣に眠らせた

普段は物静かで、だけど公園で蝶々を追いかけたりブランコに乗ってはしゃいだりするキミは僕からしたら可愛い天使だ。


寝言なのか寝ぼけているだけなのか知らないが何度も眼を閉じたまま名前を呼んでくれる

たまにあくびをする

起きてるのかな、でも意識は夢の中で幸せそうな顔して抱きついてくる

おいしいものでも食べてるのかなパクパク口が動いている、気がする。


キスを知らないから僕はだまって可愛い唇を見つめ、頭を撫でている

耳をさわってみた、あったかい

寝返りをするキミをただ見守って、小さな肩を腕に包んで髪の匂いをクンクン嗅いで、今日も眠れないなってカーテンを開けて星を見てみた。


ロマンチックなシチュエーションがなんだか楽しかった、星が綺麗だとかキミが綺麗だとかそんなんじゃなくて、このどこかにありそうな横文字がいっぱい並んだシーンを僕は自然と再現できていることに何ともいえない気持ちになったりしてた

時間が長く感じた、楽しいことは時間が早く進むはずなのにね。


素敵なセリフが思い付いた、きっとキミと同じベッドで横になっている僕の心拍数がとても早いからなんじゃないかなってね。


でもね正直に言うと不安だった

この幸せは永遠のものなんだろうかって、僕はキミを好きすぎるあまり毎晩こうして眠れなくなっている、だけどキミはすぐ寝ちゃうよね、そこも含めて可愛いところなんだけど僕とキミは同じくらい互いに恋しているのかなって思ってしまう。


僕は女の子の寝顔はキミしか見たことがないけれど、キミはそうじゃないかもしれない

キミのことを幸せにできる男なんて僕を含めて世界に数えるほどだとしても僕以外に存在するだろう。


でも僕のことを幸せにできる女はキミ以外誰もいなくて、心の支えとか通り越して、キミが僕の心そのもので、キミがいない世界は必要ないし、キミがいない人生も僕には必要ないことなんだ

時計の針はゆっくりとはやく僕の命を削ってって、キミと過ごせる時間を奪ってく。


難しいことを考えたって、いつの間にか眠りに落ちてキミが僕の元から消えてしまう夢をいつも通り見るんだ、キミのことしか考えていないもんだから、あと僕がもの凄くマイナス思考だから、きっとそんな夢を見ちゃうんだろう、ちなみに今日は、地球に隕石が落ちてきてキミが死んじゃう夢を見た。


太陽の光が目に入った、本物のキミが隣で寝ている

怖い夢を見たオチはだいたいキミみたいな恋人がおはようって間抜けに起こしてくれて、なんだ夢かってなるのに、キミはあんな怖い夢を最後まで僕に見せといて、ほったらかしに幸せそうにすやすや寝ている。


ありがとうって意味わかんないけど寝癖が凄いキミの頭を撫でてみて、んーってなにか口から声を出している

気づいたら足が絡まっててほどくつもりはさらさら無いがほどいたらきっと起きてしまうだろう

キミを見ていると考えてしまう、なにもできない僕がなにもできなさそうなこの子のことを幸せにできるのだろうかって。


でも1つ言えることはキミは必ず僕の幸せを一生保証してくれるってことかな

キミのまぶたが開いて、口も開いた、あくびをした

僕もあくびをした、おはようって声をかけておはようって返してくれた。


お揃いのマフラーを巻いて寒い冬の道をキミの隣を歩いてコンビニまで行って、帰りは二人でコーヒー牛乳を飲みながらすこし遠回りをして家に帰って手を洗って、ちょっと遅めの朝ごはんを作った、ちなみにトーストだった。


歯磨きをしっかりしたキミは今日は遊園地でラブラブしようと提案してきた

僕はぜったいにジェットコースターには乗りたくないって訴えた、わかったとしっかり手を繋いだキミはジェットコースターに向かいやがった。


そのあと夕日をバッグに観覧車に乗って1番高いところでキスをする、そんなこと考えてたんだけど、キミはふれあい広場で飼育員の指示にしたがってウサギを膝にのせて可愛いってニコニコしていた

どうですか?あなたもやってみますか?って断れない僕はちょっとビクビクしながら飼育員にウサギを膝にのせられた、めっちゃ可愛くてフサフサで、ウサギを飼うとか飼わないとか考えはじめたきっかけだった。


夜はファミレスでハンバーグを食べた、キミも同じものを注文していて、そっちのが大きいとか言って僕のと取っ替えて付け合わせのポテトをキミにあげたら、かわりにライスをちょっとくれた。


二人の家に着いて僕はお風呂やってきて

キミはベッドに吸い寄せられてそのまま寝ちゃって

さすがにウサギとか触ったりしたしお風呂入りましょうって考えに至って、お風呂場まで疲れて足が重いキミをつれてって、一緒にお風呂入ろっか!ってキャハハってふざけはじめて、僕は焦ってその場から逃げて、やっぱ逃げなきゃよかったとか考えたりして、キミの入ったお風呂に入り、髪を乾かしてまだ日付が変わっていない時間にキミが寝ちゃって、今日は楽しかったなって明日はなにしようかって、僕も眠りに落ちた。


おはようって揺さぶられて、サメが見たいって恐ろしいことを言ってるキミは今日も可愛かった

水族館でサメのところに数十分間キミに監禁されて、売店でお揃いのカメのストラップを買った

外に出て海を眺めて、デカイ船が見えてはしゃいでる

二日連続で外食はさすがにきびしいから家にあるものでおかずを作ってとにかく満たされるまで白米を食べた。


口にごはん粒ついてるよってついてないのにキミはあらかじめ自分の指にごはん粒をつけた手で僕の口を触って、そのごはん粒をまるで僕の口元についていたかのような、馬鹿にした表情でおいしそうにそれを食べた、それと同じ事を僕はやり返したら、気づいてたの?ってキミはわらった

洗い物は全部まかせて、かわりにお風呂やってきてってキミが言ってその通りにした。


今日はお風呂、一緒に入ろっか?ってキミにお願いしたら、なんか断られた。


明日の予定を考える夜、明日の予定は明日の朝考えようって無責任なキミ、そして今日も眠りに落ちた。


キミのパンチで目が覚めた、いったい何の夢だったのか起きたら忘れてるのが時々あって、まだ太陽が昇っていないこの世界に、すこし早めのグッドモーニング、二度寝することなく携帯でちょっと遊んで、イヤホンで音楽を聴く、キミの寝顔をちょっと見ながら。


いつもと同じ朝とよくきくことがあるが、同じ朝なんてふたつと存在しないんだ、キミがめちゃめちゃにした掛け布団は今日は壁よりにぐちゃぐちゃって丸まっている

お腹が空いてきたから今日は僕一人で朝ごはんを作ろう、いつものように卵を割った、初めて黄身が2つある卵をみた。


僕たちの今日の予定が決まった瞬間は、キミが僕のイヤホンになぜか足が絡まって、不運にも壊してしまった時だ

弁償するってキミは言うけど、正直まえから欲しかったイヤホンがあるから、それを買う機会をキミが作ってくれたから、あと可愛いし、イヤホンの件は許した。


黒にしようか赤にしようか、思いきって黄色にしようか最後まで悩んでたらキミが突然素敵な名言を残した、運命の赤い糸って言葉があるから赤い線のイヤホンをふたりでつけようよって、ついでにキミもイヤホンを買った、キミは黄色が好きだからって言って黄色買ってた。


帰り道に手を繋いで帰りたいってキミが言ってたんだけど、毎日手を繋いで歩いてるのにどうしたのかなって考えてたら、ぎゅって握ってきて、こうして帰ろうねって、なんだよ今更恥ずかしくなってきたんだけどって考えていたら、恥ずかしいの?ってキミが顔で僕にきいてきた、恥ずかしいですって僕はキミに顔で答えたんだ。


こんなに幸せを感じる二人の日々が、どうか永遠であるように、キミの髪の毛をちょっと撫でながら、僕は二人の未来に向かって、余裕だよって笑ってやったんだ。


きっと神様も応援してる僕とキミの人生は、まだはじまったばっかりで、特別なことをしなくても、特別な人と過ごす何気ない毎日がこんなに眩しく輝いているなんて、キミのおかげで僕は知ることができたから、僕はキミに感謝のちゅうを、寝ている時に

ささやかながら、プレゼントします。


急な話だが翌日キミが観たいDVDがあるといって僕を近くのTSUTAYAに走らせた、上の方の棚に置いてあるものは僕も届かないが、キミはというとひどいもんで常に背伸びをしてDVDを探している。


キミは3枚選んで、5枚同時に借りるとお得になるというので残りを僕に選ばせてくれた、僕が見たいDVDを探しているのに、キミはいちいち、それはさー、とかイチャモンをつけてくる、あとで押し倒してやろう。


結局5枚ともキミの選んだものになって、どれから観ようか考えながら家に足を運ぶキミ、となりで手を繋いでその顔を上から見る僕、この角度から見るキミも可愛いな。


キミの可愛い顔に気を取られていて、反射神経抜群の僕も一瞬気づくのが遅れた、そのとき、容赦のないスピードでトラックが飛んできた。


まるでどこかの映画のように、僕のヒロインが一瞬で奪われた。


それはまるで、あらかじめ決められていた予定のように、僕の幸せが亡くなってしまって。


避けることのできない、いつかの夢でみた隕石のように。


現実なのに悪夢という、恐ろしいこの状況で、赤いキミがすやすや眠っている、こんな怖い夢をみた時のオチって、キミみたいな恋人が起こしてくれる役目じゃないの。


運転手を殴ってる僕をみたら、キミは怖がっちゃうね。





僕じゃなくてキミの命を選んで奪った理由なんて知らない、あの一件で僕は左腕を失った。


キミの手を握ってた腕だ、最後のあのぬくもりも神様とやらは奪いやがった。


キミから手紙が届いた、こうなることがわかってたようなタイミングで、泣かせてくれるよ、あんなへにょへにょのくせにさ。





キミへ


キミはいつも私のこと守ってくれるよね

眠たくてベッドから落ちそうになった時、すごく慌ててギューってしてくれて、なぜか一緒におっこちてくれたことあったよね(笑)


まー、キミが私のことを溺愛してるってことは充分伝わってるよ?

勘違いしないでほしいんだけど、私も恥ずかしくてキミに甘えたりあんまりできてないんだけど、私もキミのことが大好きですよ!


私の悩みはキミと寝ているとすぐ眠くなっちゃうんだよね

キミの隣ならどんな怖い夢を見ても平気なんだぜ(笑)

いざって時にキミが私の夢の中にへたくそに出て来て守ってくれそうだったからさ


そうそうキミの話しをして思い出した、キミと乗ったジェットコースター、最高でしたよ(笑)

ギャーギャー子どもみたいに楽しそうに乗ってましたよね、まぬけに口を開けてたりしてたからそのまま魂が飛び出ちゃうんじゃないかって期待してました(笑)


もしそうなっても心配ご無用ですよ、私がきちんと人工呼吸で元気にさせちゃいますから(笑)

あー、あー、この際言いますけどウサギめちゃくちゃ可愛かったです飼いたかったです(笑)

でも家にはガブがいるからちょっと襲われないかっていう飼えない理由がね(笑)

うん、仕方ないね


いやな顔ひとつもしないで私の行きたいところ、ぜんぶ連れてってくれて本当に感謝してます

私はキミのことが好きすぎるあまり面と向かってこんな感謝の言葉とか恥ずかしくて口もろくに動かせません、でもキミが好きすぎるあまり感謝の手紙としてこれをかきました


こんなへにょへにょでなんにもできない私に愛をくれてありがとう、まだこれから人生長いけど、この手紙をいつの日かまた読んで初心を忘れずにって感じになったらいいね(笑)


あと、大切にしてたイヤホン壊してごめんね!(笑)

それとさ~w私が寝てる間にキスしてきたでしょ(笑)

ちょっとそれはどうかと思うよ~(笑)

だから、あとでやりかえしときますね(笑)


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