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LegendV 旅立ちへ…

一度に色々な事を話されて俺の頭の中は混乱していた。



今起こったこと、話された事を整理しながら目の前に出されたシチュー(のようなもの)を口に運んでゆく。そういえば色々な事が起こりすぎて、飯を食ってる暇なんて無かったな…。

シチューはそこまで好きな食べ物では無いが、腹が減っているからか…それともこのシチューが美味しいからなのか手に持つスプーンがよく進む。




「ふーむ…素晴らしい食べっぷりですね。しかし…もうそろそろ寝たほうが良い。疲れているだろうし………早速明日、旅立って頂くからね。」




アルトの言葉に食べていたシチューを喉につかえ、盛大にむせた。


旅に出て勇者…というか仲間?を集めなければ俺も元居た空間へ帰れないと言う事は一応分かった。だが具体的に仲間を集めるって?そいつらの場所は?それすら教えて貰って無いのに行き成り明日旅立ちだなんて……無茶苦茶すぎるだろ。



「そうですね正人。行き成り旅に出ろとは無理を言いましたね。」

俺の表情を読み取ったのか、アルトが説明し出した。








「御婆様の召還術は不完全だった。それ故に勇者達が何処へ飛ばされたのか分かりません。」


その一言を聞いて、俺はがっくりと肩を落とした。

何の手がかりも無いのにどうやって探せばいいんだ?





「だが、貴方には勇者探しと並行してやって貰わねばならない事があります。

開いてしまった扉を探し出し、閉じる事…そして、此方に入り込んできてしまった裏世界の者達を殲滅せんめつする事です。

あぁ、それと………此方にやってきた勇者を見つける手段が皆無というわけでは無いんですよ。」


そう言ってアルトはフラワの方を向く。

フラワは急いで席を立ち、一冊の絵本を持ってきた。……さっき花畑に落ちていた絵本だ。




「重要なのはその絵本です。勇者は皆、絵本を通じて此方の世界へとやってきています。

…つまり絵本はセンターサークルとリアルワールド、ファンタジーワールドを繋ぐ扉と言って良いでしょう。

それ故にその本は大切に扱いなさい。本が全て揃った時、貴方は自分の世界へと帰る事ができるのだから…。」

「って事は絵本を持ってる奴がこっちに来た勇者ってわけか?」

「はい。絵本同士は引かれ合います。自然とそれは貴方を導いてくれるでしょう。」




アルトの言葉には妙に説得力がある…。

次の質問をしようとした時だ。俺の後ろの扉が乱暴に開かれたのは…

其処に立っていたのは一人の男性。銀髪の短髪でスーツのようなピシッとした服装である。


「兄さん…裏の奴らが此処の扉の事を嗅ぎ付けたようだ。」

「はぁ…遂に此処もですか。……仕方が無い。私とフラワが行きます。」


兄さん…?アルトにはまだ兄弟がいたのか…。

そんな事よりなんだか大変な事になってしまったようだ。フラワはガクガクと震えている。




「テナー。貴方は其処に居る勇者…正人と一緒に行きなさい。此処は私達の力だけでなんとかします。」

「はぁ?馬鹿を言うな!こいつが勇者?気品も気迫も皆無ではないか!」

「お口が悪いですよ。いいから、其処の引き出しに入ってる扉の地図と貴方の本を持って。早く!」





チッと舌打ちする音が聞こえた。

テナーと呼ばれるその男は俺の方を睨み付けてから


「貴様の本忘れるなよヒポポタマス。ちゃんとついてこねーと…ぶっ殺すぞ。」




ヒポポタマス………カバ…?

乱暴な奴だと思いつつも自分の本をフラワから受け取り、テナーの後ろに急ぎ足でついて行った。

扉を閉めようとした瞬間、何かがこっちに飛んできた。

丸くてふわふわした、使い道が見出せない物だ。俺は上手くそれをキャッチした。

飛んできた方向を見るとアルトがにっこりと微笑んで


「それを持っていきなさい。あと、裏の連中は夜にしか行動しないという事を頭に入れておいた方が良い。………お達者で」

と手をひらつかせながら言った。後ろから控えめにフラワも手を振っている。






「早くしろ。家から出る勇気が無いのかチキン野郎。」

テナーが罵声を浴びせてきたので急いで扉を閉め、外へ出た。














外は街灯のお陰か、夜とは思えない程明るい。

家の中からドタバタと騒がしい音が聞こえてきたが、テナーが俺を急かしたのでその家に戻るという事はしなかった。…アルトとフラワは大丈夫なのだろうか…。





「仕方が無い。今日は俺様の家で寝かせてやる。借り屋だがな。」

テナーがふんぞり返りながら前を歩く。上から目線は兄と一緒か…。







その日俺はテナーの家で睡眠を取り、次の日の早朝叩き起こされ、何故か体操をさせられた後出発した。






ぐだぐだ持ってきましたが、やっとこさ旅立ちです。

サブキャラ設定は割りと確り作ってあるのでこれから登場させられたらいいなと思います!

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