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LegendIV 真実と現実

真っ暗なままの携帯電話。充電が切れてしまったのか。それとも他に理由があるのか…

俺は半べそをかきながら携帯の電源が入らないものか試行錯誤した。



「ふむ、珍しい物体ですね。見せてみなさい。」



アルトが声をかけてきた。そういえばこいつと話をしていたんだっけ………

それにしても……携帯電話が珍しい?此処の人々は携帯を持っていないのだろうか。

電源もつかない事だし、アルトの目が珍しい物を見つけた少年の目のようにキラキラしていたので渋々携帯を彼に渡した。



「ほう…実に興味深い…これがあの携帯電話…。………何処からビームが出るのですか?」

「はぁッ?!ビーム?!んなもん出ねぇよ!!!」



思わず突っ込んでしまった。

携帯からビームが出る?ふざけているのか?

……こいつらの相手をしているのは疲れる。学校の女子の相手をするより疲れる。








気がつけば辺りは柔らかいオレンジ色の光に包まれていた。

もう夕方か…。そろそろ日が落ちるだろう。

その事にフラワとアルトも気がついたらしい。二人で顔を見合わせた後俺の方に視線を移した。


「もう夜になる。夜になるとアンダファルトの連中が沸いてきますよ。今日は私の家に来なさい。」

「アンダファルト…?」

「その説明は家に着いてからです。……それに、まだ貴方には大切な事を何も話していない。」




そう言うと彼は地面に何か図のような物を描き始めた。



「さぁ!少し眩しいですが、我慢なさい。荷物は全部持って。…いいですね、いきますよ」


アルトが何か言葉では表せないような音を発した。と同時に俺の目の前が淡く光りだし、光は一気に強いものへ…

俺はその光の強さに目を瞑らずにはいられなかった………。














次に目を開けた時、俺は驚いて言葉を失った。

先程まで目の前に広がっていた花畑は何処へやら…俺はお洒落しゃれな部屋の一室に居た。



「大丈夫ですか?」

お茶をれてきたフラワが俺の顔を覗き込んで聞いてきた。

「あ、あぁ……今のは…なんだったんだ…?」




「瞬間移動魔術の一種ですよ。テレポーテーション…って言えばわかりますね。」




声が聞こえてきた方向を向くと、椅子に腰をかけて優雅にお茶をすすっているアルトが居た。


「テレポーテーション…?そんな馬鹿な…」

「驚かれるのも無理は無い。…貴方の住む『リアルワールド』では魔術は信じられる事無く、廃れてしまったのだから………」

「リアルワールド?」

「あぁ、その説明からですか。そうですね…まぁ、どうぞそこの椅子にお掛けなさい」



アルトが机を挟んで向かい側の椅子を指差す。

俺が椅子に座るとフラワがアルトの横の椅子に静かに腰を下ろした。





「信じるか如何はは貴方次第です。しかし、仮にでも信じる事が出来なければ、君はこれから先に進む事が出来ない。」


最初にアルトがなんとも意味深な前置きをした。俺は黙っていた…


「よろしい。口を挟んではいけないよ。私は嘘なんてつかないのだから……」

「……はぁ。」




「もし君が住んでいる世界の他、違う次元、違う空間に別の世界があったとしたら…?

最初から無かった事にしてその存在を否定するのか。

夢を抱き、別の空間の物と交流を交わしたいと思うのか。

後者だとしても、信じたいと思うのと裏腹に心の奥底では信じられはしないだろう。

しかし、今起こってる状況が現実であるのなら、君はもう分かっている筈…

目に見えるものだけが現実。だが目に見えていた物だけが現実じゃない。」




俺はアルトの言ってる事の意味が全く分からなかった。

一体何が言いたいんだ?……俺はとりあえず口を挟まずに話を聞いていた。



「周りくどい言い方をしてしまったね。

はっきり言うと此処は君の住んでいる『世界』ではない。

国が違うとかそういう事ではないよ?『空間』が違うのだから」



俺は目を丸くした。

確かにさっきから自分の今まで経験してきた事じゃ説明しきれない事がたくさん起こっている。

だけどやはり分からない事も多すぎる。俺はきっとそれが顔に出ていたんだろう…



「そうだね…分かりやすく言うと、だ…。

君の住んでいる空間は『リアルワールド』と呼ばれていてそこから更に『ファンタジーワールド』という小さな世界の集合体が続いている。

光があれば闇があり、表があれば裏がある。つまり…リアルワールドと対になる世界、それが『アンダファルト』だ。

そして此処がその中間の世界『センターサークル』」



「で、結局何が言いたいんだ?なんで俺はその世界に迷い込んだんだ?」

思わず口を挟んでしまった。

アルトは口を挟まれた事を不快に思ったのだろう。少しムッとした表情を浮かべている。



「普段この四つの世界は交じり合う事が無い。

それは何故か。私達センターサークルの住人の選ばれた者達が『入口』を守っているからだよ。」


「センターサークルの人達は違う世界の存在を知ってるんですけど、裏の世界と表の世界の人達は普通、お互いを知ることは無いんですの。」

アルトの言葉を補足するようにフラワが言った。


「だが此処最近裏の世界…アンダファルトの奴らが私達の守る扉のひとつからセンターサークルに入り込んできてしまった。


私達の間では裏切り者が扉を故意に開けてしまったのではないかと囁かれている、が…

どうしてかな、此処最近他の扉守人とびもりびととの交信ができなくなってしまった。

だから何処の扉が開かれてしまったのか、他の地の扉守人が無事なのかさえ分からない。

私達が自分の足で他の場所まで確かめに行ければそれに越した事は無いんだけども…


裏の世界の住人を、裏の世界に閉じ込めておくのが私達の仕事…

私達は私達の守る扉を守るのに必死でね。この地から動く事ができない。

そして裏の世界の奴らの力は強大…


此方に進入されてしまっては…私達の力だけじゃどうしようも無いのだよ。」






俺は背筋に何か冷たいものが走る感覚を覚えた。何か嫌な予感がしたからだ。



「裏の世界の者に対抗できるのは表の世界の者だけしか居ない。其処で私達は表の世界と幻想世界ファンタジーワールドから勇者を召還しようと考えた。」




「もしかして……」

「そう!御婆様の召還術で勇者様がやってきたんですのー!」

フラワが嬉しそうに言った。嫌な予感は………的中した。





「いや、無理だから。俺、無理だからねえええええ!!!」






全力で否定する。隣の家の女の子を悪がきから守るとかならまだしも…世界って………

壮大すぎて実感が沸かないっていうか…

それ以前に自分、武術なんて中学校の時に学校の授業で習った剣道しかできないんですけど。

それも汗臭くなるのが嫌でそんなに参加しなかった記憶が…。







「いいですか?勇者。」

「いや、俺勇者でも何でも無いから。桜井正人って言う名前あるから。」

「では勇者正人。」

「勇者取れ。」







「勇者様として呼ばれた皆様が揃わないと、表の世界には帰れませんですよー?」







フラワの無邪気な笑顔が俺に向けられている。

俺の頭の中は真っ白になった。










今回は大分長くなってしまいましたが、此処まで読んで下さった方がいらっしゃいましたら有難いです。

次話からやっとこさ旅立ち…にできるといいな←

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