涙
「やったよ、おじさん!」
「なんだよ、どうしたよ?」
「祈りが通じたんだよ!」
「ん、何が?」
「だ〜か〜ら〜」
入学式の次の日、今日から僕は2年生だ。
クラスが変わって先生も変わったし、クラスメイトも変わった。
でも全員ではない。
始業式、体育館でクラス変えと校長先生の長い挨拶、校歌を終えて立ったり座ったりを繰り返して疲れてるとはずの足で友達と駆けて帰った。
鬼ごっこだったが、途中で僕は公園のトイレに行くと言って別れた。
当然、目的はトイレではない。
公園といえば、公園には、
「あー、そういえば、そうだったな。
良かったなまた同じクラスになれて。それとお前の友達が死ぬような事にならなくて。」
「うん!本当に…本当に良かった…」
「その年でもう嬉し泣きかよ、すげーなお前。」
「うっ…違うよ…でも、何でだろう…グスッ 嬉しくて、なんで…ヒッ だろう…うぅ…」
「ま、男には泣きたい時もあるさ。その時は気が晴れるまで泣けばいい、後になって立ち止まらないように。」
涙が不思議と溢れてきた僕におじさんはベンチの隣を空けて座るようにポンと叩いた。
「うぐっ、ヒッ…うぅぅ…」
「話は聞いてやるからさ、いくらでも」
おじさんはその大きな手で僕の頭を優しく、泣き止むまで撫でてくれた。
そのおかげか、しばらくすると涙が止まった。
抑えきれない涙がだんだんと。
「で、どうしたんだよ」
まだちょっと続いていたしゃっくりが止まるのを待ってからおじさんが話を聞いてきた。
「んっ、本当に、分からないんだよ。分からないけど、何でか友慈がどこか遠くへ居なくなりそうで、そう思うと寂しくなって、そうじゃないと分かったら、 何でか嬉しくて、とってもッズズ 嬉しくて。」
また、考え始めると涙が出そうになる。
堪えるためにも鼻水を啜った。
「そうか。なら良かったな。」
最初の返答とは変わってゆっくりと優しくおじさんは言った。
「でさ、今日はクラス替えだったんだろ?どうだったんだよ。」
二人ともしばらくボーッと公園の風景を虚ろに眺めているとおじさんが切り出した。
「うん、優しそうな先生になった。それと知ってる子が意外と少なくってショックだった。」
「そうか。でもこれはチャンスだぞ!」
「え?どうして?」
「だって今まで知らなかった奴らと友達になるチャンスが来たんだからな!」
「あっ、それもそうだね!」
「ああ、じゃあ今日はもう帰れ。母ちゃんが家で飯作ってくれてるんだろ?」
「あっー!そうだった、すっかり忘れてた。もう1時じゃん。」
正確には12:42だった。だが、ここの時計は近くのコンビニとは20分遅れで表記されている。
「じゃあ一旦帰ったらまた来るよ。」
「いや、今日は帰って新しい友達とでも遊んでこいよ。中年と喋ってるよりは楽しいだろ。」
「ううん、おじさんとのお話は楽しいよ。それに今日は断っちゃったし。」
「何だ、誘われてたのかよ。ならなおさら行けよ。」
「ううん、今更言っても人数が溢れちゃうよ。」
「んー、それもそうだな。」
「でしょ?じゃあ「じゃあ、帰って明日から仲間外れにならないような準備でもしてこい。」
「えー。あ、おじさんもしかしてこの後用事あるの?」
「ん?ふむ、、、あっ、あるぞ、うん。だから今日はもう来んな。」
「幽霊なのに?まあいいや、じゃあ今日は帰って昼寝でもするよ。じゃあねおじさん、祈ってくれてありがとう」
「おう、どういたしまして。じゃあな。」
本当は言い出しただけで何にもしてないが、寝てる間には思い出してちょっとは祈った。はず。
まあ、あの子の気持ちを壊すわけにもいかないしな。
しかし、知らなかったな。
あの子があんなに感情的な子だったなんて。
あの年であんなに泣く子は他に何人いるか…
ま、きにしてもしょうがないか。
それにしてもあの子が来ないとなるとやっぱり暇になるな。
する事も出来る事もないし、どうしたものか…
やっぱり話でもしとけばよかったか?
ま、いいや、俺も昼寝でもしよう。
会社がこんなこと出来ないしな。
ふわぁあーあ、日が照ってて気持ちいいぜ。ちょっと暑いけど。
眠れないほどではないな。
ベンチを独占して昼間っからゴロンと寝転がって瞼を閉じた。
そして意識はそのまま薄れていった。
どうも、急ぎに急いで短くなりましたが、キリをつけて更新。
短いですが、今週分はこれで。
すみません。
本当はもっと書こうと思ったんですが、また時間がかかってしまいそうなので今回の入りのいいところで更新します。
何か同じことを繰り返し言ってるような気がしますが。
それでは、来週分は遅くなるでしょうが、よろしくお願いします。




