拾い札 1
今日の天気は晴れらしい。
今日は少し暑い。
僕は進学する学校へと、下見に来ていた。
と言っても、当然門は開いていないだろうから、眺めるだけだったのだが。
グラウンドは他の学校と変わらず、校舎もそれほど変わっている様子は無かった。
珍しいところはといえば、池が二つあった事だ。
二つは二つとも片方の死角にあった。
それぞれの方向から別の方の池は見えないようになっていた。
学校の正面と裏側にそれぞれあった。
一つは無駄に大きく、中には少しグロいような生き物でもいるのではないか?と思えるぐらいに濁っていた。
もう一つは時間になると、少し小さいが噴水が出るようになっていた。
しかも、その噴水を見た人は全く居ないというらしい。
それだけだった。
視察を終えて、喉が乾いたので公園へ行く。
あいにく金は持ち合わせていないんで、水を飲みに坂を下った。
公園につき、蛇口を捻り、口を噴水先にスタンバイさせた。
あれ…?何も出ないぞ?
水管工事でもやっているのか?
仕方ない、家に帰るとしよう。
ほうじ茶が冷えて待ってるからな。
家は視察先の、今度から通う学校の近くにあった。
学校へと引き返し、坂を登る。
途中、泣いている少年を見かけたが、どうしたものか。
何もできないし、「構わないでくれ」と言うような雰囲気を出していた。
その子を少し流し見をし、歩みを進めた。
学校の前を通った。
門が開いているのが見えたが、そんな事より、喉を潤す方が先だ。
家につき、早々に冷蔵庫へと向かう。
ほうじ茶を容器から自分専用のコップに注ぎ、口に運ぶ。
「ぷはっー、くぅううー」
我ながら親父くさいと思う。
容器とコップをしまい、この後の行動きついて考えた。
考えはすぐに纏まった。
開いていた門が気になる。
今なら入れるのでは?
家を出て学校へ少し早歩きで向かう。
閉じてもらっては困るから。
見つからないようにコッソリと中に入る。
気になっていた、他の学校とは違う池を目指した。
入学すれば、いつでも見れるが、待ちきれなかった。
今日は何だかウズウズして堪らなかった。
噴水のある池についた。
池の水は遠くから見たときより減っているように見えた。
遠近法なのか?
別の方の池にも行ってみた。
こちらも池の水嵩が減っているように見えた。
二つに噴水の周りは少し湿っていた。
現在いるこの濁っている池の周りには、なにか、白いゴミ屑のようなものがそこら中の散らばっていた。
その中に、カードがあった。
大事そうにスリーブまでしてあった。
当然中のカードは無事だが、スリーブは濡れていた。
ひょっとして、この周りにあるゴミ屑は紙屑なのではないか?
水で湿って破れた紙屑のようにも見えるし。
他にも何か無いか探して見た。
お宝が無いかくまなく探した。
結果、カードが3枚見つかった。
それと、箱が池に沈んでいたのを見つけた。
どうもお久しぶりです。
読んで頂きありがとうございます。
よりしければ、続きも読んでいただけると、嬉しい限りです。
更新は3日に1回ぐらいのペースでしたいと思っております。
それでは