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彼女との別れ
2011年3月9日、忘れられない東日本大震災が起こる3日前
私は天国へ逝った友に別れを告げた。
あの日、2年の介護生活も終わった。
私が10歳のころから共に過ごしてきた愛犬のココが、天国へ逝ってしまったのだ。
ミニチュアシュナウザーの女の子だった。
私たち家族は、彼女からいくつもの、かけがえのない思い出や愛情をもらった。
今まで何匹も動物を飼っていたけれど、彼女は一生懸命生きる素晴らしさを教えてくれたんだと思う。
一生をかけて。
1994年7月25日深夜
当時私は小学5年生だった。
夜中0時、寝ていた所を母親に叩き起こされた。
『産まれるよ!!』
そう言われ、飛び起きて向かった場所には。
子供の両手にもすっぽり収まる、小さな犬の赤ちゃんが誕生していた。
1匹、2匹、3匹、、、
ビデオカメラを回しながら、
『がんばれ!!がんばれ!!』母と一緒に叫んでいた。
結局、計4匹の赤ちゃんが生まれた。
母親犬の凄さにも驚きつつ、
自分達の寝室で新しい命が誕生したことに、感動していた。
『凄い凄い!!』いつまでも興奮が止まらなかった。
それが、ココとの出逢い。