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異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


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第2話 異世界ライフ、貝殻から始めます

 ……まぁ、転生して転性したことは置いておこう。問題はこれからどうするかだ。

 見渡す限り砂岩しか無い海岸。食料はおろか飲み水も確保できるかどうかわからない。


 最も確実なのは人が暮らしている集落や町に行くことだが、そもそも場所がわからない。なんならここがどういう国のどこら辺なのかも不明だ。移動するにしても方向が外れて永遠に遭難、なんて事態もあり得る。


「なーに不安になっているんですか。スキルを使えば生き残ることは当然、快適な生活も出来ますよ」


「え、ヤドカリ!?」


 突然声が聞こえたと思ったら、目の前に宙に浮かぶヤドカリが現れた。しかも喋っていやがる!


「初めまして。私は『ハミット』。あなたのスキル『貝使い』のガイド役として生まれた精霊です」


「はぁ」


 思わず間の抜けた返事をしてしまったが、これはしょうがないだろう。スキルも精霊なんて初めて見るし。そういえば転生するとき、あの女が『貝に関するチート能力を授ける』と言っていたが、『貝使い』がそうなのか?


「とにかく、今はあなた――『マスター』のスキルで生き残れるという証明をしましょう。心の中で『自分のスキル能力を見たい』と思って下さい」


「『マスター』って俺のことか? まぁ、やってみる」


 ハミットに言われたとおり、自分のスキルについて知りたいと考える。すると、頭の中に自分のスキル情報が浮かんできた。


「『貝使い』……か。どんな能力なんだ?」


「『貝使い』の能力は、この『異世界』で生活する上で非常に有用ですよ。では、まずはステータスを見てみましょう」


 ハミットがそう言うと同時に、俺の目の前に半透明の画面が現れた。まるでゲームだな。

 そして画面には次のように書かれていた。


------

スキル:貝使い

称号:貝殻の友(第1段階)

召喚可能な貝:アサリ、シジミ、マテガイ、カワニナ、タニシ etc...

------


 どうやら俺のスキルについて書かれているようだ。スキルだけしか書いていないとも言えるが。


「え、これだけか? 確かにアサリとかシジミは食料に出来そうだが……」


「貝使いは10の成長段階があり、能力を使い込んだり様々な経験を積むことで成長できます。特に戦闘経験は経験値を多く獲得できますね。

 とりあえず一通り貝使いの能力を使えばすぐ二段階目に成長しますから、それから本格的に衣食住を充実させられますよ」


 なるほど。そういうスキルなんだな……って、衣食住の充実?

 食はわかるが衣と住が貝とどう関係があるのかわからないが……今はこれしか縋るものがないので、とりあえず言われたとおり能力を使ってみる。

 砂浜に移動し、アサリとシジミとマテガイを召喚……おお、確かに思った通りの貝が砂の上に現れた! しかも確実に生きていて、砂に潜ろうとしている。


「召喚に成功しましたね。貝の召喚は貝使いのメイン能力ではありますが、実は召喚した貝や貝殻をある程度操作できます。ただオマケ程度の能力で、劇的に操作できるわけではありませんが」


 試しにアサリとシジミに指令を出して、海まで行かせてみようとしたが上手く操作できない。だが確かに貝を転がすことはできた。多少移動させる程度なら可能という事だろうか。

 最初はおっかなびっくりだったが、やってみるとドンドン楽しくなってきた。


「召喚するだけではありませんよ。送還――つまり召喚前の状態に戻すことも出来ます」


 ハミットに言われて、砂の上に出ていた貝と貝殻を送還してみる。すると一瞬で呼び出した貝が消えた。

 何度か召喚と送還、操作を繰り返していると――。


「な、何だ!? 一瞬電流が走ったような感覚が……」


「レベルアップですね。やはり最初ですから、二段階目に上がるのが早い」


 レベルアップか……。と言うことは、スキルが何か変わったのかな? ハミットが言っていた衣食住を充実させるっていう言葉が気になるし。

 と言うわけで、俺は自分のスキルを調べた。


------

スキル:貝使い

称号:潮騒の導き(第2段階)

召喚可能な貝:テントガイ、レンキンガイ、チャッカタツムリ、シオアサリ、ロカカキ、カイメンガイ、ハマグリ、ツブ貝、ムール貝etc...

<既に召喚可能な貝は非表示>

------


「……なにコレ?」


 後ろの方にあるハマグリとかツブ貝とかムール貝はわかる。まあまあ良いお値段する貝だよな。前世は金が無かったからあまり食べられなかったが。

 問題は前半の方。なんか見慣れない名前の貝が羅列されているんだが!?


「貝使いの能力で召喚することでしか現れない特別な貝です。この特別な貝を召喚出来ることが貝使いの強みであり、衣食住を充実させられる秘密でもあります。

 では早速召喚……の前に、貝の詳細を見てみましょうか。レンキンガイの詳細を見たいと思って下さい」


「あ、貝について教えてくれるのか」


 試しにレンキンガイの詳細を見たいと思ったところ、画面が切り替わり図鑑のようなページが映し出された。


------

レンキンガイ

ツノガイの一種。砂や地面に穴を掘り生息している。穴の中に素材を入れると変質させたり合体させたりと錬金術の様なことが出来る。

------


「ん? 錬金術?」


「はい、その通りです。魔力の液体を満たした鍋に素材を入れアイテムを作り出す錬金術――。その錬金術の鍋の代わりになるのが、このレンキンガイなのです」


「ええ!? そうなのか!?」


「はい。そして素材になるものは貝使いで召喚出来る貝です。私が何を言いたいか、もうお分かりですね?」


 もしや、レンキンガイと他の貝を使えば、衣と住を充実させられる!?


「お気づきのようですね。レンキンガイは貝使いの能力を十全に発揮するための重要な貝なのです。では、早速召喚してみましょう」


 ハミットに促され、レンキンガイを召喚する。すると人の大きさほどもある巨大な円錐状の物体が現れ、砂の中に突き刺さり、そのまま砂の中に潜ってしまった。大鍋ほどの穴を作って。

 

「無事に召喚出来ましたね。では、ここから本格的に住む環境を整えていきましょう」

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