第24話 働きたくないし、野宿もしたくない
夜。
暗い。
何も見えない。
「……」
寒い。
昼は暑かったのに、
夜は寒い。
不合理。
「火はこれでいい。」
ガルドが言う。
小さい火。
弱い。
「もっと。」
「薪がねぇ。」
足りない。
全部足りない。
座る。
地面。
硬い。
部屋が良かった。
壁。
床。
扉。
全部あった。
ここにはない。
空だけ。
「……」
虫。
音がする。
近い。
嫌い。
「ガルド。」
「なんだ。」
「虫。」
「いるな。」
「どうにかして。」
「無理だ。」
使えない。
魔法は使える。
でも、
虫のために使うのは面倒。
見なかったことにする。
横になる。
硬い。
痛い。
眠れない。
「……」
「……」
「ガルド。」
「なんだ。」
「眠れない。」
「寝ろ。」
「無理。」
「目閉じろ。」
閉じる。
暗いだけ。
変わらない。
開ける。
「変わらない。」
「そうか。」
助けてくれない。
優しくない。
少しして、
ガルドがローブを投げる。
「使え。」
「……」
受け取る。
厚い。
少し暖かい。
「ガルドは?」
「慣れてる。」
そう。
この人は慣れてる。
旅に。
野宿に。
全部に。
ずるい。
ローブをかける。
暖かい。
少しだけ。
楽。
火が揺れる。
静か。
風。
虫。
火。
それだけ。
剣が、
静か。
でも、
起きてる。
わかる。
ずっと。
「……」
眠くない。
でも、
目を閉じる。
少しだけ、
安心。
ガルドがいる。
近くに。
それだけで、
違う。
「……ガルド。」
「なんだ。」
「いる?」
「いる。」
短い返事。
それで十分。
目を閉じる。
暗い。
でも、
怖くない。
少しだけ、
眠れる。
たぶん。
旅は、
つらい。
でも、
嫌いじゃない。




