『それ水道代ちゃんと払ってますか?』
これは……あの日。私が友人の家で体験した。
シャワーの水圧も弱くなる……。
身の毛もよだつとても怖ろしいお話です。
これは同郷の沖縄出身の私の親友と友人達にまつわる怖いお話。《ユタ》と言う沖縄の民間霊媒師を生業とする祖母を持つ友人と共通のその私の親友は、祖母は《ユタ》と言う沖縄の民間霊媒師では無いのだが、霊感が強く海辺の潮風が香る地域の白壁が輝くオサレ(お洒落)な家に住んでおりました。これは、その親友が海辺の潮風が香る地域の白壁が輝くオサレ(お洒落)な家に引っ越して住み始めた頃のお話です。
引っ越しも無事に終わったとの事で私と《ユタ》の祖母を持つ友人は、その共通の私の親友の引っ越したての海辺の潮風が香る地域の白壁が輝くオサレ(お洒落)な家に招かれておりました。
親友のオサレ(お洒落)な部屋で寛ぎ。さんぴん茶 (ジャスミンティー)を飲みながら駄弁っていた時です。
「ーアンタ以外に誰かいるの?家族?ー」
不意に《ユタ》の祖母を持つ友人が親友に唐突にそんな事を聞きました。
「家族と住んでるけど今は皆出かけて居ないわけさぁ」親友がさんぴん茶 (ジャスミンティー)を飲みながら応える。
「ふ〜ん。…じゃあ…この水音は、何ね?」《ユタ》の祖母を持つ友人が親友の部屋の下を指さし問う。
「水音?そんな音するねぇ?」私が不思議そうに訊くと《ユタ》の祖母を持つ友人は、溜め息を吐いて「コイツに聞こえないってことはさぁ。だーるでしょ?(そうでしょ)」とその親友に問う。親友は困ったような表情で苦笑して「だーるわけよぉ(そうだわけさ)」と言った。
「……ぇえ!?ヤダ怖い話ですか!?」二人と違って霊感がこれっぽっちも無い私は、好奇心旺盛に恐怖と興味がない混ぜになった心持ちで二人に問う。
「…まぁ…この変態(←私の事を言っています)がいれば幽霊も変な事してこんでしょwww」《ユタ》の祖母を持つ友人が親友に向かって聞き捨てならぬ事を仰いますが、まぁ。私が変態なのは事実なので黙って事の成り行きを見守る事にしました。
「だーるねー(そうだね)www」あろうことか霊感のある親友まで私の事を愉快に笑いながら《ユタ》の祖母を持つ友人に返しております。全く以て失敬な友人達ではございますが、まぁ。私が変態なのは以下略www。
「とりま!!マース袋(魔除けの塩の御守り)だけ飾ってお祓いだけしとくか!!せっかく引っ越したばっかだしねー」《ユタ》の祖母を持つ友人が、何時も懐に忍ばせているマース袋(魔除けの塩の御守り)を取り出して不適な笑顔で言う。
そして私達は、親友の引っ越したてのオサレ(お洒落)な家の水音がすると二人が言う場所へと、マース袋(魔除けの塩の御守り)を飾りに行くことになった。
「ちょうどこの下がさぁ。お風呂場だわけさぁ。何時も家族が誰もいない時にさぁ。シャワーの音がするわけさぁ。で、変だなぁと思ってさあ。お風呂場覗くさぁねぇ。そしたら誰もいないわけさぁ。シャワーも止まってるわけよぉ。だけどさぁ。わかる?誰かシャワー浴びてた?みたいにさぁ。お風呂場が水浸しだわけさぁ。お風呂上がりみたいになってるわけょぉ」
親友の話を聞きながら私達は階段を下り一階のお風呂の前へとついた……。
私には、ずっと何も聞こえないのだが、霊感のある親友と《ユタ》の祖母を持つ友人には、ずっと。その水音もといシャワー音が聞こえているらしい……。
ーーシャワシャワーー!!
ーーシャワシャワーー!!
「……ホントだねぇ。これ。はいってるね」
《ユタ》の祖母を持つ友人はお風呂場の脱衣所のドアの前で小声で言い。ドアに下げられていたカレンダーにマース袋(魔除けの塩の御守り)の紐を器用にクルクルと括り付けてマース袋(魔除けの塩の御守り)を飾った……。
するとーー。「あい、水音が止まったさぁ」霊感のある親友が小声で言う。……私には、ずっと何も聞こえ無いが、どうやら水音もといシャワー音が止まったらしい。
「……うん。たぶん。もう、どっか行ったはず」《ユタ》の祖母を持つ友人がお風呂場の脱衣所のドアに耳を押し付けてお風呂場の様子を窺って言う。霊感のある親友と顔を見合わせ。そして後ろで成り行きを見守っている私を振り向き声を合わせて言う。「「変態見てきて!!」」ーーと。因みに変態と言うのは私の渾名である。全くもって酷い渾名だとは思うが、当時はまだコンプラの薄い時代そして何よりまぁ。私が変態なのは以下略www。なのと。一説によれば幽霊というものは、陽キャ(明るい人)とエロい人(変態)には寄り付かないらしい。私は、根暗ではあるが御存知の通り後者の変態でございますので、此処は一つ。変態の矜持を見せる時!!変態一肌脱ぎます♡イヤン♡と。特段別段何も感じない霊感のこれっぽっちも無い私は、変態切り込み隊長として件の幽霊がシャワーを無断で浴びている?とのお風呂場へと意気揚々颯爽と入った。
ーーそこで私が目にした光景は!!
ーー…ピチャン。ーー…ピチャン。
……水の滴るシャワーノズル。
……水浸しのお風呂場のタイル床。
…なるほろ(成程)確かにこれは、先程まで人がお風呂に入ってシャワーを浴びていたかのような…そんな光景だった。
「お~い!!変態大丈夫かぁ!?」
「変態〜!!大丈夫ねぇ〜!!」
《ユタ》の祖母を持つ友人と霊感のある親友が口々に私を変態呼ばわりしてくるのに多少の苛立ちを感じつつも二人なりに私を心配しての呼び掛けなので、心配している割にガッチリ脱衣所のドアは閉められている……。のが、些か遺憾ではあるが、取り敢えず。特段。別段。何とも無い私は、この件に於いて一番気になり。一番ある意味怖いと思っている事柄を返事として返した「この幽霊さん?さぁ。それ水道代ちゃんと払ってますか?」当時の私は、苦学生で大変お金に困っていたので、どうしても。この幽霊さん?による無断入浴?な怖い話。で何より気になり何より怖い事は、この幽霊さん?は、水道代をちゃんと支払っているのか?と言う件である。実際に見たところシャワーは本当に幽霊さん?が無断で使用している様である。幽霊だからと言って甘やかしてはいけない。水道代とてタダでは無いのだ。お金がかかる。
幽霊さん?お分かりですか?
「払ってなかったらマジでにりる(ダルい)んだけど水道代払ってなかったら。ちゃんと払って貰ったほうが良いよ!!いろんな意味で!!」
私の提言に《ユタ》の祖母を持つ友人と霊感のある親友が脱衣所のドアの前で「「変態の言う通りだねぇwww」」と笑う声がした。「いや笑い事じゃなくてさぁ!!これ割とマジで真剣な話だから!!」
私のツッコミと友人達の笑い声がお風呂場に響いていた。
私の後ろでーー…ピチャン。ーー…ピチャン。
……シャワーノズルから水の滴る音がした。
これが、幽霊さん?が水道代を払わずに無賃入浴してるのが一番怖いと思った苦学生だった私の遠い夏の怖い思い出。
『それ水道代ちゃんと払ってますか?』
幽霊さん?水道代ちゃんと払って
……ホラー!?まさかの四作目。挿絵と言うか表紙?は、実際に友人宅で見たシャワーの絵です。マジで幽霊さん『それ水道代ちゃんと払ってますか?』無賃入浴とかマジでにりる(ダルい)幽霊だからと言って水道代はタダじゃない!!ちゃんと払ってもらわないと!!水道代払わないならこれ以上水道代がかさまないようにちゃんと祓ってもらわないとね。