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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

思春期

兄が学校から帰って来た


階段を一歩ずつ、ゆっくりと上がってくる音がする

今日も兄は怪我をしているのかも知れなかった



足音は僕の部屋の前で止める


兄がどうしたいのか僕は知っている

部屋の鍵を開け、僕は兄を迎え入れた


「おかえり」


「お兄ちゃん」


兄が部屋に入り終えると、僕は直ぐに鍵を締める

想像通り、兄は全身が傷だらけだった



「今日も学校で虐められたの?」


涙眼で何も言わない兄を、僕はベッドに座らせて抱き締めた


着ているシャツが湿っていくのが解る

兄の流した涙が染み込んでいるのだった



「上書き…」

兄の頭を撫でながら、僕は耳元に小さくそう囁く

その言葉に反応して兄の躰が跳ねるのが、触れ合った皮膚を通して伝わってきた


「する……?」



背中を指で愛撫する

兄の隠し切れない欲望が、抱き合っているうちに僕の臍近くに何度も当たっていた


僕の方が少しだけ兄より身長が低い

それでも、僕が押すと兄は簡単にベッドに倒れ込んだ


拳を握る

最初はこんな事のやり方は知らなかったんだけど、兄と何度も行為に及ぶうち、僕はいつしか『人の殴り方』が解るようになっていた



兄が上躰を起こし、待ちわびるような眼で僕を視る


確かにこうして視ると、殴りたくなるような顔かも知れない

僕は少し下がったあと軽く助走を付け、的確に中指の第二関節が傷痕に当たるようなやり方で、兄の右眼に出来ていた青痣を殴った



兄が両手で顔を覆いながら後ろに倒れる


そんなにすごい音はしなかった

僕の手は当然肉で出来ているし、兄の顔もそうだからだ


最初はこの感触がとても嫌いだったけど、今は好きだ

こんな風に好きに殴らせてくれるお兄ちゃんが居て、僕は結構幸せだと思う



気分が乗ってくる

兄の躰中の青痣や切り傷を、僕は殴り続けた


お兄ちゃんは好きで僕に殴られている筈なのに、何度も殴ると顔を庇ったり逃げようとしたりする


僕は庇おうとする腕を抉じ開けて顔を殴るのが好きだし、逃げようとする兄の肩を掴んで無理矢理こっちを向かせるのが好きだ

結局今日も、僕は逃げようとする兄に苛立ち過ぎて、馬乗りになって腕で喉を圧迫していた


この絞め方は本当に楽で、躰重をかけるだけで簡単に窒息させる事が出来る

兄が弱々しく藻掻きながら、両手で僕を押し退けようとしてきた



──お兄ちゃんの癖に、生意気なんだよ


さっき逃げようとした罰として、僕はお留守になった兄の顔、鼻の辺りに拳を数回振り下ろした


骨張った所を殴るのは好きだ

感触が良い

楽しかったけど、手を視ると血が付いていて嫌だった


腹立ち紛れに何回か殴ると、兄は汚い悲鳴を上げたきり動かなくなった



「あれ…」


「お、お兄ちゃ〜ん………?」


躰を揺すろうと触って、気持ちの悪い冷たさに僕はぞっとした

兄は口の端を笑みの形に釣り上げたまま、愉しそうに死んでいた



───最低だ


お兄ちゃんなんかを殺した罪で捕まりたくない


僕は一瞬だけすごく苛立ったが、直ぐに気を取り直すと無言で引き出しを開けた



中に在るのは縄だ 


兄が学校で虐められている事は両親も知っている

自殺にでも視せかければ、警察も捜査なんかしない筈だ



「面倒くさ過ぎ!」


兄の屍体は僕の力では重過ぎて、偽装作業は大変そうだった


「理由を話して、お父さん達にも手伝わそうかなぁ…」



とにかく、落ち着く事が今は大切だ


僕は兄の死骸を何回か踏み付けると、机に隠していた煙草を咥えてポケットからライターを取り出した

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