世界の各地に…
「ん…大貴殿。」
「どうしたの?」
「ダンジョン発生の兆しです。どこかまでは分かりかねますが。」
「最初期のダンジョンってことはゴブリンとかウルフとかだろ?」
「そうともいえません。オーガやトロールが出たりはしませんが、何が出るかは本当に発生したダンジョン次第。」
「なら、一旦戻るか。」
「そうですな。『ゲート』」
俺たちは一旦、自宅に戻ることにした。
俺は両親がローンを完済して残してくれた一軒家に住んでいる。6LDKに一人暮らし。掃除するだけでも大変な広さだ。
資産も両親がたくさん残してくれたのと、俺の爺さんがたくさん俺専用の通帳に生前のうちにたくさん移してくれていたから、一人で暮らしていくには全く問題ない。
俺はガダルとその他、先代の霊体達と1Fの広間でダンジョンを取材中のニュースを見ていた。
「私は現在、不思議なサークルが発生した現場に来ています。とても不思議でなんとも恐ろしい。」
「結局現れたのは、日本・アメリカ・中国・ロシア・韓国・イギリス・フランス・ドイツでしたか。それも各国に3カ所ずつ。間違いなく死傷者が出るな。」
「助けに行かないので?」
「ある程度の被害がでたあとの方が、報酬が高くなるからな。」
「三上家は殺人剣の一族だからな。自分達の家族以外どうでも良いのだ!」
「そこまでは言わないけど、まぁあながち間違ってはいないかな。まずはダンジョンの状況確認だ。それくらいやってもらわないとな。」
「ん…見ろ。動いたぞ」
ダンジョンのゲートが揺れている。魔物が外に出てくる合図だ。おいおい、ゲートに記者が近づいてるよ。
餌が寄っていってどうすんだよ。
「げっ…大魔猿コングかよ…。死んだな。」
ゲートから出てきた瞬間にバカでかい腕をふるった。
その瞬間、ゲートの周りに詰め寄った記者たちは肉塊とかした。あ〜あ。
周りにいた自衛隊が応戦しているが、みるみるうちにプチプチと潰されて死んでいく。そりゃそうだ。あいつの脅威ランクは低いが、最低でも30レベル無いと倒せない。まぁ、最高ランクのスキルでもあれば別だが。
「あれは魔法でないと倒せません。物理攻撃は奴の体には効果をなさない。」
「あいつがある程度暴れたら、顔を隠して声も変えて、助けに行くとするか。」
「羨ましいな…儂らも戦いたい。」
「親父たちは死んでるだろう!」
「それでも羨ましいものは羨ましいのだ!」
「なら、俺の命令に服従ってことでいいなら穢土転生してやろうか?どうせ、この前倒した魔人が3体いることだし。高ランクの魔物の魔石を合わせて使えば、神としては無理だけど、魔剣士としてなら呼び出せるだろう。」
「それで構わない!頼む!」
「「俺達もだ!!」」