2話-② 本当の絶望
ハーフヴァンパイア……って何だよ。
「いちいち五月蝿いのぉ、男だったらグチグチ言わずにどっしり受け止めれば良いんじゃ」
いや、そもそも俺だけ生き残ってどうすりゃいいんだ……
そうだ、俺だけだ。
俺以外みんな居なくなったんだ。
さっき確認したじゃないか……
「はぁ、本当にそちは…… ほれ行くぞ」
そう言うとエリーザ・バートン・テリーナは俺の手を引き外に連れ出した。
「な、なんだよ……引っ張るな」
彼女は無言のまま家を飛び出し、俺を掴まえて宙に浮いたのだ。
「うぉぉぉっっ、な、なんなんだよ、降ろせよ!」
「本当にこのまま降ろしてやろうか? この高さなら頑張れば死ぬかもしれんのぉ」
ウッ……!
「ほれ、もっと高くに登ってやろうか? これで本当に死ねるかもしれんのぉ」
「一体何が目的なんだよ……」
「下を見てみろ」
下を見ろって……
「あれは、貴様らが育った村じゃ、だが魔物や人界騎士が村にやって来てどうなった? 全て奪われたのじゃぞ? 貴様は悔しく無いのか? 取り戻したくないのか?」
それは…… あぁ、悔しいに決まってるじゃないか…… でもだからって俺は何も出来ないじゃないか。
父さん、母さん、妹、エイミー達が目の前で殺されたって、俺は次は自分だ、と覚悟することしか出来ないだから……
確かに、人間の貴様であれば、返り討ちに合うだけじゃろ。
現にこの近くの村でも騎士に歯向かった奴が居ったようで、そ奴のせいで、村は全滅したようじゃ。
へっ、そんな勇敢な奴がいたのかよ。
(俺にも勇気があれば少しでも状況が変わったのか……)
「違う、そ奴は勇敢であった訳では無い。 ただ、復讐したいという気持ちだけで、力も無いのに無駄死にをし、更には他に守るべき同胞も巻き込んだ、愚か者じゃ」
「じゃあ、なんだよ! 俺にどうして欲しいんだよ!! あのまま黙って見てろって事だったのか?! 家族が殺されるのを黙って見てれば良かったのか」
…………
俺は抱えられたまま、彼女に対して怒鳴り散らしてしまった。
だが、この怒りは決して彼女に対してのものでは無い。
これは、この怒りは俺の家族を殺した騎士に対してでも無いのだろう。
俺、そう、俺自身に対する怒りに違いない。
「言い過ぎたな、悪かった命を助けて貰った恩人に対する物言いでは無いな」
「なぁ、少年よ。 貴様は力が無かったらと言ったな? 力が有ればどうしたのじゃ?」
ッッ!
もちろん戦う、俺は家族を奪った奴ら全員が憎い!! 全部取り返したい! たとえ元に戻らなくても、俺の恨みは晴らされない!
「妾は奪われる側になったとしても、黙って見てろとは言わん。 それは妾も我慢ならん。 だが、力ではどう足掻いても敵わんならば……」
彼女はそれより先を語ってはくれない。
無言のまま、空を飛んでいると……
「もう時期夜明けじゃ、少年よ。 もし、貴様が無事に帰って来れば妾は決心する。 その時は貴様は本当の意味でヴァンパイアになるじゃろ。 次の夜には迎えに来る。 スキルを使って何とか生き残るのじゃ」
え?
良い話風な事を言っていた彼女は、掴んでいた俺の事を話、遥か上空より、俺を本当に落としたのだ。
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