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6話-③ 吸血鬼の戦い方

10月25日作成


「何だと?! 里を魔族に差し出す?!」


憤慨しているのは、この里の現当主セパル。


「巫女姫様や、先代様と奥様で決議された様です」


「勝手な事ばかり……!! 我らも戦地に赴くぞ!」


……


怒涛の勢いで、憤慨しているセパルは付き人に選抜戦士と共に、ナウス達の後を追うように指示を出すーー


「ここで、密偵の痕跡が無くなってます」


「ふぅん。 んじゃあ、此処で密偵も居なくなったって訳か……」


人界騎士はナウス等の村から既に移動しており、ナウスと同じ森の中へ足を踏み入れていた。


(敵の人数は正確には分からないが、この森に侵入するとなると、大所帯じゃいかないな)


そう言うとキースは後ろを振り返って辺りを確認する。


(こっちは30人前後で、やっと移動が出来るギリギリ……)


いくら、疲れ知らずの人界騎士といっても、歩きなれていない森の中で、更に足場が悪ければ、捜索はおろか、移動すらが困難になる。


だが、流石と言うべきか、人界から選ばれたと言うだけあり、初めての土地でも順応するのは常人より、遥かに早い。


だが、それでも馬で入れない地形ではあった為、捜索の為の時間に限りがある事は確かであった。


(不味いな、もうすぐで夜になる。 万が一にでも俺達を監視する者が入れば、奇襲される)


普段であれば、こんな風に思考する事自体有り得なかっただろう。


そもそも人界騎士に歯向かう者さえ居ない世界で、あまつさえ倒す存在など、居なかったからだ。


だが、状況が変わった。


第三師団は全滅、密偵も行方不明だ。


その為に機動力が高く戦闘力もある、俺達第五師団が選抜されたのだろうが、いくら機動力があって夜戦は得意としていない。


(さて、団長はどんな決断をするのだろうか……)


「このまま、捜索を続行する。 我々に休息など不要だ」


最悪の決断だった。


いや、実際には間違った決断では無い。


むしろ、無限の様な行動が出来るのが、俺達の強みだ。


だが、それでもエネルギーの消費をし続けるのは確かであり、その前に補給をしなければならない。


この森で補給出来るのか?


最悪の場合、このまま西に向かえば、魔界の中でエネルギー補給は出来るはずだが、そうなると、捜索自体を辞退し、後退しなければならない。


事実上の敗北になる。


これは絶対に避けなければならなかった。


途方にくれていたキースは辺りをウロウロと彷徨うに隊を離れていく。


すると薄暗い中でも、森の中での違和感に気が付いた。


矢が木に刺さっている。


そうそれはエルフがナウスを最初に襲撃した際に放った一本の矢であったーー


にやりと笑うキースは矢を抜き、悠々と隊へ戻って行く。


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