4話-③ 知らぬ不吉
師匠が放ったスキル、幻惑は一定時間の間相手が恐怖する幻を見せる事が出来る。
(確かにあの幻はキツかった)
師匠曰く、固有スキルの幻惑はヴァンパイアであれば誰でも使う事が出来るらしいが、系統や家系によって様々な種類があるらしい。
(つまり、俺にも使う事が出来るのか?)
「無論お主も使えるぞ」
マジか、あんなエグい攻撃を使う事が出来るのか……
「と言っても、使えてもここまでの大人数はむりじゃの。 出来て三人が限界じゃ」
「え、俺半分も使えないの?」
「無論じゃ、貴様は我の血を半分はついでおるが、その全てを使いこなせてる訳では無い。 つまりは駆け出しヴァンパイアなのじゃ」
つまり、練習すれば俺も五十人位なら同時に出来るって事か。
「それにしても、こいつらはなんなんだよ。 人間でも無さそうだけど、魔族って訳でも無いんだろ?」
「こいつらはエルフじゃ」
目鼻や顔付きがやけに整っており、耳が長い。
「エルフ……」
「何じゃ見るのは初めてか?」
確かに初めてだが、俺は人間と魔族以外を知らない。
「エルフと言うのは、森の精霊に近しい存在じゃ」
精霊…… それも初めて聞く、これが村の外か…… たまに来た旅人や避難民からも聞いた事が無かったが、世界にはこんなのが、いっぱいいるのか?
「さて、こいつらはいつになったら起きるのじゃ…… 誰がメンタルが強い奴らは居らんのかの」
師匠が呆れた顔しなが、エルフ達を眺めながら呟く。
「あ、あの……みんなに何をしたんですか?」
その声の持ち主は大木の影からひょっこりと現れた小柄な少女だった。
妹と同じ位の背丈のやけに可愛らしい少女だ。
髪型は妹と違いお団子の二つ結びであり、そこに倒れている彼等とは少し違った服装をしている。
(耳が長いって事はこの子もエルフか)
少し考えているのか、師匠は珍しく黙り込んでしまった。
「やぁ、お兄さん達はこの先に向かっているんだけど、君は場所をしっているかい?」
俺が慌てて少女に話し掛ける。
「街…… 魔族の方は入れないと思うのですが……」
「これ、お前は本当に女の扱いが分かってないの。 妾が見本を見せてやる」
不敵な笑みを浮かべた師匠はエルフの少女にゆっくりと近づく。
「妾はエリーザ・バートン・テリーナ伯爵じゃ、無論魔族だが、その辺はきちんと対処方法を弁えておる。 そちは知っている事を話すのじゃ」
まだ、夜でも無いのに、やや辺りが暗いせいか、師匠の瞳は紅に輝き、最高の笑顔が、危ない人のソレにしか見えない。
遠目でも分かるぐらい涙目を浮かべる少女は足をガクガクと震わせて、地面にへたり込む。
「ほれ、大人しく話せば、怖い思いを済まんですむぞ」
何処のチンピラだ。
エルフの少女は目をグルグルと回し、バタりと倒れ込んでしまった。
あれだ、師匠はコミュ障か何か何だろう。
うんうん。
俺の村にも一人いたから分かる。
人と長い事話して無いとそうなっちゃうんだよな。
以外なポンコツの一面を目撃してしまった俺は、焦った師匠に変わり、上着を地面に起き、少女を寝かせた。
いや、困ったな。
辺りを見渡すとエルフが百人位が倒れ込んでおり、俺の横で一人の小女が寝ている。
一体どんな罪を犯せばこんな大惨事の後の様な光景になるのだろうか。
スっと横目で、師匠を見ると……
目を泳がせ続けるガチガチに固まった師匠が突っ立っている。
最悪だ……
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