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とある魔王様は人間の国で家庭教師を務めます!  作者: まくら
第3章:魔王様、冒険者ギルドで伝説になります
40/50

40:永遠に眠る

最初はシューヴァ目線です

 俺は、何も出来ないと言われてきた。

 悔しくて悔しくて、認めてもらうために頑張ったというのに……。


 エレニア・ノーチェルは俺を要らないと最後は捨てたのだ。


 

 その女が目の前にいる。

 罰されるべき人間、復讐すべき相手、仲間を死へと追いやろうとした敵。

 


「アビス!」

「ふんっ、嘆かわしい。古代属性魔法ひとつだけか」

「召喚魔法、レイヴン」

「呪魔法」

「レイヴンもアビスも消された……!」



 可笑しい。レイヴンが消されてしまうのはまだ完璧に出来ていない証拠だろう。

 しかしアビスは俺が完璧に仕上げた古代属性魔法。

 ライとサナを守るために仕上げた唯一無二の魔法だったのに。


 エレニアが扇を振り払った途端に魔法は消された。

 

 呪魔法にこんな効果はなかったはずだ。

 


「風魔法、エアカッター!」

「呪魔法」



 全て呪魔法で解決されてしまう。


 今までの努力は無駄だったということか?

 俺には努力をしても魔法が全く使えずに泡のように消えてしまうのか?


 いいや、そんなはずは無い。

 努力して、挫折して、泣いて、努力しまくって……この魔法は全て努力の結晶だ。

 だから絶対に俺はエレニアに勝たなければならない。


 なのに……敵わない。



「水魔法、アクアスラッシュ」

「何度やっても同じだわ。呪魔法」

「クッソ!」



 エレニアに勝つためにはどうすればいい。

 俺では勝てない。何度やっても同じ事なのも確かだ。

 作戦を考える時間などない、だが頭を使わないと……考えなければ。


 考えなければ……!!



「貴様が来ないのであればそこの2人を寄越しなさい」

「それはもっと嫌だ!誰に渡すか。2人は大事な仲間なんだよ」

「それなら尚更、また呪いをかけてあげる」



 俺に残された選択は、自らエレニアの元へ、戻るという事。

 戻りたくはないが2人を危険に晒すわけにはいかない。

 


「ごめん。ライ、サナ」

「そう、それで良いの」

「1から全部説明してくれよ!呪うとか全部、1から……!」

「そうよー。シューヴァが大事な仲間って思ってくれるなら教えてよー」

「もういいんだ。俺の冒険は終わった。さあ、俺を好きにしろ」

「最初からそうすればいいものを。呪魔法、死神(モルテ)



 これは呪魔法の中でも強力で絶対に死を与えるものだ。

 此処で終わるのは、なんだかなぁ。



 ◇◇◇◇◇



「作戦はこうだ。まず、呪魔法の強力なやつを放ってきたらセイラが無効化してくれ」

「なんで妾なのだ?認めたくはないがフェルの方が強いし、それ以上にシロであろう」

「死神だからだよ。フェルは影魔法を使えるみたいだから援護を頼む」

「らじゃ」



 チラリとシューヴァの方を見ると顔を顰めていた。

 俺が何とかしてやりたいが、今まで出会ってきた人間の中でも強いし呪魔法を得意とした人とはほとんど戦って来ていない。

 そうなると適任なのは死神のセイラだ。



「ごめん。ライ、サナ」

「そう、それで良いの」



 もう諦めてしまったんだな。

 所詮人間とか言っちゃいけないけど、人間は諦めるに早い。

 3年間も闇魔法を諦めなかった王子を見習ってほしいものだな。



「1から全部説明してくれよ!呪うとか全部、1から……!」

「そうよー。シューヴァが大事な仲間って思ってくれるなら教えてよー」

「もういいんだ。俺の冒険は終わった。さあ、俺を好きにしろ」

「最初からそうすればいいものを。呪魔法、死神(モルテ)



 よし、予想通りだ。

 これでセイラが解除してくれればシューヴァは助かる。



「駄目だ!妾の魔法がビクともしない」

「モルテはもう、届いてしまう……」



 シューヴァは死神に(いざな)われて、眠るように倒れてしまった。

 ニヤリと笑ったエレニアと今にでも泣きそうな輝。

 

 セイラは深く反省している。

 モルテを使う人なんていないからセイラを説教するつもりもない。



「輝なんて解散してください」

「嫌だよー!あたしたち、今まで頑張ってきたんだからねー?」

「そうだ。シューヴァを死へと追い込んだ事、絶対に許さない!」

「こうなったら数で叩く。セイラ、前を向け。いつまでも下を向いてるつもりか?」

「そんな事ないのだ!」



 エレニア・ノーチェル……罪は重いから絶対に此処で討つ!

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