表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある魔王様は人間の国で家庭教師を務めます!  作者: まくら
第2章:魔王様、家庭教師として力を注ぎます
31/50

31:休日

 家庭教師の日でもない、宮廷白魔導士の仕事もない......久しぶりの休暇だ。


 とても久しぶりなので、何をして過ごすか決めていなかったが、買い物を行ったりのんびりしたりして自由気ままに過ごしたい。


 その願いは、叶わないことになってしまうが......。




「あ、シロさん」

「姫......どうかしましたか?」

「私、お洋服を買いに行こいと思ったのだけど......どうも護衛の予定が合わなくて......」


 姫ならドレスや服を作ってくれる人に来て貰えばいいじゃないか。

 俺が行かなくても大丈夫じゃないか......?


「ついて来てもらってもいい?」

「......わかりました」


 姫は庶民のような服を買いたいらしい。

 煌びやかな服ではなく、落ち着いた感じのがどうしても欲しいのだとか。

 いつか冒険者になるために、貴族みたいな服以外も着慣れときたいようだ。

 いっそのこと防具とか買ってあげちゃいたいが......見つかったら対変な事態になってしまうな。


「ここが、私の行きたかった場所」

「......私、服のことに関して詳しくないですからね」

「そのために、僕が来た」

「フェル!?」

「実はこっそりついて来てもらったの」


 ここぞとばかりに登場したフェルに軽く動揺してしまった。

 あれ......さっきまで全然気配はなかったんだけど、無駄に力を使っていないか?

 姫とフェルは同性だから店を楽しそうに回っている。

 取り残されるのはもちろん性別が男の俺と......スティだ。

 わんこの耳がペタッとしてるのを見る限り姫の側にいたいようだが、もう遠く離れてしまったんだよな。


『お世話がかりは大変であるな』

「ああ、王子に姫......それからフェルが増えたからな」

『ふむ......あの狐に居場所を奪われないようにしないと......』

「すでに奪われてるよー」

『なにっ』


 冗談で言っただけなのに敏感に反応された。

 

 おっと、おつかいが来たようだ。

 えー......なになに?妃様と王子と王の欲しいものが書かれている。

 運んで来てくれた鳥をしっかりと撫でてやって、紙を眺めた。


『......王は魔力戦車に必要である英雄の心というアイテム。

妃は妖精が喜ぶであろう聖なる泉の水。

そして王子はA位階以上のアゴーン・スパイダーの魔法石とな......買えそうにないな』

「......俺を便利ななにかと思ってるだろ」


 英雄の心は、魔物が稀に落としてくれる魔法石の超凄いやつ。

 聖なる泉は精霊の森の奥地にある泉のことだろう。それはすぐ行けるからまだいい。

 アゴーン・スパイダーに至っては探しても見つかるものじゃないぞ?


「フェル、買い物は終了だ。スティは姫を城まで送ってくれ」

『ノヴァ』


 大きな狼となったスティは姫と姫の荷物を背中に乗せて去っていった。

 俺の頭の上に乗ったフェルの落ちないように軽く重力魔法をかけさせてもらい走った。

 目的地は冒険者ギルドだ。


「あら、お久しぶりですね」

「前の......!」


 見学に行ったときに冒険者になる際色々と親切してくれた人だ。


「メル、と言います」

「改めて......俺はシロ。此奴はフェル」

「こんっ!」


 ちゃんと狐になりきってくれて助かる。

 ズル賢いところは狐っぽくてちゃんと頭も冴えているみたいだった。


「いたっ、何すんだよフェル」

「こんっ、こんこんっ!」


 フェルに噛まれた腕を治癒魔法で治した。

 まるで、今失礼なことを考えたな?とでも言いたげな雰囲気なため俺は心の中で謝っとく。

 メルさんはそんな俺らを見て上品に笑った。


「ところで、どういったご用事でしょう?」

「アゴーン・スパイダーのいるダンジョンありませんか!?」

「ありますよ。けど......危険です」

「危険でもいいですよ。俺、死にませんので」


 メルさんは渋々と頷いてくれた。

 ダンジョンの最下層のボスがS位階なのでS位階冒険者が入るべきなのだが......。

 これは内緒だと言ってなんとか依頼を受け付けることができた。


「では、頑張ってください。呉々も怪我をしないように......って、シロさーん!」


 空間移転は無理なので強化魔法で足の速さをあげる。

 フェルもノヴァと唱えて俺の横を走った。

 ダンジョンまでは歩いて2日だから、走って半日で着くだろう。

 今日中に帰るために全速力でダンジョンまで向かう事とした。


 幸いにも、精霊の森付近のダンジョンなのでついでとして取ることができる。




「此処、見た事ある」

「見た事あるのか?」

「ん。なんか、彷徨ってた時見た」

「ああ......そう」


 フェルは中にも入ったことがあると言うので道案内は任せることにした。

 英雄の心は倒しまくらないと駄目なようだな。

 最下層の近くまで行くと段々と敵が強くなる。

 敵が強くなる、と言うことは英雄の心がドロップしやすいということだ。


 俺は、通った道で出会った魔物を一切倒してない。

 一箇所に集めて一気に倒そうと思うからだ。


「フェル」

「りょーかい......フィーニス」


 魔物は全て魔法石となった。

 英雄の心は......よしっ、作戦成功だ。ちゃんと落ちている。

 さあ、この先に待ち受けるアゴーン・スパイダーをさっさと討伐しちゃおう。


「闇魔法......」


 ブラックホール。

 全てを闇に飲み込み......。


「光魔法」


 ホワイトホール。

 魔法石となったアゴーン・スパイダーを闇から吐き出す。

 これは合わせ技なので発想力の問題だが、王子にも使えるだろう。

 これを応用すれば空間魔法に荷物を入れなくてもいいので、時間経過してほしくないものを入れることにしている。

 空間魔法だと少しずつ時間経過しちゃうからな。


「フェル、ノヴァだ」

「ノヴァ」

「空間移転」


 メルさんの元へワープだ!


「ただいま戻りました」

「早かったですね......今、何処から現れました?!」

「そこから」

「何処からですかっ!」


 3体いたアゴーン・スパイダーのうち2体の魔法石をカウンターにおいた。


「これは確かにアゴーン・スパイダーですね......」

「じゃあ、俺はもう行くんで」

「わかりまし......報酬!」

「報酬は全てメルさんが使ってくださーい」

「はーい、ってなるかぁ!!」


 怒られたので空間移転。

 お使いを済ませたので、今日は寝ることにしよう。


 聖なる泉の水を取り忘れて怒られたのは別の話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ