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とある魔王様は人間の国で家庭教師を務めます!  作者: まくら
第2章:魔王様、家庭教師として力を注ぎます
17/50

17:10歳の誕生日

 明日、王子が10歳の誕生日を迎える。

 俺がここに来てからもう、3年も経ったのだ。

 時が過ぎるのは早いっていうけど、それにしてもあっという間で王子は未だに口をきかない。

 こっそりと覗きに行ったら座学、闇魔法の取得共に頑張っていたのでそっとしておいた。


 姫の家庭教師ではなく、なんていうんだろ......師匠?っていうのあれ、2回目の師匠なのもあるが比較的姫が良い子だったからそろそろ冒険者にでもなれる頃合いかもしれない。

 そうはいっても、姫はまだ8歳だから無理で、本当は15歳からギルド登録が許可されている。

 子供はそう簡単に死なれては困るから、ギルドも大変そうだよな。

 

 と、まあそんなこんなで俺は街に出ていたのだった。


 そろそろ仲直り的な何かをしようかと思って、誕生日プレゼントというものを買いに来ていた。

 買うものは決まっているけど、たまにはぶらついても良いかもしれない。

 俺は無事、フリーの白魔導士(仮)からブルーライズ王国宮廷白魔導士になっていた。

 気づいたらなっていたけど、最近では城で働く者から敬意の目で見られるようになって来た。

 嬉しいし、魔王城で魔物に向けられた目と似ていたから懐かしさを覚えていた。


 ちなみにだが、前に魔王城へ帰って以来一度も帰っていないからどうなっているか全然わかってないし、帰るつもりもしばらくはない。平和な生活を送れているだけで満足だ。

 しかし魔物は本当に人間を襲わなくなっていて、何か悪いことが起こる前兆とまで言われるようになっていた。......俺が指示したんですとは一切言えない。



 俺が王子へ贈るプレゼントは、闇魔法が使いやすくなるように闇属性の魔法杖を渡すことにした。

 あ、でも王に怒られそうだから光属性の魔法杖でもある。

 あとは......上級魔法の魔導書でも買って、今日は散々王子が喜びそうな料理をシェフと一緒に作ることとしよう。もちろん、カレーとかも作るつもりである。


 

 城へ戻ると中は王子の為の飾り付けがメイド、執事によってされている。

 普段外へ出ることを許されていないお妃は今日のために妖精を操り、手伝われている。

 外出許可がないのは王によるとこの、妖精を従えることで狙われている危険性があるかららしい。


 精霊と妖精の違うところは大まかに言って2つある。

 ひとつは、大きさで妖精はドワーフ、エルフなどのようにたくさんの大きさがあるが、精霊は基本的手のひらサイズの小さなものなのだ。

 もうひとつは、力。妖精は魔法に長けており、魔法ひとつひとつが使えるのに対して精霊は属性の力が長けているから、精霊の方が力は強かったりする。



「さて、それでは作っていきますか」


 ふんだんにフルーツを使用した、甘いケーキ。

 王子が甘党だからしょうがなく甘々にしているけど、他の日は苦いにで作ってあげないと糖尿病になって魔法どころじゃなくなってしまう。俺が家庭教師、宮廷白魔導士以前に医者にならないと王子の将来が病院、リハビリ生活で魔王討伐をせずに終わってしまうな。



「私も手伝い、やるね」

「大丈夫で......はい、お願いします」


 姫は敬語をだいぶ外せるようになったが、圧のかけ方が非常に上手になった。

 俺が大丈夫と言おうとは思ったのだが、やらせてくれないと言いつけるからなみたいな目線で見られたら、それは断ってはいけないだろう。


 姫も手伝ってくれたから、ケーキはすぐに作り終わった。





 コンコンコン、とノックの音が鳴り響く。

 こうして王子の部屋にノックをしたのはいちばん最初に出会って以来だった。


「はい......」

「お久しぶりですね、王子」


 こんなに元気が無くなってしまうくらい1人で頑張ったということが見てわかる。

 寂しくなって戻ってくるかと思っていたけど意外と王子は頑張り屋さんだった。



「さあ、今日は何の日かわかっていますか?」

「知らないよ」

「では食堂まで行きましょう」



 この時でもちゃんとついてくれるのは、王子も成長してくれたんだろうな。

 しばらく王子の世話どころか姫の世話も見れないくらいに忙しかったからのんびりできるのすら久しぶりだ。



「「誕生日おめでとう、王子!」」



 もちろん王はレイと呼び、姫はお兄様と言ったが......。


「今日って、僕の誕生日だったっけ?」

「そうですよ。王子、おかえりなさい」

「......シロは待っていてくれたの?」

「そうに決まってるじゃないですか」



 今日は、王子の大好きなものだけが揃っているからたまにはゆっくりと過ごしてほしい。



「お兄様、誕生日おめでとうございます」

「ありがと、マリア」

「こちらはお兄様が欲しがっていたポーションです」


 此奴、ポーションが欲しかったのか。

 あれは魔力上昇のポーションだから、闇魔法はまだ習得できていないみたいだ。


「シロは何かないの?」

「普通は今まで無視した人にそう聞きませんよ......はい、おめでとうございます」

「上級魔法の魔導書!それと、杖?」

「それは光と闇属性の魔法の杖ですが王子は光しか使えないと思うので」


 それを使って闇魔法、頑張れ。



 めちゃくちゃ甘いケーキを幸せそうに食べて、無事王子は10歳を迎えた。

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