16:特訓
王子がなんか、拗ねてから丸2日。
今日から俺は姫の家庭教師的なことを始める。
ちなみに全く王子は口をきかなかった。俺を見つけた瞬間どっかに行ったし。
「今日からよろしくお願いします」
「はい、頑張ります.........!」
昨日1日は、姫のことを観察させていただいた。
何が足りないかようやくわかった。姫に足りないのは体力、ただそのくらい。
魔力と体力は結構比例するらしい、例外ももちろんあり、姫は魔力量が多いけれど。
それでも体力をつければきっと倍だから走ってもらわないといけない。
ってことなので、先ほど創造魔法で作った服に着替えてもらおう。
「これに着替えて来てください」
「はい、わかりました」
警戒心まったくなし。兄妹似るもんだよな。
ドレスじゃ無い服を着るのは初めてかもしれないけど我慢してもらわないと......強くはなれない。
さて、俺も着替えてくるとしようか、いや、着替えなくても全然よかった。
「着替えて来ました」
「では、走りに行きましょうか」
着替えるのはとても早いようだ。
王、こんなことをやらせて怒らないでくださいね。
姫を強くしてほしいと言ったのは王なんですから、怒ったらそこで中止してやる!
姫のペースに合わせてゆっくり走ってみる。速さでいうとだいたいジョギング以下だな。
姫の足が止まった。
「シロさん、速いです......」
まだたった3分しか経っていないが、姫にはキツイのかもしれないな。
うん、優しくしたつもりだったんだけど俺の思い違いだったようだ。
「1回、休憩しますか。最初にしてはよく頑張りました」
「はい......すみません。足を引っ張ってしまって」
この子、本当に5歳なのか?と言いたくなるほど大人びている。
王子の方がよっぽど年下っぽいが良いのかこれで。
「少し、飛びますよ」
「えっ、飛ぶ?」
申し訳ないが浮遊魔法で宙へと浮かび、城のてっぺんへと昇る。
景色もいいし、風も心地よい。
姫の髪が風によって揺られた。髪の毛の色は王子と同じ金髪で、王族感はすごい。
姫の目の色は、王子が黄色なのに対して姫は真っ青だった。
太陽によって髪の毛はより綺麗に見えるけれど、目は少し死んでる気がする。
「お兄様は将来国立ブルーライズ学園に通うはずです」
ポツポツと、姫が言葉を出した。
王子の学力じゃ絶対に行けないけど、まったく行けないけど。
この世界は日本でいう中学生から学校に通えるので、12歳くらいからかな。
あと5年で学力をあげてもらわないと、王子は絶対に受かるわけがない。
「私は、別に行かなくても良いみたいです。
そこでお勉強がしたい......私は妃になんてならずに冒険者ギルドに登録して、旅がしたいのです」
「まあ、良いんじゃないですか。私は姫の言うことに従いますよ」
冒険者ギルドに登録して旅がしたい、文句を言うわけないがもう少し頑張って。
このままじゃ一瞬で死んでしまい、スライムの餌食になりそう。
だから俺が名一杯色んなことを教えてあげよう。
「それより姫、敬語を外したらどうです?」
「でも、それは......」
「私は全然気もしませんから」
全員に敬語を使っている姫には普通に話す力が必要だ。
ギルドで敬語は舐められてしまい、カツアゲも多くなってしまうだろう。
「これから頑張る......から、よ...よろしく!」
「はい。よろしくお願いします」
さーて、王子をどうしようかなぁ。
浮遊魔法
風属性の魔法で宙へ浮くことができる。
飛ぶ場所、高さ、時間の長さで魔力の消費量が変わる。




