15:祝、姫のお世話係
王族が美味いと口に揃えてカレーを食べている。
日本では見れない光景かもしれないな。
王子は流石子供とでもいえよう、黙々とカレーを食べておかわりをしている。
少しは姫を見てみろ、ちゃんと食事のマナーがしっかりしているぞ。お前に基礎を叩き込んでやる。
そうしないと恥じかくだろ。
「シロ、お願いしたいことがある」
おお、どうしたんだ王。
カレーはもう食べ終わった感じですか?まだ食べてる人いるけど。
「何でしょうか、王様」
てか、お願いしたいことってなんなんだろうね、めんどくさいことじゃないよね。
前回は王子の家庭教師だったから、変なものではなく少しは楽しいものだとは思うけど、大変だったらそれはそれで達成感はありそうか。
「マリアに魔法を教えてくれんか」
お願いだから重々しく口を開かないでくれ、とても圧がかかっていて怖いんだよ!
緊張感っていうか......え、俺が姫に魔法を教えんの?王子以外に?
姫の実力がよくわかっていないから俺はどうやって教えればいいか分からない。
下手に厳しくしたらクビになる。
王子みたいに雑に扱ったら駄目なやつだこれ。
「マリアは自己防衛が出来ないんだ」
「ああ、そういう事ならお任せください」
ずっと教えろってわけじゃないんだ。
剣術を教えたり座学を教えたりするわけでもない。
ただ自己防衛ができないだけで、座学は王子と違い絶対にできるはずだから。
なるべく、基礎を覚えさせることから始めたい。
基礎覚えないと何もできないのもそうだけど、姫は結構聖女気質あるかもしれない。
聖女なら、闇属性以外、だいたい使えるし精霊も操れる。
精霊は、気まぐれで気に入った人にしか懐かないので珍しい存在として扱われる。
そして、本当に姿を現さないのだ。
姫の家庭教師(?)な一瞬で終わらせたいから厳しくいってもいいのかな。
「そういうことなので王子、明日もお休みです」
「最近、ずっとそうじゃん。シロは僕の相手なんてしてくれないよね」
確かにずっと王子の面倒を見ていないかもしれない。
姫は一応一時のはずだからすぐ戻ってくると思うけど我慢してほしい。
なんでも覚えたいお年頃なのはわかるが、王の命令は絶対なんだ。
「いいよ。僕は、シロに教えてもらわなくてもできるから」
「そうですか。頑張ってください」
自立してくれるのはまあまあありがたいのだけど、少しめんどくさいことになった。
しばらく俺の口を一切聞いてくれないかも......。
そうなったら、きっと王子は1人で魔王のところまで行ってしまう。
僕を、魔王軍に入れてくださいって......俺が魔王だから魔王城にはいないけど。
しばらく放っておいてあげたら悲しくなって帰ってくるだろ。




