表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/84

第7話 通らない主張

 私は、公爵家のロクス・ヴァンデイン様と対面していた。

 ロクス様から言われたのは、婚約破棄したはずのドルバル様が、婚約破棄していないという主張をしてきたことだ。

 どうやら、ドルバル様は私が公爵家の人間だったとわかったため、その主張をしてきたようである。それは、なんとも勝手な主張だ。


「当然のことですが、僕達はその主張を受け入れるつもりはありません。セレンティナ様も、受け入れたくはないですよね?」

「ええ、流石に、私もこのような主張は受け入れたくありません。なんというか……普通に不快です」


 ロクス様の言葉に、私は頷いた。

 流石に私も、そのような主張を受け入れたくはない。

 自分から婚約破棄したいと言ってきて、今更それをなかったことにしようとする。その事実は、普通に不快だ。


「それも、当然でしょう。僕も、このように身勝手な主張は不快です。そもそも、オルデニア家と婚約を結ぶメリットがないと思っていましたが、今回の出来事でさらに彼等と繋がりは持ちたくないと思いました」

「ロクス様……」


 ロクス様も、私と同じようなことを思っていたらしい。

 それも、当然だろう。このようなことを言われて、不快に思わない者はいないはずである。

 結果的に、オルデニア家はヴァンデイン家を敵に回すことになった。今回の件は、完全に悪手だったといえるだろう。


「僕達は、断固としてオルデニア家と戦うつもりです。彼等の主張を通したりはしません。あちらも、色々と言ってくるでしょうが、それも全て叩き潰します」

「あ、ありがとうございます」


 ロクス様の言葉は、とても心強いものだった。

 同時に、とても恐ろしいものである。公爵家の叩き潰すという発言は、とても怖い。絶大な権力を持っている公爵家だ。やろうと思えば、どんなことでもできるはずである。

 その公爵家が、叩き潰すと言っているのだ。色々と大変なことになるだろう。


「さて、今日の話はこれで終わりです。わざわざ時間を作って頂き、ありがとうございました」

「い、いえ、問題ありません」


 ロクス様の話は、それで終わりだった。

 どうやら、もう帰るようだ。

 ロクス様のおかげで、ドルバル様のことについてはあまり気にしなくていいとわかった。そのことに、感謝しなければならないだろう。


「こちらこそ、今日はありがとうございました。ロクス様のおかげで、安心していいことがわかりました」

「いえ、こちらは当然のことを伝えたまでです」


 私の言葉に、ロクス様は笑顔で応えてくれた。

 その笑顔は、とても頼もしいものである。

 こうして、私とロクス様の話は終わるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ