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平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


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第69話 発見された才能

 私は、いつも通り聖女として働いていた。

 しかし、今日はいつもと違うことを考えている。

 先日、エンティリア様と話し合った結果、私は自身の後継者を探さなければならないとわかった。そのため、現在、聖女の後任になり得る人材を探す指示を出している。

 そのことが、頭からまったく離れない。私は、新たなる聖女になり得る人物が見つかるのを心待ちにしているのだ。


「セレンティナ様、大変です!」

「え?」


 そんな私に、ラカニアが話しかけてきた。

 彼女はいつもなら、こんなに焦って話しかけてこない。つまり、何か問題があって、私に話しかけてきたということである。


「どうかしたの? ラカニア?」

「聖女に相応しいかもしれない人が見つかったのです」

「ええっ!?」


 ラカニアの言葉に、私は驚いた。

 まさか、こんなに早く聖女の候補が見つかるとは思っていなかった。

 だが、まだ安心することはできない。こういう知らせがあっても、自分の目で見極めない限りは安心してはならないだろう。


「どういう子が見つかったの?」

「えっと……アモルの村という所に住んでいる少女が、強い魔力を持っていると調査員から報告がありました」

「アモルの村の少女……その子はこっちに連れて来られるの?」

「それが、色々と事情があるみたいです」

「事情か……」


 アモルという村にいる少女が、強い魔力を持っている。それ自体は、嬉しい知らせだ。

 ただ、後半の色々と事情があるというのは悪い知らせだろう。なんとなく、嫌な予感がする。


「悪い事情があるの?」

「ええ、なんでも、彼女は他の村人から疎まれているそうです」

「疎まれている? どういうこと?」

「詳しい事情は分かりませんが、嫌われているというか、無視されているというか、とにかくかなり扱いが悪いようです」

「そっか……」


 ラカニアの言葉を聞いて、私は少しだけ頭が痛くなる。

 どうやら、少女は村でかなり悪い扱いを受けているらしい。そういう事情は、聞いているだけで嫌な気分になってくる。

 どうしてそのような扱いを受けているかなど、そんなことはどうでもいい。そういう扱いをする少女は、聖女の才能を持っていようが持っていまいが、救いの手を差し伸べない訳にはいかないだろう。


「ラカニア、私は後日アモルの村に向かうよ」

「やはり、そうなりますよね」

「うん。こっちのことは任せてもいいかな?」

「ええ、もちろんです」


 私は、アモルの村に行くことを決めた。

 聖女の才能があるという面も含めて、私が行くべきだろう。

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