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平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


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第68話 助け合って

 私は、先代の聖女であるエンティリア様と話していた。

 色々と話を聞いて、私は今後のことをなんとなく決めることができた。本当に、エンティリア様には感謝の気持ちしかない。


「今日は、本当にありがとうございました。おかげで、今後の見通しが立ちました」

「私の言葉が参考になったなら、良かったです。これからも、聖女としてしっかりと勤めてください」


 私が感謝の言葉を述べると、エンティリア様はそのように返してくれた。

 先代からのその言葉は、とてもありがたいものだ。

 これからも、頑張っていこう。その思いが、私の胸に溢れてくる。


「ロクス様……少しよろしいでしょうか?」

「はい? なんでしょう?」

「この子のことを……どうかよろしくお願いします。弱い子ではありませんが、支えがいらない訳ではありません。あなたのような人が傍にいて見守ってあげて欲しいのです……」

「もちろんです。それが僕の望みですから」


 エンティリア様は、ロクス様に語りかけた。

 それは、私を心配してくれているからだろう。その気持ちも、嬉しいものだった。

 その幸福な気持ちを胸に、私はエンティリア様の元を後にするのだった。




◇◇◇




 私とロクス様は、帰りの馬車に乗っていた。


「これで、新しい方針が決まりましたね……」

「ええ、これから私は、後継者を探すことにします。そうしなければ、ロクス様と安心して結婚できませんからね……」

「結婚ですか……」


 私の言葉に、ロクス様は少し照れていた。

 確かに、少し恥ずかしいことを言ってしまったかもしれない。

 だが、これは確かな事実である。必要以上に恥ずかしがるのも違うだろう。


「セレンティナ様……これからも、どうかよろしくお願いします」

「え?」


 そこで、ロクス様がそんなことを言ってきた。

 その言葉に、私は少し驚いてしまう。


「……言っておかなければならないと思ったのです。僕とセレンティナ様は、これから新しい人生を歩んで行きます。そこには、困難もあるでしょう。だけど、二人なら乗り越えていけると信じています」

「ロクス様……」


 ロクス様は、今後のことを深く考えていたようだ。

 確かに、これからの私達の人生には困難が待ち受けているだろう。

 だが、ロクス様の言う通り、二人なら大丈夫だ。助け合いながら歩いて行けば、きっと活路は開けるだろう。


「……もちろんです。頼りにしていますよ? ロクス様……」

「ええ……任せてください」


 私の言葉に、ロクス様は力強く頷いてくれた。

 そのように頷いてくれたのは、嬉しいことだ。

 本当に、ロクス様は頼りになる人である。この人が隣にいてくれて、本当に良かった。今は、心からそう思う。


「なんだか、前もこんなやり取りをしましたね?」

「……そういえば、そうですね」


 私とロクス様は、ゆっくりと笑い合った。

 私達は、これからも一緒に歩いていく。そこには、色々な困難もあるだろう。

 だが、きっと乗り越えられる。私のことを思ってくれる人がいるのだから、それは間違いないだろう。

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