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平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


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第67話 未来のために

 私は、今後のことをエンティリア様に相談していた。

 二度も聖女を経験したエンティリア様の話は、とても参考になる。私がこれからどう歩むべきか。それがだんだんと見えてきている。


「もし後継者が見つかれば、話はとても簡単です。その子に、聖女としての業務を叩き込み、一人前になれば、いい時期に代替わりをすればいいのです。その時期は、あなたが選択すればいいでしょう」

「エンティリア様は、先々代の時はどのような時期に引退されたのですか?」

「私の場合は、二度目に妊娠した時期ですね。一度目の出産の時、あの子が代理として特に問題がなかったため、自身が退く時だと悟りました」

「そうなのですね……」


 エンティリア様が退いたのは、二度目の妊娠の時期であるようだ。

 一度目に、代理として聖女を務められたため、託しても問題がないとして引退。それは、非常にきれいな流れだろう。

 できることなら、私もそうありたいものだ。だが、こればかりはどうしようもない面がある。


「その後、彼女が妊娠した時、代理として私が聖女をこなしました。その時から、後継者問題はありましたから、かなり不安だったことを今でも覚えています」

「ええ……」


 普通に考えれば、エンティリア様のような流れが一番いいだろう。

 ただ、そのためには後継者が必要である。やはり、それを見つけることが最優先だ。

 結局、才能ある者が見つけられないなら、何も意味がないのである。


「ちなみに、今心当たりなどはないのですか? 誰かいい人とか……」

「残念ながら、そういう人は見つかっていません。本腰を入れて捜索していないのもあるのでしょうが、少なくとも志願してくる人の中には、見つかっていません」


 もちろん、今も新たな聖女を探していない訳ではない。

 魔力の才能があるとされる者や志願者がいれば、私が自ら見極めている。

 ただ、残念ながらまだ聖女に相応しい才能を持つ者は見つかっていない。本腰はいれていないにしても、中々厳しい状況であるといえるだろう。


「そうですが……大変そうですが、必ず見つけておかなければならない人です。これからは、少し本腰を入れた方がいいかもしれませんね」

「ええ、そうしようと思います」


 エンティリア様の言葉に、私はゆっくりと頷く。

 これからは、聖女の後継者を本格的に探さなければならないだろう。

 ロクス様との結婚を意識し始めて、私の心情も色々と変化している。私も、聖女を退き、新たな人生を歩むことを見据えていなければならないのだ。

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