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平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


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第66話 才能がなければ

 私は、エンティリア様と聖女の後継について話していた。

 それは、中々難しい問題である。


「聖女というものは、中々難しいものです。強い魔力を持っていなければ、町を守る結界などは維持できません。魔力がないと仕事にならない。それは、とても厳しい条件です」

「そうですね……」

「ただ、逆に言えば、魔力を持っていれば、その人が聖女と間違いなく決められます。この仕事を断る人はほとんどいません。ですから、見つかれば、話は早いでしょう」


 エンティリア様の言う通り、聖女に適任な能力を持っている人がいれば、話は早い。その人に、聖女になってもらうからだ。

 それが、一番簡単な方法なのだろう。ただ、問題はその人が見つからない可能性があることだ。


「しかし、もし適任者がたくさん見つかった時のことも考えておかなければならないでしょう。その中の誰を選ぶかは、あなたが決めなければなりません」

「確かに……それは、そうですね」


 しかし、逆に見つかり過ぎた時も考えておかなければならない。

 誰が適任者なのか、考えなければならないからである。

 私の時は、多く見つかったパターンだ。その時どうやって決めたかというと、エンティリア様が、直接指導して適任者を選んだのである。


「先々代の聖女は、どういう流れで決まったのですか?」

「あの子の時は、あの子以上に適任な人が見つからなかったため、あの子を選びました。あなたの時は、知っている通り、複数人の中から選びました。そのように、選び方は状況によって変わりますね」


 二度聖女の代替わりを経験したエンティリア様は、それぞれ別の方法で聖女を決めていたようだ。

 先々代は、他にいなかったため、選択肢がなかった。私は選別。当然のことではあるが、状況によって大きく変わるようである。


「もちろん、あなたやあなたの同年代に、私のように年老いても尚も聖女に相応しい人物がいれば、その人でも構いません。私という前例がいるのですから、何も問題はないでしょう」

「はい……」

「ただ、私のように多大な魔力を持っているような人ではない限り、それは中々ないことでしょう。やはり、若い子に頼るのがいいと思います。そもそも、あの年で聖女として活動するには、魔力以外にも体力的に厳しいのですから」

「そういう面もありますよね……」


 エンティリア様の言う通り、新しい聖女は若い子の中から選ぶべきだろう。少なくとも、私よりも年下でなければ、未来を託すことができないからだ。

 そのような小さな希望が、早く見つかればいいのだが、こればかりは運命ともいえるようなものである。才能を持った者が、いることを願うしかないだろう。

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