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平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


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第63話 先代の聖女

 私は、ロクス様とともに、とある場所に来ていた。そこは、とある貴族の屋敷である。

 ここには、私が話を聞きたいと思っていた人がいるのだ。

 先日ロクス様と話した時、私の今後は前代の聖女に相談するべきだという話になった。その人の元に、二人で来たのだ。

 事前に連絡はしてあるため、私達が来ることはあちらも把握しているはずである。しかも、私もロクス様も、何度か話したことがある人だ。そのため、あまり緊張はしていない。


「お待たせしました」

「あ、いえ……」


 通された部屋で待っていると、初老の女性がやって来た。

 その人が、私の先代の聖女であるエンティリア・ケルヴィニ様である。


「お久し振りですね、ロクス様、セレンティナ様」

「お久し振りです、エンティリア様」

「お久し振りです、エンティリア様。お元気そうで何よりです」


 私達は、そのように挨拶を交わした。

 エンティリア様と会うのは、本当に久し振りである。もう一年以上、会っていなかったのではないだろうか。


「セレンティナ様、以前とは見違える程に成長しましたね」

「え? そうですか?」

「ええ、顔つきを見るだけでわかります。色々と経験して、成長したのでしょうね」


 私の顔を見て、エンティリア様はそのように言ってくれた。

 どうやら、先代の聖女から見て、私はきちんと成長できているようだ。

 その言葉は、とても嬉しいものである。誰かに認められるのは、嬉しいことだ。


「それで、今日は私に何か質問があるようですね?」

「あ、はい。実は、エンティリア様に相談したいことがあるのです」

「ええ、構いませんよ。私に答えられることなら、力になりましょう」


 そこで、エンティリア様は今日の本題に入ってくれた。

 そのように話の流れを持っていってもらえるのはありがたい。

 いよいよ、私達の今後に関わる問題の答えを、聞くことができるかもしれないのだ。


「えっと……率直に聞きます。結婚した後、聖女の仕事はどのように行っていけばいいのでしょうか?」

「え?」


 私の言葉に、エンティリア様は目を丸くした。

 どうやら、この質問はエンティリア様にとって予想外のものだったようだ。

 確かに、いきなりこんなことを言うのはかなり驚くようなことかもしれない。

 なんというか、気が焦り過ぎてしまった。もう少し、順を追って説明した方がよかったかもしれない。


「えっと……もう少し順を追って説明します」

「え、ええ、そうですね。そうしてもらえると助かります」


 エンティリア様は、私の言葉にゆっくりと頷いた。

 やはり、順を追って説明した方がいいようだ。

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