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平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


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第49話 気になる態度

 サレース様の事件が終わり、私はいつも通りの日常に戻っていた。

 今日も、聖女として忙しい生活を送っている。


「セレンティナ様、お疲れ様です」

「あ、お疲れ様、ラカニア」


 これもいつも通りのことだが、ラカニアが私に話しかけてきた。

 あの事件の後、ラカニアと話すのは初めてだ。


「それにしても、サレース様の事件が無事に解決してよかったですね」

「うん、そうだね」

「ところで、私、あの事件で一つ気になることができたのです」

「気になること?」


 ラカニアの言葉に、私は首を傾げた。

 あの事件で、気になることとはなんなのだろう。

 サレース様の動機もわかったし、黒幕の存在もわかった。気になりそうなことは、大体解決している気がする。


「実は、ロクス様とサレース様の会話が少し気になったのです」

「あの二人の会話……何かあったかな?」

「ええ、サレース様がセレンティナ様のことをロクス様が自ら選んだ婚約者と言い、それをロクス様は肯定しましたよね?」

「うん、そんな会話があったね」


 ラカニアが気になっていたのは、サレース様とロクス様が最後の方にしていた会話であるようだ。

 確かに、ロクス様は私を自ら選んだ婚約者という風に表した。だが、それは言葉の綾なのではないだろうか。

 私とロクス様が婚約したのは、貴族達への牽制である。そのことを、サレース様は理解していなかった。それはあまり説明できることではないので、ロクス様も肯定するしかなかった。そういう流れのはずである。

 そのため、あの会話はそこまで特別なものではないはずだ。少なくとも、ラカニアが思っているようなことではないだろう。


「ラカニア、あれはロクス様も色々と説明できないから、肯定しただけで、深い意味はないと思うよ」

「本当に、そうなのでしょうか? ロクス様のあの態度、他意がないようには見えませんでしたよ」

「え?」


 しかし、ラカニアはあの発言に他意があったと考えているようだ。

 そんなことはないはずである。あれに他意があったなどとは、考えられるのだろうか。


「絶対にそうですよ。あの微妙な反応は、何かある反応です」

「私には、そう見えなかったけど……」

「考えてみてください。あの時のロクス様の態度を……」


 ラカニアに言われて、私はロクス様の態度を思い出してみた。

 なんというか、ロクス様は微妙な態度だった気がする。

 しかし、あれは他意があったということになるのだろうか。それは、少し気になることである。今度、ロクス様に聞いてみた方がいいのかもしれない。

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