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平民だからと婚約破棄された聖女は、実は公爵家の人間でした。復縁を迫られましたが、お断りします。  作者: 木山楽斗


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第45話 首謀者との対面

 私達は、サレース様に案内してもらい、アルガンデ家の現当主であるザレング様の元まで来ていた。


「な、なんだ。お前達は……」


 私達が来るとは思っていなかったのか、ザレング様はかなり困惑していた。

 しかし、自分が抗議の首謀者なのに、このように困惑するのはおかしな話だ。私達が来ることなど、普通に予測できただろう。


「ザレング様、私は聖女であるセレンティナ・ウォズエ……いえ、セレンティナ・ヴァンデインと申します。今回の抗議について話し合いたいと思い、こちらに来させてもらいました」

「今回の抗議? それは、娘の方から説明があったはずだが?」

「その説明の結果、ここに来たのです。なんでも、今回の抗議はあなたが首謀したそうですね?」

「む……」


 私の言葉に、ザレング様は顔を歪めた。

 その視線は、サレース様の方に向いている。どうやら、サレース様に対して何か言いたいことがあるようだ。

 大方、何故自分が首謀者であると言ったのかとでも言いたいのだろう。


「さて、今回の抗議に正当性があるかどうかという話をしましょうか」

「……その話に取り合うつもりはない。そもそも、私にも予定がある。それを押しのけてまで、お前達と話す必要などあるまい」

「そういう訳にはいきません。私達は今日、今回の抗議をした者と話すためにここに来たのです。それは、あなたも理解しているでしょう?」

「それは、そうだが……」


 今回、私達がここに来たのは、抗議の首謀者と話し合うためだ。

 先程までは、それがサレース様だと思っていた。しかし、それは真実ではなく、首謀者はザレング様だったのである。つまり、私達が話し合うべき相手はザレング様でしかないのだ。

 ザレング様は予定があると言っているが、それは通らない。なぜなら、今回ここを来訪するにあたって、私達は抗議の主体となった人物と話したいと要請を出して、アルガンデ家はそれを了承したからだ。

 ここで、ザレング様が話さないというなら、それはその約束を反故にするということである。そのようなことをすれば、今回の抗議に関係なく、貴族として名を落とすことになるだろう。


「……わかった。お前達と話すとしよう」

「ええ、ありがとうございます」


 私の言葉に、ザレング様は頷くしかなかった。ザレング様に選択肢などない。そうしなければ名が落ちるのだから、そうするしかないのだ。

 これで、ザレング様と話し合うことができる。何を言ってくるかわからないが、必ずこの人を打ち負かす。私は、そのように心構えるのだった。

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