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第25話 二度目の訪問

 私は、馬車に乗ってヴァンデイン家に向かっていた。お互いに予定が合ったため、会うことになったからだ。


「今日は、緊張していませんか?」

「この間よりは、緊張していません。でも、少しだけ、緊張はしています」

「そうですか」


 迎えに来てくれたロクス様が、私に緊張しているか聞いてきた。

 今日の私は、少しだけ緊張している。最初にヴァンデイン家に行った時よりは、緊張していないが、それでも緊張しているという状態だ。


「まあ、まだ二回目ですから、それも無理はないでしょうね」

「ええ……長い間を開けてしまったことは、申し訳なく思っています」

「それは、セレンティナ様のせいではありませんよ。こちらの予定が合わないこともありましたから。それに、家族に対してそのような気持ちを持つ必要はありません。遠慮する必要などないのです」


 中々予定が合わなかったことを謝罪すると、ロクス様はそのようなことを言ってきた。

 確かに、家族相手に予定が合わなかったことを申し訳なく思う必要などないのだろう。

 だが、今の私にはそう思えそうにない。どうしても、相手が公爵家だから失礼があってはいけないと思ってしまうのだ。

 私も、いつかはこのような意識を持たないようになれるのだろうか。


「まあ、それが難しいことも理解しています。セレンティナ様の立場なら、そのように思うのも仕方ないことですね……」

「はい……」


 私の心情を、ロクス様は理解してくれていた。

 そのことは、ありがたいことだ。


「あ、そういえば、アウターノ様は何かしていますか?」

「ああ、それなら問題ありません。彼は基本的に大人しくしていますよ」

「そうなのですね……」


 そこで、私はアウターノ様のことを聞いてみた。

 どうやら、アウターノ様は特に何もしていないようである。

 それは、安心できる知らせだ。カタルス様との約束があるため、アウターノ様のことはずっと気にかけている。彼が何もしていないなら、私も安心できるというものだ。


「ただ、今日、アウターノはヴァンデイン家を訪れることになっています。そのことは、少々気掛かりですね……」

「そうなのですか……」


 アウターノ様は、ヴァンデイン家を今日訪れるようである。

 それは、少し気になることだ。今日はログド様の予定が空いた日である。そんな日に、アウターノ様が何かする可能性はないとも言い切れないだろう。


「とにかく、気をつけた方がいいかもしれませんね」

「ええ……」


 私は、少しだけ不安を覚えながら、ヴァンデイン家に向かうのだった。

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