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Hands-光腕の銀狼-  作者: AOH村
12/15

第十一章 激突区域

時計の針は四月二日の十五時十三分を指し示している。

時間は、優太が目覚める十分前に遡る。

作戦司令室、及び配備された前線部隊は既に臨戦態勢に入り、緊張の糸が張り詰めている。

観測されている震源、及び予測進行ルートに埋設されている地雷が接触するのはあと二、三分後という状況だった。

G.U.A.R.D日本支部の拠点は、連峰の中で最も標高がある山岳の内部に作られた施設だ。

自然の隠れ蓑を纏ったこの拠点の山岳地帯を衛星軌道から見上げると北東方面に向かって扇状型に山が連なり、扇面に当たる場所には樹林が広がっていた。

標高が低い山々を連れているように聳え立っていることからも、設計者曰く不落の要塞と豪語した。

さらに施設自体の装甲面も最新技術、特殊合金の見本市と称されるほど盛り込まれ、並の軍隊を寄せ付けることはないとエンジニアたちが口を揃える程であった。

外見でも内面でも、まさに難攻不落の城壁と言っても過言ではないほどであったが、それはあくまでも人間相手の場合の話である。

今日、彼らが対峙するのは人外の未知なる脅威、仮想敵と訓練してきた精鋭部隊といえども、緊張感を拭いきることなど不可能だった。

所定の位置に既に配置している六十人規模の歩兵中隊が二個、ドローン工兵四班及び工兵が操作するドローンが二十機、砲兵隊三班が山岳内部から露出している砲塔九基にそれぞれ配置、加えて戦車八機、戦闘ヘリ四機も出撃していた。

各歩兵隊員は樹木に身を隠せるポイントに場所を確保、及び予測出現ポイントを見張っていた。

扇状型の樹林地帯に配置された陣形は、ダイアモンド形式であった。

そして歩兵隊の壁と為るべく戦車隊が鶴翼の陣を取り、その上空を制するように戦闘ヘリが滞空していた。

また、戦線に配置された部隊とは別に、拠点内で待機している部隊も存在した。

『隊長……、今よろしいですか?』

「ん?なんだ、八森、もう怖じ気付きでもしたか?」

『違います!怖じ気付いてなんかいませんよ!』

「あぁ、分かっているさ。どうした、いきなり?」

無線越しで部下は否定しているが、その不安げな声からは拭いきれないほどの緊張感が伝わってくるのがわかった。

ベース・ファイターB小隊長の任を与えられている冴島郷も八森隊員と同じように不安を拭えないでいたが、隊の長としてそれを悟られまいと気丈にしていた。

『先発隊のC小隊の事なんですが……。撃墜された後の事を、隊長は知っていますか?』

「捜索はされているらしいがな。今のところ海の向こうにいる新規の奴さんの撃墜報告も回っていないから、警戒しながら探しているらしいがまだ生存確認は取れてないな」

『隊長は先発隊メンバーのこと、どう思いますか?』

「そうだな……」

その質問の意味を汲み取って、その答えを迷うことなく述べようとするも自分自身の中の何かがそれを堰き止める。

先発隊が辿った末路を現実的に導き出して、それを部下に淡々と話そうとする自分の心は既に冷え切っているのかもしれない。

一縷の望みを感じる回答を持って応えてやりたいが、誰もが分かるほど絶望的な状況であると見ているなか、部下に淡い期待を抱かせるのは酷だとも考えた。

機内の無線を八森隊員との秘匿回線からオープンチャンネルに切り替える。

「冴島隊、一同に聞いてほしい」

突然のオープン回線での冴島の声に、ひっそりと静まりかえる。

初の実戦ということで興奮を押さえられない者もいれば、八森隊員と同じく不安や死への恐怖を抱えている者もいることは、既にベース・ファイター機内に待機する前から把握していた。

小隊メンバー全員が固唾を飲んで、冴島の次の言葉を待った。

「みな、この戦いにおいて初の実戦となるだろう。俺ももちろん、例外ではない。八森隊員からC小隊のメンバーの安否について質問されたが、はっきりとしたことは俺にもわからない。だが、あえて見解を言わせてもらおう」

区切りを付けて、呼吸一回分の間をおいて、長いようで短い静寂の間を開ける。

「はっきり言って、生存は絶望的だと言える。消息を絶ったポイントから見ても、時間的にも、加えて近辺を航行していたパトロール艦も例外なく堕とされたそうだ。その間も海上を漂っていたとすると、生存は危ぶまれるだろう……」

先ほどまでと様子が違った静けさが、無線越しで伝わってくる。

溢れ出そうな情動をなんとか必死に抑え込もうと作り出された静けさというべきだろうか、隊員たちの息遣いに僅かながら乱れが生じているように聞こえてくる。

「C小隊が三分、助力してくれた航行艦や軍用機のおかげで、結果敵の合流まで十二分という貴重な時間を稼ぐことが出来た。彼らが勝ち取った戦果だ。だが決して犬死にではないにしろ、あまりに多くの代償を我々は支払った」

言葉を続ける最中、冴島自身の声もまた震えていることに気付いて、冷静さを一旦取り戻すため、再度間を開ける。

隊員たちが感情を抑制しているにも関わらず、語り出していくうちに自分の言葉に熱を帯び出していることを自省する。

落ち着かせて、再びヘルメットに付いているスピーカーマイクを口元近くに寄せる。

「だがな、俺は決してお前たちが死ぬことを許さん。生きていれば、いずれは勝つことがあるかもしれないからだ。未来は俺たちが思っているよりも未知数だ。未知の敵に打ち勝つ何かが見つかるかもしれない、だからそれが見つかって勝つまでは絶対に生きろ。冴島隊の一員である限り死ぬことの一切を禁ずる!以上だ‼」

訓練の成績と指揮能力の高さを買われ、隊長を任された身ではあるが、人外の生命体という未知数の敵を想定した訓練ばかりであったため、部下と同じく緊張を抱えていた。

そんな男を隊長と仰ぎ、先ほどのような命令を聞くことを部下の隊員たちにとって、やるせない気にさせるのではないか、不満が募っているのではないかと冴島は人知れない悩みを抱えていた。

だが、彼は知らなった。

飛行中隊の中で卓越した操縦技術、訓練での戦果、そして常に部下を気に掛ける器量の良さと併せ持つ厳しさを持つ冴島を隊長と認めない者が小隊の中に誰一人としていないことを。

そして突如として待機していたファイターの倉庫内でアラートが鳴り響いた。

『作戦開始、作戦開始!敵性生物が予測進行ルート上の地雷に接触、地中より地上に出現しました。地上部隊、交戦及び指定ポイントまでの誘導開始を願います。ファイターチームは、一五二〇に行われる対空ミサイル発射後に出動願います』

身体を震わせる局内放送が告げる始まりの合図に、いよいよ始まったという緊張と動揺が混ざったような顔色になる。

それを見越して、冴島は再度オープンチャンネルで回線を開く。

「聞いたな、作戦開始だ。防空網を張った後にA小隊は飛行生物の足止め、我々B小隊は地上部隊の援護を行い、各個撃破を予定とする。俺の周りを離れるなよ!」

『『『『了解!』』』』

丸みを帯びシンプルなフォルムのベース・ファイターが各機、発進するためのカタパルトへ運ぶためのエレベーターに乗せられる。

ゆっくりと身体が重力に従って落ちていくような感覚を抱きながら、冴島はブリーフィングで配布された作戦指示書に再度目を通す。

作戦第一段階は、敷設された地雷源と地上部隊の攻撃で岩塊の怪物を指定ポイントまで誘導、もし誘導ルートから外れた場合にB小隊が空から攻撃を加える手筈だ。

A小隊は海上からこちらに向かってきている飛翔生物を撃退、最低限の目標として時間稼ぎを行う。

岩塊生物を倒したのち、A小隊とB小隊が合流、及び飛翔生物を地上に堕として撃破するのが、最終段階となっている。

仮にA小隊がC小隊と同じく全滅した場合は、B小隊のみで地上部隊と協力して飛翔生物を倒すことになっている。

「各員、作戦指示書は頭に叩き込んだな?我々は拠点の制空権を押さえ、地上部隊を掩護する」

無線で指示を出し終わった直後に、ガクンと大きな揺れが機体全体を振動させたことからカタパルト目前まで到着したのだと実感する。

機体を収容してあるエレベーターの扉が開き、中から機体表面が露出する。

オートで機体がゆっくりとカタパルトまで前進し、規定線まで進んだところで固定される。

シーケンス音とともに山岳の表面ハッチのロックが外れ、上部にスライドしていき外の景色が見えるようになる。

『進路クリア、機体の制御権をB小隊各員に譲渡します。発進をお願いします』

無線で聞こえてくるオペレーターの声に承諾の声を送る。

「了解。制御権、受諾を確認。冴島小隊、出動します!」

発進シグナルが赤から青に変わり、冴島はベース・ファイターを滑走させて拠点から飛び立たせ、機体の姿勢制御を安定させる。

冴島に続くようにして、拠点からベース・ファイターB小隊の機体が次々と飛び立っていくのがリアモニターで確認できた。

初の実戦で乱すこともなく、自分の機体に従いつつ僚機と足並みを揃えて飛行する部下たちは自身の小隊の誇りであったが、あえて言葉にすることなく眼下に広がる戦場に目を移す。

この戦いが終わった後にでも、部下たちに訓練の成果が見られたことを褒め称えてやればいい、と心に決め、上空を旋回するのだった。


司令室内に出された光粒子モニターには、現在の拠点前で繰り広げられている戦闘が映され、ソフィーは局長としてその成り行きを見守っていた。

自身が編み出した作戦で未確認生物たちに通用するのか、正直不確定要素が多いこの状況下では、自信を持って首を縦に振ることはできないだろう。

だが、この拠点内の全戦力、限られた火力をフルに活用しているつもりだ。

約六時間という短い間でやれるべきことは全てやった。

前線部隊から回ってくる情報を精査して、重要なものを割り出して送ってくるオペレーターや情報士からの報告では、現状地上部隊の交戦が開始されてから被害は出ていないようであったが、僅かなミスや余談が許されない状況であることは明白だ。

「岩塊生物、地雷原を直進!規定のポイントまでの予定ルートに誤差発生、戦車隊、歩兵隊、直ちに修正願います」

「対空防御、展開準備完了!及び三分前に発射したミサイルが飛翔生物に着弾までのカウント、5、4、3、2、1、着弾成功!飛翔生物の速度低下を確認しました!」

「続いてファイターA小隊、飛翔生物と会敵、交戦を開始します!」

「岩塊生物、岩の針上の投擲武器を体内から射出!地上部隊の損害率、五パーセント未満。戦闘継続は可能です」

手に汗握る怒涛の展開劇の一部始終を、しかとその目に焼き付けんとする。

慌ただしいほどの情報量に部下たちはてんてこ舞いになりながらも、なんとか遣り繰りしてくれている姿に感謝の念を抱くとともに、再度モニターに視線を移す。

その時、モニターに映っている岩塊生物の腹部から突起物が射出されて、拠点の外壁装甲の一部である山岳表面に突き刺さり、爆発を起こした。

「総員、衝撃に備え!」

傍らに立つ八馬吹副局長が指示を出すや否や、拠点全体を震わせるほどの衝撃に見舞われ、各々手近にあるもので身体を支える。

「拠点被害状況を報せて」

「山岳表面の3%が剥離、拠点の外壁の破損にまで至っていません。損害率は0%です。全く問題ありません」

「そう……。なら最悪の場合、ここでの籠城戦は可能ね」

あくまでもそれは、全ての手を出し尽くしても敵わなかったときの手段だ。

口に出して呟いてみたものの、ソフィー自身だけでなく、他の職員も最終的にその手を使うことに忌避感があった。

「弓塚情報士、こっちに全ての未確認生物の情報を合算して送ってくれないかね?」

「こっちも忙しいんですよ、解析官。今まで送ったデータもあるでしょう?新規の奴は後で送っときますので」

「古いデータの整理に手間取っちゃって、分別付かなくなっちゃったんだよね。だからお願いしたいんだけどいいかね?」

「前々から言ってますけど、整理整頓癖をしっかりと付けないとダメですよ!今回だけですから、ちょっと待っててください」

「ホントありがとう、いや~弓塚情報士には頭が上がらないね~」

阿座上解析官が、弓塚情報士に情報共有の打診をしているところは、司令室内でよく見る光景だ。

弓塚情報士から送られたデータを、阿座上解析官は機材のモニターに表示させて、文字とグラフの羅列、生物たちの映像とにらめっこする。

「なるほど、そういうことか‼」

唐突に席を立ち上がって、阿座上解析官は手に持っていた端末の情報をソフィーが見ている画面に割り込ませる。

「局長!今よろしいですかね⁉」

「アザカミ解析官、もう少し声を抑えなさい。それと落ち着いて……」

「いくら局長でも、自分のこの興奮は抑えられませんよ!それよりもこれを見てください‼」

ハァ、とソフィーは嘆息しながら、阿座上解析官が送ってきた情報に目を落とすと、モニター画面に映っていたのは岩塊生物が地上部隊の銃撃や砲撃に晒されながらも地雷原の爆発を意にも返さない様子で闊歩する映像だった。

この映像は光粒子モニターでも映った映像であり、特に違和感が無さそうなシーンだった。

「……これのどこが、気になったのかしら?」

「以前、こいつは爆薬を体内に生成、採掘してかは不明ですが、体内に貯蔵していて、攻撃手段にしていると言いましたよね?」

「えぇ、もちろん覚えているわ」

「アレはあくまで一面性の話だったんですよ!」

阿座上解析官が自身の端末を操作して映し出されたシーンを拡大表示し、映像の精度を上げる。

「この辺りを注目してください。スローで再生します?」

阿座上解析官によって滑らかに動き出す映像には、飛び交う銃弾とそれを自慢の装甲で弾いている岩塊生物の姿だった。

歩兵とドローンの波状攻撃に耐えうる程の自慢の鎧がとても憎らしいが、その岩の鎧に向かって戦車からの砲弾が飛んでくる。

すると、そこに映っていたのは攻撃手段とは別の爆薬の使い途だった。

「リアクティブアーマー……?」

「自分もこれは、そういうことだと思ってますね」

リアクティブアーマー、正式名称は爆発反応装甲。

戦車などで使用される補助装甲版で、補助装甲と内側の装甲の間には爆発性の物質が挟まれた構造となっている。

そして敵弾が当たった時、外側の補助装甲が浮き上がって爆発を分散させている仕組みの装甲を指している。

映像に映っていたシーンはまさに砲弾が当たった瞬間、装甲が剥離してダメージを軽減している様を一部始記録していた。

「おそらくこれを見る限りですと、こちらの弾幕と生じた土煙などで結果的に敵の手の内を隠していたんですよ。だからホントのところ、この生物にさほど耐久力があるようには見えませんよね」

「つまり、耐久面で考察すると戦車の砲弾並、あるいはそれ以上の火力を本体に当てられれば撃破することができる……」

「はい、おそらく可能だと思います。それともう一つ観てほしい部分があるんですよね。いいですかね?」

「いいわ、観せなさい」

ソフィーの許可が下りたことで得意げな顔になりながら、端末を操作する。

次に表示されたのは岩塊生物の足元付近のシーンであり、そのままスロー再生操作がされて映像が動き出す。

地雷が埋まっている場所を進んでいくことで、足元が爆発に巻き込まれるも原型を留めたまま、なおもその足を止めることはなかった。

だが、よくその映像を凝視すると心なしか地雷の爆発が岩塊生物の僅か手前で爆発を起こしているように見えてくる気がした。

「えっ、まさか……?」

「リアクティブアーマーの破片が地面に落ちて、小規模な爆発を起こして手前の地雷の爆発を誘導させているように見えませんかね」

「……」

今までの攻防劇のほとんどは無駄弾、いやこちらの弾幕が厚過ぎて、敵側にとって結果的に都合のいい状況を生み出していたということだ。

自身の作戦指示に無駄があったことに歯噛みするも、今この瞬間落胆して時間を使っている場合ではないということをソフィーはよく理解していた。

阿座上解析官が報せてくれたおかげでソフィーは、本当の有効的な戦いが見えたことで気を取り直すとともに戦術を瞬時に組み立て直す。

「それなら逆手にとって敵を誘導することも可能ね。あの生物を撃破も現実的になりそう……」

「自分もそう思いますね。では自分は一旦席に戻って解析を継続して行います」

「ありがとう、解析官。ナグモオペレーター、今いいかしら?」

阿座上解析官が自席に戻るすれ違いで、南雲オペレーターがソフィーに向き直る。

「地上部隊に、戦術の変更を伝えて。ライフルの弾幕はそのまま、進行ルート側の部位を戦車の砲弾で狙うようにと。敵は地雷の場所に破損した自身の装甲を落として、爆発させて安全なルートを作り出して移動しています。ならばこちらからそのルートを意図的に作り出せば、それに沿って進んでいくはずです」

「了解しました。地上班に伝達しておきます」

「ファイターA小隊はその後、どうかしら?」

「尾崎、峰松機が脱落。能登隊長含む三機が以前として健在、飛翔生物の足止めに成功しています」

「……大丈夫、今のところは概ね順調ね」

南雲オペレーターが急ぎで地上班に連絡したおかげで、すぐさまモニターに映る地上班の様子が激変するとともに効率的に岩塊生物を誘導できていた。

その間、生物が爆弾杭を射出することもあったものの、拠点の被害はほぼ皆無、地上部隊の被害も最小限に抑えることが出来ていた。

そして、いよいよ勝敗の分かれ目となる待望の瞬間が目前まで迫ってきていた。

「目標対象生物、指定ポイントまであと10メートル!到達までのカウントダウンを開始します‼」

ゴクリ、と生唾を飲み込んでその瞬間を見逃さないよう、ソフィーはしかとその目に焼き付けるために、刮目してその時を待つ。

それはソフィーだけでなく、この拠点の全ての職員がその刹那の時を見逃さんとしていた瞬間であった。

敷かれたレールを通るようにゆったりとその自重を支えている歪な岩石の巨脚が指定のポイント、と呼称されているエリアに踏み入れた。

「指定ポイントまでの完全到達まで、5、4、3、2、1……」

「バンカー、一斉射出!」

容赦を微塵も感じない、ソフィーの鋭く尖った号令が司令室内に轟く。

その瞬間、岩の怪物の斜め四方の地中から土を盛り上げて、貫き現れ出たのは巨大な金属杭計4本。

地中から生え出た杭は歪な原型を留めた岩石で構成される巨脚を貫き通るだけでなく、腹部、そして背部まで到達する様がまざまざと多くの者の瞳に映っていた。

『ヴォオオオオオオアアァァァァァァ!』

周囲にあるものを全て押しのけるほどの威圧が込められた咆哮が、そのフードを被ったような頭部と思しき場所から大音量で放出される。

周囲の地上部隊、歩兵、戦車だけでなく樹木や動植物、拠点内のモニターで状況を把握していた職員全員に本能的な恐怖を植え付けて、縮こませる。

「怯むな!」

ソフィーの渾身の一喝が司令室内に響き渡り、一同の注目がソフィーに浴びせられる。

「敵はまだそこに立ち続けている!この場にいる限り、決して目を逸らすな‼」

彼女の細く、華奢な体の一体どこから大音量の怒号が飛び出たのか、その声を聴いた者はみな目を丸くし、大砲で撃ち抜かれたような衝撃を受けていた。

だがその彼女の一声で、拠点だけでなく地上班の戦闘員の心を揺さぶるとともに、再び戦意の火種を灯した。

足場と身体を固定された岩塊生物は、恨み節をぶつけるようにして怨嗟の眼差しを最も標高の高い山岳に向けられる。

モニター越しでソフィーは、その向けられた敵意に真っ向から向かい打つように睨み返すように敵の姿を見据え、最後の命令を下した。

「掘削岩弾、点火!」

『点火!』

ソフィーの命令に応じる役目を担った地上班の工作員の声が司令室に響き渡る。

その工作員に与えられた命令は至極単純、とある兵器を作動させる特殊なボタンを押すだけであった。

だが、固定されているはずの敵が抵抗して望む結果を得られない可能性があったため、そのタイミングはシビアな代物として扱われていた。

しかし結果としてそれは、大成功と言っても過言ではなかった。

固定されていた岩塊生物の地中真下、瓦を割り続けるような地鳴り音が地響きとともに大きくなっていく。

岩塊生物のミスは、その一瞬の逡巡にあった。

何事かと辺りを警戒、躊躇った後に、ようやく自身の真下から近づいてくるのだと理解した。

地盤を突き破って出てきたのは、松ぼっくりのような見た目をした巨大なドリル。

岩塊生物の胴体よりも二回り小さいそれは、地盤を、そして岩塊生物の真下を削って腹部と胸部の間の辺りまで貫き進んだ後、推進剤が切れて噴射口からの炎が沈下し、掘削ドリルもまた静止する。

巨躯を鉄杭で固定され、なおかつドリルが体内を貫き通されている状態でもまだその身を捩って抜け出そうとする様に抵抗する意思、驚異的な生命力を誇っていることに舌を巻くような光景であるが、ソフィーは既に余裕の表情を浮かべていた。

掘削ドリルを岩塊生物の内部に埋め込むことに成功した時点で既にチェックメイトを掛けていたからだ。

六時間前、最初で最後の岩塊生物調査対策会議で阿座上解析官は言った。

岩塊生物が持つ爆薬は、威力が高く、衝撃に弱い黒色火薬なるものに似たものを使用している、と。

さらに、それを耐衝撃に強い貯蔵庫のようなところに保管して、攻撃の際に使用しているのではないか、とも。

そこでソフィーは考えた、内側から破壊することが可能ならば連鎖的に自壊させることができるのではないか。

「起爆!」

『ドリル、起爆!』

それは、瞬く間の出来事であった。

体内に埋め込まれたドリル内部に設置された遠隔式爆弾が臨界点に達すると同時に、中で暴風雨が巻き起こる。

その衝撃で爆薬を貯蔵していた保管庫の壁が破壊、必然的に全ての爆薬に燃え移ったその後、岩塊生物が中から風船のように膨れ上がったかと思いきや、勢いよく破裂、渦巻いていた爆炎と爆音、衝撃波が外界へ四散していった。

地上部隊は、予想以上の衝撃に吹き飛ばされそうになりながら、何かにしがみついて耐えうる者、吹き飛ばされて戦闘続行不能に陥る者も少なからずいた。

空からサポートしていたベース・ファイターB小隊にも大気を震わせるほどの衝撃が届いていたが、空中制御により航行不能に陥る機体は無かった。

ただ生物がいた場所からモクモクと立ち昇る黒煙により、視界が遮られつつあることが重要視するべきところであった。

「消化班、前へ!」

『消化開始!」

八馬吹副局長の指示のもと、作戦前から役割を振られていた消化担当兵が消火剤を用いて、状況把握及び樹林に燃え移らないよう沈下作業を施していく。

ファイターB小隊も上空から大量の水を撒いて、消火作業に当たっていく。

彼らの尽力により煩わしい黒煙が晴れていき、生物がいた場所の視界が明瞭になっていく。

残されていたのは、地中から筍のように生えた鉄杭と掘削ドリルの残骸、そして生物の一部と思しき岩石の破片が辺り一面に散らばっている光景、高い攻撃性を窺わせるあの巨大な岩の塊の姿は何処にもいなかった。

『岩塊生物、撃破に成功!作戦第一段階クリア‼』

司令室に届いた地上部隊からの無線報告が流れた瞬間、全職員は高らかに歓声を上げ合った。

手を取り合う者もいれば、職員同士で抱き合う者もそこにはいた。

作戦継続中にも関わらず、きっとその光景は司令室外でも広がっているのだろうと考えると頭が痛くなる事案であるが、今この時だけは目を瞑ろうと口に出すことはせず、ソフィーは喜びを噛み締めるのであった。

「岩塊生物の排除成功により、作戦を第二フェーズに移行!飛翔生物を残りの火力を以って叩く!」

『了解!』

そしてその地上部隊からの応答を最後に、無線連絡が途切れた。


作戦第二フェーズ移行の宣言がされる三十秒前。

ベース・ファイターB小隊の隊長、冴島郷は部下の機体とともに沈下作業を終えた後、戦闘区域上空を旋回していた。

「まさか、ホントにやってのけるとは、大した局長様だ」

B小隊の部下メンバーも作戦を立案した局長に向けて、賛辞の声を上げていた。

だが、これで終わりではないことを冴島は踏まえた上で、気持ちを切り替えさせるべく、回線越しで次の命令を出した。

「よし、まだ作戦は継続中だ!このままA小隊と合流し、別個体をここまで誘導する。気を抜くなよ‼」

『『『『了解!』』』』

部下の応答に口元を緩めながらも、機体を旋回させてA小隊の元へ馳せ参ずるべく速度を上げんとした。

しかしその刹那、ふと自分の中の何かがそれを拒むとともに引き留めようとしていることに気が付いた。

なぜこんな、胸に引っかかりを覚えるのだろう、何か見落としがあるのではないか、と再び地上の様子を機内のモニターに映す。

もちろん、そこには先ほどと変わらず無残に破片と残骸だけが残った戦場跡地が広がっている。

特に異常はないことを確認して、機内モニターを別の視点に切り替えるべく操作しようとしたその時、冴島の瞳は見逃さなかった。

生物の残骸が散らばっている地上から、何かが光を反射したのが目に映り、長年培った危機感知警報が大音量で脳をシェイクした。

「全機、下から何か来るぞ!注意しろ!」

冴島が、B小隊メンバーに命令を下すよりも先にそれの動きの方がコンマ一秒早かった。

光を反射させて上空に打ち上げられたのは、弾丸よりも二回り大きいサイズの何か。

肉眼でそれを確認するのは至難であったが、部下のファイターの機体に散弾痕のように作られた破損個所から推察することは容易だった。

冴島は即座に舵を切っていたおかげか、機体に損傷は皆無であったが、他のメンバーの機体の損傷は甚大なものであった。

どの機体も、損傷箇所から黒煙を上げながら高度を維持することが儘ならず、太陽に近づきすぎたイカロスのように堕ちていく。

「全機、脱出しろ!」

『……』

命令虚しく、無線からの応答が皆無であり、そのままB小隊の部下の機体たちは地上の森の中へ落ちていき、爆散した。

「……一体、何が起きているんだ」

慌ててモニターに目線を向けると、そこには絶句せざるを得ない光景が広がっていた。


その軌道は、まるで稲妻のように放射状に大地の上を駆け巡ったかのようであった。

蜘蛛の巣のように張り巡らされたような不規則な動きに補足された者は、鮮血を噴き上げるとともに内臓を飛散させて倒れていく。

さらには、配置していた戦車の分厚い甲板に触れたと同時にその装甲を穿ち、爆散させるまでに至った。

その魔の雷は地上だけに止まらず、上空を飛んで様子を見ていた戦闘機の多くを航行不能にまで陥らせることに成功していた。

「地上部隊、応答願います!誰か、応答願います‼」

必死にヘッドマイクで呼び掛ける南雲オペレータ―の声が司令室内に響き渡るが、そこにいる誰も彼も呆然としていた。

戦場と作戦内容から鑑みて配置された部隊、編成を一瞬にして総崩れにされ、地獄絵図に変えられたことに誰も理解が追い付かずに思考するために必要なキャパシティがオーバーしていたからだった。

「……一体、何が⁉」

ようやく言葉を発したソフィーだったが、無意識のうちに脳裏に焼き付けてしまったその光景で声が震えていた。

その時、モニターに映る地獄の世界に変化が起こりだすとともに、謎の襲撃の『答え』がモニター上に現れた。

最初にそれを見た時は、風によって起こっている現象なのか、それとも目の錯覚なのかと思えるものだった。

それが意味することに気付いた時、ソフィーは生まれて初めて体中に流れる血液が沸騰して蒸発するような戦慄に襲われた。

戦場に散乱している岩塊生物の一部であった岩片、土塊、砂埃などの塵芥に至るまでが、今もなお戦いの傷跡が残っている掘削ドリルの爆心地に収束していく。

それらは生き物のようにうねりながら互いと結合し、補い合っていくようにして集まっていき、軋み合うような音を立てながら何かを形作ろうとしていた。

それは象のように無骨な巨脚、荒々しい岩肌を持った寸胴なボディー、鋭利な石斧のような腕とそこから申し訳程度に生やした指、そしてフードを被ったような見た目の頭部が出来上がる。

破壊された映像を巻き戻ししたかのようにその身を再生、復活した姿で岩塊生物はそこに立っていた。

地上部隊に大打撃を与えた攻撃は、沈黙したように見せかけた岩塊生物が自身の身体の一部に爆薬を上乗せして放った奇襲攻撃だったのだと、誰もが理解した。

「……嘘だろ」

「復元、いや再生しやがった……」

「こんなの勝てっこないだろ……」

「あぁ、神様……」

司令室に集う職員がそれぞれ嘆きの声を上げていくなか、ソフィーは局長を任された矜持から絶望感から即座に立ち直って、今まで以上に思考が張り巡らされていた。

「あの生物の再生速度は、自然法則とは大きくかけ離れている、何か仕掛けがあるはず。そもそもあの再生劇を観るかぎり、生物の身体を構成するものが近くにあるだけでいくら破壊してもまた元通りになるだけで、弱点か何かを見つけて潰して復活を止めないと。でもそれを見つけるための予備兵員を動員しても多くの屍を作ってしまうだけ。とにかくここは奴の攻撃に耐えうるだけの装甲を誇った拠点、一旦体制を整えるために残った戦力を一時避難させて、応援要請を……」

傍らに立つ八馬吹副局長の耳にも届かない声でブツブツと念仏のように次の策を口に出して、考えることを放棄しそうな頭を奮い立たせる。

そして、小声に出していたことを実行するために現状を詳細に把握しようと放心状態の部下たちに声を掛けた。

「南雲オペレーター!」

「……」

「南雲オペレーター!しっかりしなさい‼」

「はっ、はい⁉局長!」

「現在の全部隊の状況を報せて、あくまで『現状』で構いません」

「はい!地上班及び空撃隊との応答はありません。はっきり言いますと……、生存は絶望的なものかと思われ……、ま、待ってください、地上班から無線連絡のコールがあります!繋ぎます‼」

『司令室、応答願います!こちら地上班混成部隊。応答願います!』

地上部隊で無事だった兵からの連絡が届き、俄かに司令室内の活気が付き始めた。

「所属と名前の明示をお願い致します!」

『C―3小隊、金森が本無線を使用しております!各隊の隊長が脱落したため、代理で指揮を取らせていただいている状況です‼』

「地上の状況報告を願います!」

『現在、部隊の損耗率は九十三パーセントに達したと思われ、戦闘続行は絶望的です。我々が合流できた兵の数は、十八名です。次のご命令を!』

南雲オペレーターはソフィーに顔を向けて、そのまま彼女に指示を求めるような眼差しを浴びせた。

「本拠点への撤退を命じて。我々はこれより籠城戦に移行します!ユミヅカ情報士、本局に応援要請を願います」

南雲オペレーターは金森隊員へ指示を飛ばし、弓塚情報士は本部との連絡を試みる。

幸いにして、先ほどの奇襲攻撃で連絡手段は失われていない。

外部との連絡をするための配線等までもが使えないとなった時は、さすがに万事休すという状態であっただろう。

だがそうでないならば、まだ可能性は0ではないと言っても過言ではない。

モニター越しで補足した金森隊員率いる生存兵で構成される部隊が、指定した拠点内に入るためのポイント、敵の死角となるトンネル付近まで進んでいるのが確認できる。

このまま生存兵たちを収容し次第、怪我を負っている者を優先的に医務室へ、と命令を下そうとしたところで事態は一変した。

『……えっ⁉』

その言葉を最期に、モニター上の生存兵たちは寸断、細切れの肉片へと変わっていった。

「……は?」

思わず自身の口から間抜けな声が漏れ出るも、それを気に留める者などこの司令室には皆無であった。

再び理解が追い付かず、ただ塵芥同然となった生存部隊の躯が映っている現場を眺めているしかなかった。

そこから脱却したのは、やはり彼女であった。

「すぐに上空をモニターに映しなさい!」

ソフィーの一声でモニター画面が切り替わると同時に、映し出される黒煙と白雲が入り混じったような青天井。

そこに黒い翼を広げて滑空する巨影が映り込んだ。

「……A小隊のシグナルを確認して」

「……そんな!数秒前までシグナルを確認していたのに⁉」

「……」

全機ロスト、それが彼らに突き付けられた最悪な展開であった。

既に出撃している部隊は、これで壊滅となった。

そして生存兵を肉片に変えた飛翔生物が地上に降り立つとともに、岩塊生物の横に並んだ。

「……拠点の全区画の外への経路を閉鎖開始」

「局長!それではまだ地上部隊で残っているかもしれない兵たちを見捨てるつもりですか⁉」

「クロカワ、持ち場に戻りなさい。我々は最優先で先の被災者たちの安全を守らなければなりません!」

「……っ!」

歯噛みした様子で着席する黒川情報士を一瞥し、八馬吹副局長に閉鎖を命じる。

八馬吹副局長が全区画にアナウンスして区画の閉鎖を命じたことにより、全区画状況を示すパネルの外出経路の状態が『LOCK』となり、閉鎖されたことが窺える。

「……全区画の『LOCK」を確認しました」

「ごくろうさま、これより籠城戦に移行します。ユミヅカ情報士、本局の返答は?」

「大隊がおよそ二十八時間後に、到着するそうです」

「わかったわ、ありがとう……」

弓塚情報士に改めて謝辞を述べたその時、拠点全体に僅かな揺れが生じる。

地上モニターを確認すると、岩塊生物と飛翔生物が拠点である山岳にそれぞれの武器で攻撃を行っているところであった。

岩塊生物は腹部や胸部から岩杭を射出して、直撃した場所に爆炎と暴風による衝撃を与え、飛翔生物はその丈四メートル近くはあると思われる翼膜を揮わせて生み出した迅風で、山肌を刻んでいく。

未確認生物たちの攻撃により山岳表面が削られているが、内部に秘められている拠点の装甲に傷一つ付くことはなかった。

それは、ソフィーが最後の余裕を保ち続けるための難攻不落の砦でもあった。

しかし、再び事態は一変する。

「局長、生物たちの様子が……」

「……止まった?」

拠点に傷を付けられないと理解したのか、生物たちの攻撃を中断する。

そして途方に暮れたように、それらは宙を仰ぎ見た。

司令室職員は突然、静止した生物たちに訝しむような目線を送るもやはり生物たちはその場から動こうとはしなかった。

しかし、それは静止ではない、『権能』を使うための停止であった。

司令室に集う彼らがそれに気付いたのは、岩塊生物の頭部の一部であるフードの辺りに紫紺の光粒が集まり出したときであった。

「今度は何をするつもりなんだ……」

司令室内の誰かがそう呟くと、それに答えるように岩塊生物はフードに収束させた光を一気に解き放った。

薄くベールを纏ったような夥しい紫色の光が放たれた先にある場所を、モニター越しで観ていたソフィーのその余裕の表情がいよいよ脆くも崩れていった。

「D区画の装甲表面、融解……、いえ、これは……、分解されています」

黒川情報士が叫ぶようにソフィーに報告するも、それに対する有効手段を導くほどの心の余裕は彼女の中で既に失われつつあった。

その顔はもう動揺を隠しきれないと言ったようであり、その瞳に映るのは無敵の要塞たらしめている装甲が砂塵となって瓦解し、風に吹かれて彼方へと舞っていくものだった。

紫色の光が照射されたことで、被災者たちを収容している山岳の上層区域、D区画は何物にも守られていない、裸同然の状態に晒されていたのと等しい状況に置かれていた。

「……いや」

藁にも縋るような声をモニターに映る生物に向けて、ソフィーは発する。

モニターに映る岩塊生物の表情に一切の変化は無いものの、観る者にとってその貌は儚い願いをあざ嗤うかのように見えた。

「やめて……」

再び岩塊生物を見つめながら情けない声を絞り出すも、虚しくそれは届くことはついぞなかった。

岩塊生物の腹部、肩、胸から岩杭がD区画全域に行き届くように射出され、やがてそれは直撃とともに爆散し、衝撃波を生んだ。

一縷の望みをかけて手元の端末越しからD区画の様子を確認しようと試みるも、監視カメラ映像との接続ができなかった。

再度、別の監視カメラにアクセスするもやはり結果は同じ、泣きの三度目を試みたところで肩に手が掛かる。

「……局長、もう……」

八馬吹副局長のその後に続く言葉は無かった。

だが、彼女が言わんとすることを嫌でも理解してしまい、ソフィーは失意のドン底に叩き落されたのであった。


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