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人造の哀憫  作者: 森野健一
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ムーンショット計画

2050年の日本ではムーンショット計画が実施されて、人々の生活は豊かになっていた。

 人々は複数のアバターを制作。遠距離でそのアバターを操作し、仕事や生活又は介護やボランティアと、様々な分野で暮らしや経済を大いに潤した。若者の仕事離れで一時期は日本に外国人の労働派遣者が流れこんできてたが、ムーンショット計画のアバターとロボットの組会わせにより、仕事の効率はよくなり、日本の景気は回復していくのであった。

 そして、若者の結婚の比率も少なく、少子化問題も騒がれ問題になっていたが、その問題もお互いの好みのアバター同士での生殖行為が可能となり、少子化問題も解消したのである。

 アバターとロボットは大いに人類を謳歌してくれた。が、今だにもまだ、都会には飲食店や雑貨。手を繋ぐ恋人と、人間の生活の名残があるところにはあり、人としての生活は残っていた。


 夜の都会に二人の男女のカップルが手を繋いで歩いていた。

 二人とも学校の制服を着ている。高校生だ。楽しそうに学校の話題だったり、友人のことだったりと、和気藹々と談笑していた。

 夜ともあるのに、都会のネオンは眩しく輝き、いたるところにロボットやアンドロイド。又は無人自動車が走っていた。

 男性は彼女にはしゃいで言った。

「俺はやっぱり生身のお前のことが可愛いと思っているよ」

「え、嘘本当はアバターのあたしが好きで、わざとそんないってるでしょ」と、女性はにやついた顔つきをする。

「本当だよ。嘘じゃないよ」

「あ、ありがとう」女性は顔を赤く染めて照れた。

 歩いていると信号機がある歩道が見えた。信号機の点滅ランプは心臓が脈を打つように消えたり着いたり忙しく動く。青信号が赤信号に変わろうとしていた。行き交う車はなく、男性は赤信号になる前にわたってしまえばいいと思い走り出した。

「今のうち今のうち」

「危ないから辞めて。車がくるよ」女性は心配になり叫んだ。

「平気、平気」

 男性は走るのを辞めなかった。と、なにやら猛スピード走ってくる。巨大な無人の大型配送トラックが向かってきた。が、遅かった。無惨に男性は体が木っ端微塵となり、原型がないほど惨い有様になっていたのである。

「いやあああああああああああああ。こんなのいやああああああああああああ」

 

  

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