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最終話

「四月で変わるのは新人が出てくるということではないわ。新入社員がいなくても、転機として変わるモノが多い。部署移動で全く関わらなかった仕事に携わることになったら、それは新入社員と同じじゃない?」


 水無月さんは僕に新人らしさの塊のような卯月さんについて語った。確かに四月という特性を語るとしたら、そうなってしまうのかもしれない。春の爽やかな感じの裏で、様々な新しいことが行われている。そういう転機の月でもあるわけだ。


「卯月さん、色々とご苦労もあるでしょうが、頑張ってください」


 僕はそう言って、卯月さんにお辞儀をした。とりあえず、これ以上は何もないようだから、これで終わりにしてもいいだろう。


「あ、待ってください。まだ終わるのは早いですよ。肝心の部分がまだ残されています」


「肝心な部分?」


「そうです。新人として慣れない社会生活に疲労し、ストレスが溜まりまくった私が唯一、心の癒しとして待ち続けているあの大イベントが・・・・」


 卯月さんはここで言葉を止めて、溜めた。


「そういうもったいぶったところが、ますますイラつかせるのよ」


 水無月さんはこめかみに青筋を浮かべていた。そう言えば、水無月さんは自分の月に大きなイベントがないことを嘆いていたっけ。


「確かにありましたね。月の終わりに大型連休が。つい五月のモノだと思いがちですが、四月の終わりから始まるのですよね、ゴールデンウィーク」


 もう語る必要もないことだが、ゴールデンウィークと言えば、多くの国民が地元にまたは海外に大移動をするくらいの大型連休である。そして、新人なら尚更期待が大きいだろう。


「何よ、ゴールデンウィークなんて、あんたは日本人なのに四月八日の花祭りに全く関心を示さないくせに」


 水無月さんはそういうと悔しそうにその場で地団駄を踏んだ。確かにキリストの誕生日のクリスマスは祝っても、仏様の誕生日を祝う習慣はないなと、僕は変なところで関心をした。


というわけで、終わってしまった卯月さんの回。そして、次回はついにこのシリーズ、最終章。はたして、ちゃんと終わることが出来るのか、僕は少し不安になっていた。


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