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作家の会話 あるいは2人の譲れないこだわり

「Bよ、この女の子は巨乳にしたいのだが」


 正方形の炬燵こたつに鎮座し、漫画家Aは、向かいに座る原作者Bにそう告げた。Bはそれを聞いて、今にも噴火してしまいそうな面持ちで答える。


「ダメだ。私のキャラは微乳と決まっているのだ」


 途端、AはBの顔を食いかかるように睨んだ。


「貴様……俺にあんな普通おっぱいを描かせる気か?」

「何がいけない? お前は私の書いたキャラを描けばいい、それだけだろう」

「ダメだ。俺も漫画家、つまりは作家としてのプライドがある。これまでにも微乳キャラは描いてきたが、このキャラだけは巨乳にしたい。今まで譲ってきたのだ、今度こそ譲ってもらう」

「しかし、だ。私は微乳が好きでね。どうしてもというのなら、私の微乳好きを何とかして変えて見せろ。ま、そんなものは、天地をひっくり返さなければできない事だがな」

「ふん。いいだろう、ひっくり返してやろう……天地という奴を!」


 Aは立ち上がり、ニヤリと笑ってBを見据えた。


「まずは巨乳の良さについて語ろう」

「ほう、いいだろう」

「大きなおっぱいには、俺たちに迫ってくるような迫力がある。それでいて、柔らかそうな質感が母性を醸し出し、女の子の優しさがおっぱいから伝わってくる!」

「しかし、巨乳ビッチ、巨乳サディスとなるキャラもいるぞ? そいつらの巨乳は邪道なのか?」

「否。巨乳ビッチには、おっぱいという柔らかさの象徴とのギャップがある。そしてその手の性格の奴が、アレの時にはおっぱいで包み込むように相手をしてくれるのだ。巨乳サドだって、『ほら、こういうのが好きなんでしょう?』と言いながらおっぱいで包み込まれたら、それだけでありがとうございます、だ」

「ふん。しかし……微乳の健全さには勝てんな。はちきれんばかりの胸から醸しでる色気は、確かにそれだけでも魅力の一つとなりうる。そこは理解しよう。しかし、さわやか且つ主張しないかわいらしい乳○は色気とはまた違ったエロさを醸し出すのだよ。脱いだ時に、『あまり自信ないけど』と胸を見せた時の赤面は、弱々しく守りたくなるような印象と共に性的な興奮を約束する。その手のキャラが快活キャラならば、さらにギャップが生まれてそれがまたそそる。そうだろう?」

「自信のなさげな地味っ子が、脱いだら凄い時のギャップに比べたらまだまだだな。その状態でも地味っ子を貫いてくれた方が俺は好きだが……しかし逆にしても、巨乳は正義だ!」

「ふん。これだから胸ばかりを見る浅はかな男は。私は胸などにはとらわれない。微乳にはあどけなさが残るのだ。その性格面を貴様は結局度外視しているのだ。良くないぞ、おっぱいばかり見るのは。さあ私のおっぱいを見た前、この気持ちのいいくらいの微乳はもはや芸術だぞ?」

「ふん。貴様の微乳は確かに芸術の域だが……しかし! 俺はここからが、巨乳の好きな所なのだ!」

「ふむ? 言ってみろ」

「――巨乳お姉さんと、愛らしいショタっ子。この組み合わせが、できる!」


 瞬間、女性原作者Aは鼻血を吹き出して床へと伏した。


「バカな……! だが確かに、甘甘と包み込むお姉さんと、それにいけないと思いつつ結局甘えてしまうかわいらしいショタっ子のコンビは最強だ! クソ! 健康的お姉さんも好きだが、巨乳ではそれができるのか!」

「その通りだよ、Bよ。さらに、お前のプロットでは、このキャラとのカップリングはなんとショタっ子だ! ショタコンが裏目に出たな、Bよ!」

「う、うわああああ!!!

 私は……何という、間違いを……! そうだ、ショタっ子が大きなおっぱいに照れる姿……これほどかわいいものは、無い!

 いいだろう。認めてやろう。そのキャラは、巨乳にしろ! ただし、条件がある」

「なんだ?」

「全国のショタっ子が、このキャラでもじもじするような色気を出して欲しい」

「ふん。そのくらい、おやすい御用だ。任せろ」


 2人はそう言うと、互いにハイタッチをして仕事へ取り掛かった。Bは次の話のストックを、Aは今回のお話の作画をし始めた。


 その様子を、脇で見ている、漫画家の仕事ぶりを掲載するコーナー担当のCは、ふと、思った。


(こいつら、すっげぇめんどくせぇ……)


 作品とは、数々の作者のこだわりによって出来ている。今回は、そのこだわりの一部始終を見させてもらった。彼らのこだわりはいつだって肉体的なことに関するのだ。


 以上。


AとBはそれぞれ自分の机を持っていて、各々が仕事に取り掛かるとそちらへ移動します。炬燵は食事や会議用の円卓気分で使っています。

ちなみに、2人は連載三作目で、前作、前々作は、数々のファンに惜しまれながらも完結しました(1作目:15巻 2作目:10巻)。

名作コンビと謳われてますが、こんな会話をしていることはあまり知られていません。

ちなみに、Aは男性、Bは男っぽい喋り方の女性です。


あと、Cは貧乳派です。僕はモンスター級でなければなんでも行けます。

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