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会話が続かないのは気まずいです


関わらなければ良い、そう思ってた時期が私にもありました。

そう楽観視していた自分に文句を言いたいです。悪役令嬢なのだから関わらないなど無理に決まっているだろうと。

そんな遠い目をしていると


「プリシア様?どうかしましたか?」

「い、いえ、何でもございませんわ」


ぼうっとしかけた意識をハッと戻し目の前の少年に視線を戻す。


目の前の少年、名前は、ケイト・ランドルブ。

候爵家の長男に当たる方です。

はい、そうです攻略対象の方でもあります。

関わらないと決めた矢先にこれです。泣きそうです。

神様、私本当に何か気に障る事しました?


「ケイト様、本日はめでたき事に招いて頂きありがとうございます」

「こちらこそ、祝って頂きありがとうございます」


そうです。今日はケイト様の10歳の誕生日です。

ランドルブ家は親しい方しか招かれない誕生会に私は招いて頂きました。まあお父様がケイト様の父上と幼馴染みらしくそれで招いた様です。

そんな情報、ゲームには載っていなかったのですが。

私はちらりととケイト様を見やる。さすが攻略対象の方ですねとても整った顔立ちをしています。ケイト様は薄い茶色の髪に翠玉の様な瞳を持つ方です。今はまだ幼さが残っていますが数年後ゲームの様な美青年になるはずです。


「プリシア様は赤いドレスがとても似合っていて可愛いらしいですね」

「ありがとうございますケイト様も似合っていますわ」

「ありがとうございます」


シャコウジレイですね分かります。

本当は此処で頬を染めて恥じらいながら言った方が良いんでしょうが私の死滅した表情筋では不可能ですね。相手には私が気の強そうな美少女に見えている筈です中身はこんなですが。

そして誰か助けてください会話が続きません。すごく気まずいです、えっ私が話題を出せばいい?無茶言わないでください、私が気のきいた話題をだせるとでも?そもそも初対面の方と話しているだけで胃が痛いのですが。ああ早く帰りたい、部屋が恋しいです。


「プリシア」


気まずい空気の中、ケイト様の父上と話していたお父様が戻ってきました。

お父様ありがとう!やっとこの気まずさが終わりました。

ケイト様もずっと私と話している訳にもいかないので此処でお別れです。


ーーやっと落ち着ける

そう思っていました。公爵家の令嬢が落ち着けるとでも?次々と挨拶に来る人達を相手にしなければいけませんでした。多すぎて目が回りそうです。公爵家と繋がりを持ちたいのが分かります、ですが私にまで取り入ろうとしますか?まだ10歳の子供ですよ?ああそうか子供になら取り入り易いと思っているのでしょうね。

それは誕生会が終わるまで続きました。


はぁ疲れました。早く引きこもりたいです。




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