-プロローグ-
初めまして。俣臣界人と申します。
小説家になろうで読み専をやっていましたが、この度作品を投稿することにしました。
不定期更新になるとは思いますが、お付き合いいただければ幸いです。
それは私がまだ幼い時の話。
お父さんが知らない女の人と男の子を連れてきた。
女の人は私の前にしゃがみ込んで声をかけてきた。
——こんにちは、カコちゃん。
——今日からよろしくね。
その人は私の名前を知っていた。初めて会ったはずなのに、不思議な人だなあと思った。
——この子はミライ。仲良くしてね。
紹介されたのは、私より少し背の高い男の子。表情を変えることなく落ち着いた様子で、ただじっと私を見つめていた。
——今日から君たちは兄妹だ。
——絶対に離れ離れになってはいけない。
——何があっても必ず一緒にいるんだよ。
お父さんは私とその子の手を取って、互いの手を重ね合わせてそう言った。
この2人が新しいお母さんとお兄ちゃんで、この4人が新しい家族になるのかな。
どうして突然家族になるのか、私には分からなかった。
どうして一緒にいなければならないのか、私には分からなかった。
不安でいっぱいになる私とは対照的に、お父さんとお母さんになるという女の人は笑っていた。
それなのに、私には2人の笑顔がとても悲しそうに見えた。
だから、私は——
————何も言わずに頷いた。