第7話☆日雇いマグロ地獄
うまい話には裏がある。
世の中とはそう言うものであります。
しかしながら、それがわかっていても食いついてしまうのが人間。まあ、それが可愛いところでもありますよね。
※三風亭 湖心馬のワガママナイトショー(1999年9月31日収録)より抜粋
こんにちは、はるなだよ!
今日は、おじさんの姿になって、岐阜の街中に来ています。近くには、同じくな姿のおじさん、ビンボー感漂う貧乏くさい若者、賢者様顔負けのおじいさんなど男の人が一杯たむろしていて、その大半は目に光がありません☆きっとみんな社会の最底辺にいるんだね☆でも、ここにいると言うことは、わずかながらも明日に希望を持っているからなんだとも思うよ。
んで、これから何がはじまるかと言うと、ズバリ、日雇い労働がはじまるのですキラン☆説明すると、その日だけ仕事をして、終わったらその場でお金をもらえるの。内容は大体道ばたの空き缶拾いとか空き缶拾いがほとんどなんだってヨシローさんが言ってた。ほとんど何の身分証明もいらないらしいから、はるなにはうってつけの仕事だね!
「おう、おっさん」
親父姿のわたしに、ロン毛茶髪のにーちゃんが話しかけてきました。こう言う時の対応は、できるだけ見た目に違わないおっさんらしく演技するのが基本です。
「あんた、渡る世間に出てた人だろ? ほらピン……」
「角○卓三じゃねーよ! 本物だったら今頃幸○で今より若干刺激的な生活送るわ!」
「ジョーク、ジョークだよおっさん! んで、そんなノリのいいあんたもひと山当てに来たのかい?」
「ん!?」
日雇い労働で貰えるお金は、少ないって聞いてます。どういうことでしょうか? 親父的に聞いてみます。
「もらった金で笠松競馬にでもいくつもりか?」
「はー? おっさん、知らずにここ来たの? 」
「なぬ」
「日雇労働って言っても、これは裏なんだよ。国にも認可を受けてないやつ。そのかわりスゲー割りがいいんだってよ。1日働いて五万らしい」
うわ、何かきな臭いですね★★
ただ、5万円はなかなかの額です。私は魔法少女だし変身してるし、とりあえずやるだけやっても時間くらいしか損はないです。まあ、流れに乗ってみましょう。
「ふむ、それはなかなかだな」
「だしょ? あー、俺、元ホストやってたシンジって言います。クラブのカネこっそり女に貢いでクビになっちゃったんすよ」
うわー、典型的なダメ男です★★DQN系テレビ番組でモザイクありで出演するタイプだね★★
「それは、親不孝者だな」
「そーすね。まー、オカンもホストに貢いで消費者金融で借金作ったから遺伝でしょ」
「そうか、血は争えんな」
「んで、おっさんは何て呼べばいい?」
まったく、初めてあったのに馴れ馴れしいヤツですねーイラッとしますねーまー適当に名乗りますよ☆☆
「ハルオ。クスノキハルオと言っておこう」
「おー、ハルオさんね。んじゃ、短い間かもしれないがよろしくたのむわ」
何ですか人に聞いといてその態度は★★けしからんです★★
そんな、アホなシンジの中身スッカラカンな話を聞いていると(つーか、こいつどのみちホストに向いてないよね)、黒いバスが道路沿いに停車し、中からスーツ姿の男性が出てきました。見た感じは真面目そうですが、はるなアイにはなにか怪しい気配が映っています。
「みなさん、お待たせいたしました。現地へ向かうバスをご用意いたしましたので、どうぞご乗車ください」
スーツ姿の男性に促され、ホームレス達は迷うことなくバスに乗っていきます★★もはや、怪しむ気もないのか或はラリってるのか知りませんが、この霊柩車じみた乗り物に続々乗車するのです。窓が黒ガラスな時点で悪い予感がスッゴいしますが、私は魔法少女なのでここで引き下がりはしません☆☆
ぞろぞろぞろ
みんなが乗車し終わると、バスのドアがしまり、ガチャリとイヤな音がしてバスが急発車します。そして、すぐそれは起こりました。
「てめーら、これからそのまま座ってろよ」
黒服の男たち複数名が、はるな達に銃を向けます。
うわ、まるでバスジャックです。テレビドラマでしかお目にかかれない光景です。
「うわ、なんすか!? ドッキリですか!?」
こんな状況でアホな質問をする隣のイスに座る元ホストのシンジ★★★★あんたバカぁ!? 一般人にこんな手の込んだドッキリするわけないでしょ★★マジにきまってるじゃん★★
「た、たすけ……」
「だまれ小僧。死にたくなければな」
「ハルオさん……ういっす」
バカシンジは腕をグーにして下を向きました。その辺の素直さは意外にかわいげあります★★★★
そんな、危機的状況の中、バスは3時間ほど走り、どこかに辿り着きます。魔法少女じゃなくてもマジ緊迫感がパネェですね。時間がとても長く感じました。下ろされたその場所は、どこかの海岸沿い。そこには一隻の黒い大型タンカー船がつないであります。文明開化の音のしない、錆び付いた不気味な船です。
やっぱりというか、私たちはこの船に乗せられてしまいました。やべーですねこれ★★いわゆる拉致だよ★★
船は陸を離れます。もう、日本には帰れませんし逃げることが出来ません。私も空を飛ぶ魔法が使えないので、こうなると、わりとピンチですね。この悪ども実に姑息だよ★★★★
「いいか、お前らよく聞け」
強面がちマッチョの世紀末感漂う男が、腕組みをしながら私たちに脅すように言います。こわー★★
「お前らには、これからこの船でマグロを捕ってもらう。給料は無しだ!」
おろおろするホームレスたち。
シンジも同様です。いや、こんな状況になったらふつー絶望感に苛まれますよ。
「お前らは、戸籍もはっきりしないヤツとか、半分社会からバックレてるやつばっかりだから死んでも足がつきにくいんだよなあ」
「わしらを騙したのか」
たねもみを大事にしそうなお爺さんが、よれよれと言います。ダメです、反論したら★★
「うるせー、ジジイ!」
男が男性の腹を蹴りました。たまらず膝をつき倒れこむおじいさん★★★★許しがたい、許しがたい行為です★★★★しかし、はるなが変身を解いて今動くのは、逆に被害が広がるのでマズいです。相手の悪い皆さん達は銃をもってるので、はるなは大丈夫でも、他のホームレスさんが死んでしまうかもしれません。ひとまずは、じいさんの容態回復を願いましょう★★★★
「歯向かったら、この程度じゃすまねえぞ」
「ひぃぃぃ」と、シンジがわかりやすいリアクション。
「オメーらは、死ぬまでここでマグロを獲りつづけるんだ! ひゃはは! 安心しろよぉ、死んだら海に投げ捨てて魚のエサにしてやるからな!」
何を安心するのかわかりませんが。下をシャラシャラするあたりも含めて、コイツらほんと人でなしですね。とにかく、しばらく様子を見ます。
ゴーッ
ゴーッ
空は曇り、雨がパラパラと降ってきました。汚い船上もあわさり見ているだけで気持ちが塞ぎこみそうなグロテスクさです。これなら長良川の橋の下の方がよっぽど快適です。
「さあ、早速だが今からマグロを獲る方法を教えるぞ! 俺達のありがたーいレクチャーを聞いてしっかり覚えるんだ! 後で聞いたらぶつ切れにするからな!」
おー、マグロ漁講座はじまりました。これはちょっと興味ありますね~って思ったはるなって、自分で言うのもなんだけどすごいポジティブだよね(^人^)
うんうん……
うんうん……
そして、やり方を聞いた翌日から、はるなたちの強制労働もとい地獄のマグロ漁がはじまったのでした★★★★
まず、朝起4時くらいに起きてマグロをとるための網を準備します★★エサをつけたり仕掛けづくりをするんですが、これはつらいてすね眠いですね★★船が揺れるから船酔いして眠れない人は悲惨です。なにしろ、うまくし掛けをつくれないと恐い男どもにボコられます★★下手すればこれだけで死にます★★
そして、できた網を海に投げてマグロがかかるのを1日中待ちます。この間、ただ、看板の持ち場でただ待つのみ。しかも、下手に持ち場を動いたりおしゃべりしたら、やっぱりボコられます。ちなみにトイレも行けないんですが、もらしてもボコられるよ★★おかげでこっそり海にするテク覚えちゃいました★★しかもしかも、冬でもないのにやたら寒いんですよねーつらいつらいこれなら岐阜でホームレスしてるほうがよっぽど幸せです(/。\)
ここまででも十分つらいのに、時間がたったらマグロのかかった網を引き上げさせられます。これがまたむっちゃ大変で、かなりの力仕事になります。なんだかんだ常人よりパワーがある魔法少女はるな(現在ハルオ中)がいなかったらこれそうとうヤバイんじゃないかな★★★★逆に海に引き込まれちゃいそうだよ★★★★噂ではそれで死んじゃったり大怪我した人がいたらしいねブルブル((;´д`))
「どーしよー、マジで死んじゃいますよおれたち」
目にくまができたシンジがひそひそと、はるなもといハルオに語りかけてきました。3日で音を上げるとはさすがダメダメ男ですね。ま、食事もろくにさせてもらってないし、睡眠時間もうまくとれてないので疲労は溜まる一方なのは確かです。はー、せめて、あそこに横たわってるマグロを食べさせてくれれば……無理でだよね……あれだけのイキイキ本マグロは下手すれば数百万円の価値がある商品。悪いやつらはあれを売って儲けようってしてるんだろうし。はー、今の救いは、空が青いことだけですね★★★★昨日みたいに雨降るとマジで地獄絵図だよ★★★★
「ハルオさん~」
「わしのような老人に頼るとは、情けない」
「で、でも~もう限界なんすよ~」
ま、確かにこれ以上放置すると死人が出るので何とかしなくてはいけませんね。私のフルパワーならあの悪投を蹴散らせるには蹴散らせるんですが、失敗するリスクも高いのでもうひとつ決め手が欲しいんですよね~
「とりあえず、落ち着け。焦りは禁物だ。状況に飲まれるな若僧」
「ハルオさん」
「とにかく、今しばらくは耐えろ。静水の如く心を落ち着かせ、期を待て」
うわなんか、シブいコメントしちゃいました☆☆
はるなのボキャブラリーは、自分ながらに感心しちゃいます☆☆
「おい、貴様ら、何を喋っていた!?」
あ、悪い男に見つかった。
ヤバい、ボコられるよ★★★★状況に飲まれそうです★★★★
「覚悟せえや、お前ら」
「お、お助けー! 蹴らないでー!」
私の言ったこと全無視して、状況に飲まれるシンジ★★まあ、恐いよねやっぱ★★
モヒカンの男がシンジつかみかかります。
いやはや、バイオレンスな大ピンチ★★ですが、その時です!
「大変だー!」
悪党一味のスキンヘッドの男が、モヒカンに駆け寄ります。
なんかトラブったようですね☆☆
「なんだ!? 慌てて」
「マグロが、巨大なマグロがこちらに向かってきます!」
「はあっ!?」
「しかも、上に人が、人が乗ってます!」
「な、なんだってー!?」
うわ、何か面白い動きになってきましたよ☆☆
悪党のみなさんが一斉に事のある方に向かっていきます☆☆もちろん、はるなも気になるから見に行くよ(゜ω゜)
ザバァン
サザー
波をかき分け、たしかにこのタンカー船に向かって、ここまで釣り上げたマグロの7倍以上にデカい、召喚獣サイズのマグロが近づいてきます。そして、その上には……え、ぴりん!? クソリア充魔法少女のぴりんです!! 何でここに? そして、横にいるあと2人の魔法少女らしき子は誰でしょう? 何にしろ救援が来ました(☆o☆)
ドカーン
マグロがタンカーの脇腹に突撃しました☆☆船隊が大きく揺れます。
「か、海賊か!?」
オメーらの方がよっぽど賊だろうよと思いましたが、動揺する悪党ども。それを尻目に、ぴりんたち3人の魔法少女は華麗にジャンプして船にシュタッと乗り込みました☆☆☆☆
「な、なんなんだオメーらはよ!」
「悪い噂は聞いてたからな。怪しい船見つけたから追跡してたら見事にビンゴ! 人を誘拐して密漁するなんてサイテーだぜ、お前ら!」
ボーイッシュなショートカットの子が、快活な口調で言います☆☆見るからに正義感強そうですね☆☆
「このガキ! ドタマぶち抜いたらあ!」
サングラスの男が、持っている銃の引き金を躊躇いなく引きました★★殺す気まんまんだね★★だけど、忘れちゃいけないのは相手は魔法少女ってこと。
ズプッ
ボーイッシュな魔法少女に飛んでいった銃弾でしたが、彼女に触れる前に透明な水の膜のようなものに当たって失速しました。あれは、「アクアシェル」って言う防護に魔法ですね。どうやらあの子は水属性を得意とするようです☆☆
「な、なんだぁ!?」
「そんなチンケ鉄砲玉は聞かねえんだよ」
「こいつ調子こきやがって! オメーら、このメスガキひんむくぞ!!」
最低のセリフを吐きみずから死亡フラグを立てる密漁者たち。色々と子悪党すぎて残念ですねー(´Д`)
「荒々しい方たちですね。大変申し訳ありませんが、動きを止めさせていただきます。大地に息づく生命の蔦よ、逆らうものに絡みつけ! <ソーンバインド>!」
金髪のお上品なお姉ちゃんタイプの女の子は、地属性のようです☆☆魔法を唱えると、甲板からウニョウニョニョキニョキと草が生えてきて、男たちをみるみる絡めとっていき、体の自由を奪います☆☆圧迫されて手に力が入らなくなくなっちゃったから、みんな銃を地面に落としたよ☆☆相手を極力傷つけずに戦力を喪失させるなんて、なかなか思いやりのあるステキな魔法少女さんですね! 何か見蕩れちゃったよ(・o・)
「ぐわああ! ば、バケモノか!?」
「失礼ね! あんたらのようなゴロツキに言われたくないんですけど」
んで、ぴりんは口だけ。
どーせ自分だけだったら物理攻撃で殴るだけのだっさいやり方をするくせに。偉そうな顔すんなo(*`ω´*)o
~~~~~~
「はー、こんなに大きなマグロ。きっと高いんだよね~」
悪党を全部こらしめてばっちり縛り上げ、えっへんと腰に手を当てるぴりん★★助けてくれたにはくれたけど、オメーには感謝しねー★★
「みなさん、無事なようでよかったです」
金髪巨乳のおっとりした子が優しい目ではるなやシンジたちを見てきます☆☆そして、おやと言う顔をしました☆☆
「おじさま。大変失礼なのですが、何者です? 魔力が、漏れているので」
あー、バレたか。ま、この人になら正体ばらしてもいいかな。
どろろん
ぱっ
「なっ!?」
「ハルオさん!?」
変身が解け、いつもの美少女はるなに戻ったのを見て、ガチで驚くぴりんと元ホストのシンジ。この程度の変化に気付かないなんて、実に感性のないヤツですね☆☆バカシンジと同レベルのリアクションするなんてリア充がぬるま湯に蕩けてるのがもろ浮き彫りだよーぷぷぷ☆☆
「ん、知り合いか?」
「ま、まあね」
「見た感じ、魔法少女みたいだけど」
「はい、そのとーりです」
そして、ペコリとおじぎして自己紹介します。
いつになく礼儀正しいのは、ぴりん以外はまっとうな魔法少女とお見受けしたからです。
「あら、はるなちゃんて言うの」
「はい」
金髪の子が優しく微笑みます。
こんな天使みたいな人今まで会ったことないですね☆☆すごい包容力を感じます☆☆☆☆
「あー、じゃこちらも自己紹介すっかな」
ボーイッシュなぴっちりスパッツを履いた子がそう言ってニッと笑います。結構とむちむちしてるからスパッツと太ももの境目がある主の絶対領域になっています。健康的な見た目とやや日焼けした肌が合わさって一部のフェチさんにはたまらない使用になってるよ☆☆
「アタシはアクラ。新潟県担当の魔法少女さ! あそこのでっかいマグロは私の相棒のエレメンタルさ」
「へー、どうりで。死ぬまで止まらないはずのマグロなのに止まってるの変ダナーって思ったら、そう言うことですか。マグロの見た目をした精霊なのですね」
「おうよ。んで、わかると思うが水の魔法が得意さ。海の上なら私の上を行くやつはいねえ」
すごい自信です。何かフィールドが海なら魔法効果を受け付けない伝説の魚男みたいなやつですかね☆☆逆に言えば水がない場所では弱いと言わんばかりですがそこはあえてツッこまないことにします☆☆はい、次は金髪の方お願いします☆☆
「私は、メロウライン。長野県を担当している魔法少女です。よろしくね、はるなちゃん」
「はい」
せっかく私が話しているのに、あろうことかゲスぴりんがふんと鼻息を鳴らして割り込んできやがりました。ったく、いいところなんだから邪魔すんなよなー(´Д`)
「こんなやつに、メロさんが自己紹介する必要ないですよ」
「あら、お知り合いなの?」
「ま、腐れ縁ですよ。ほんと、こんなとこで何やってんだか。どーせ、金に目がくらんで騙されたとかですよ。こいつはそー言うやつです」
急に態度が後輩モードになった長いものに巻かれる系のぴりん。やっぱりこの人一目置かれる存在みたいですね~うん、それは理解できます。
「まあまあ、そんなにぷんぷんしないの。はるなちゃんは、とてもいい子だと、私は思います」
ふぁ、ふぁーふぁ☆☆
うわ、何か涙出そうです(☆o☆)
はるなにこんな慈悲深いこと言ってくれるなんて、このおっとりお姉ちゃんタイプは何なの☆☆聖母様か何かなの☆☆☆☆
「はるなちゃん」
「は、はい」
「何か四方山な事情があるみたいだけど、困ったことがあったら相談して。お姉ちゃん、ちゃんと、はるなちゃんのおはなし聞いてあげるからね」
おぅねーちゃーーーーん(☆O☆)
今からそのたわわな胸にダイブしていいですか(^○^)はぐはぐ抱き締めてほしいよーーおひざであたまなてなでされたいようわ最高やマジ天使やーー☆☆☆☆
「うわ、こいつなんかデレついてる。キモっ」
ツンとした顔で嫌悪感及び嫉妬意識を露にするぴりんですが、もはや無視です。コイツにはメロお姉ちゃんの爪のアレを飲ませてあげたいですねほんっと☆☆
「んで、どうする?」
自己紹介が一区切りすると、アクラさんが釣ったマグロの方に歩いていきました。
「このマグロ。今さら海に帰しても意味無いし。どっかに売るのも魔法少女として気が引けるし」
「そうですね」
メロお姉ちゃんは、うーんと考えて、ピカーンとなにかを閃きました。
「せっかくですし、釣ったみなさんに食べていただきませんか?」
え、マジですか。
高級マグロ食べれるの!? さすがメロお姉ちゃん、最高の案を出してくれますねヒャッホーイ(☆∀☆)あー、でも誰が料理するんだろ☆☆
「そうだな、んじゃアタシが料理するか。魚の扱いは得意だし」
「おう、それならワシも手伝うぞ」
急に割り込んできたのは、あの蹴られたおじいさんです。
「昔、寿司屋じゃったからな」
「そうなんですか、それは助かります」
年上には意外にも礼儀正しいアクラさん。何か都道府県担当の魔法少女って、ぴりん以外はまともなのかもしれませんね。ぴりん、以外は(-。-)
腹ペコの中、一時間くらい待つと。アクラさんたちが更にきれいに皿に盛られた高級マグロの切り身を持ってきました☆☆☆☆うわーマジ本格的な料理です。思わずよだれが出ちゃったよジュルリ(゜q゜)
「みんな、じいさんに感謝しろよな」
「ウゥオー!」
みんな、お腹が空いてるので、野犬のようにマグロにむさぼりつきます。私も取られまいと手を出すよ! もちろん、部位は大トロ狙います。
ひょい
パクっ
うわーー!
う、うっまいです!!
口のなかでトローって、溶けちゃったよ☆☆そして深い旨味がジュワーって喉を伝います☆☆肉をつまむ手が止まりません止まらないんです☆☆これは、マグロのダイダルウェーブやー(^p^)<プギャー
「もー、わけわかんないっす! ハルオさんが女の子だったり、マグロに乗って人がやって来たり、こんな激ウマ大トロ食べたり。マジぱねぇっすわ」
「はー、ちょっと前まであんなに泣き言ほざってたのに、切り換えはやいですね、シンジは」
「いやー、すんません。でも、悪いやつらとわかってたからあーやって変身して様子をうかがってたんすよね?」
いいえ、違います★★お金がほしかっただけだよ★★
まあ、でも、せっかく曲解してくれたんだし、そう言うことにしておこうかな★★
「ほんと、マジパネっす! ソンケーするっす! これからは俺、ハルオさんについていくっす!」
「いや、それはやめといた方がいいと思います」
「えーっ」
シンジが付いてきても、ぜったいロクなことにならないのもありますが、それよりも基本的に★★
「魔法少女はおもってるより危険な仕事なんです。フツーの人を巻き込むのはできないんですよ」
「え、そこまで気を使ってくれるんですか。さすがハルオさんです。あざーす、今回でこりたんで、これからは安全にハロワで仕事探しますわ」
ま、多分また懲りずに変なのに手を出しそうな気がしますがしばらくは落ちつくんじゃないでしょーか。にしても、こいつ意外にも<カサンドラの呪い>の影響を受けてませんね~あの呪いのせいで普通は、はるなにこんな馴れ馴れしくできないはずなんですが☆☆単に魔力に鈍感なのかそれとも、呪いの影響を受けない体質なのか☆★まー、詮索する意味はないのでほっときます☆☆
んでんで。気になることが1つ。
「あれ、ぴりんはマグロ食べないの?」
「いらない」
「なんでですか? こんなおいしいのに? まさか生魚がだめとか」
「違うわよ、あんたたち歯を磨いてないでしょ。手も洗ってないし、そんな不衛生なやつと同じ皿の食べ物をつまむとかあり得ないし」
うわ、ななめ下の理由です★★
まったく、失礼なやつですね★★★★こいつ潔癖症かよ★★★★お父さんと同じ鍋つつけない系女子かよ(´Д`)
結局、このあともぴりんは一切マグに手をつけませんでした。それを尻目にはるなたちは、お構いなしに食べて食べて食べ続けたわけですが、ゲプッ。
さすがに、調子こいて食べすぎました★★★★
ちょっと気持ち悪くなってきたよ★★★★
ゲボォ
オエー
それから数日間、食あたりになって腹痛と下痢っ下痢で地べたをのたうち回り、再び地獄を味うことになったはるななのでした★★★★
もー、しばらくマグロは見たくないです(_ _;)
(ちなみに、メロお姉ちゃんが持ってきてくれたセイロガンはすごく効きました。ありがとう、いい薬です☆☆)