第47話☆蝶サイテー(※昆虫は一切関係ありません)
天誅組の4人の人斬りを退け、はるなたちはいよいよ敵の本拠地に潜入する!
そこで待つものとは!?
大腰さん大腰さん☆
こちら中継☆美少女レポーター局長魔法少女、芹沢はるなでーす☆
わたしは今、わるーい秘密結社(笑)ミブロ新撰組のアジト「2JJ」の中にいまーす☆Jは何の略なのか知りませーん! 知りたければ自分で調べろいや調べよがうないねゴメンナサイ☆
いや、外見も二条城でしたが、中もをちゃんと二条城を再現しています。襖の絵とか、ギシギシうるさい鶯張りの廊下とか完璧ですよ☆魔法の力ってスゲー☆
にしても、さっきから、だんれもいませんね?
あの4バカを倒したら、門番もなくあっさり入れたし、中もこのザマ☆あれ、でも、こーいうのって、なんか罠みがありますね☆
「情報だと、このあたりに、地下に下りる階段があるらしい」
「そうなの、ウラやん? それどこ情報なん?」
「いちお内通者を仕込ませてるんだ。だから内部の情報はおおよそ把握してる」
「さすが」
「えへへ! はるっぴに褒められた!」
「ちょ、声大きいですよ?」
「ごみんごみん! うれしくてつい!」
テヘヘと頭の後ろをてでさすったあと、室内を物色しはじめたウラやんたち。
「あ、ここっス!!」
「キンタ、お手柄! へー、掛け軸の裏とか、ずいぶん古典的な事してくれるじゃないですか!」
「いや、2人とも声大きいて。シー」
「あー、ごみんごみんハラちゃん」
隠し通路の階段を降りると、急にメカメカしたSFに出てくる研究所とか、宇宙船の中みたいな空間が姿を現しました☆ギャップはすごいが、こういう展開はアニメやゲームじゃそんな意外な展開でもないよね☆もう慣れました☆バイアス☆
しばらくは通路でしたが、歩くこと約10分、少し開けた空間が姿を現しました。そして、そこに、誰かがいます★そしてパチパチパチと何かわざとらしくていやらしい感じの拍手の音がこだまする★★
「キーッキッキッキッ! よーくぞ、我らが秘密基地においでくださいましたっ!」
うわ、変態仮面やん★
笑い方といい、格好といいピエロっぽい★女の子のようだけど、笑い方がいかにもクセモノっぽいわ★
「あなたがここで足止めですか」
「えー、ボックンがここにいておかしいですか? おかしくないよねー? だって、ボックンはあのお外の4人より強いんだもーん! 偉いんだもーん!」
うわ、自信満々(じしんまんまん)★
あと、歩く身代金みたいな一人称使うやつ実在するんだ★びっくりばい★
「通してもらうよ」
「いーよ……って、そんな素直に通すわけあるかーい! ボックン、まだ自己紹介もしてないんだよん? ねえ、はるなセ・ン・パ・イ」
「誰ですか?」
「あー、やっぱウワサどおり記憶飛んじゃってるんだー! じゃあ、自己紹介しないとね!」
変態仮面は、スッと手を前に出し、上半身をしなやかに傾けました☆言葉と違って動きは結構お上品ですね☆ムカつくけど☆
「ボックンは、伊東 甲子太郎! ミブロ新撰組の華麗なる道化にございます……カッシーとでも呼んでくださいないや呼んでほしい! なんちて!」
「はるっぴ、気をつけて。この子は、私達と同じ煌魔の器だけど、あまり素性がわかっていないの」ウラやんの目が険しい。
「接点がなかったってことですか?」
「そう、いつからか、近藤さんに近づいて部下になってた。それまでについては謎に包まれている不気味な存在だよ。ただ、わかっていることは、この子がそれに見合う実力者ってこと。近藤さんに認められるってのはそういうことなんだよ」
「あらあら、えらく評価してくれてるんですねぇ! キキッ! それは、おなじ道化師どうしだからしょうかね?」
「どうかな。それで、あなた一人でこの四人を相手にするつもり? 服部くんは呼ばないの?」
「キヒヒヒ!! こんな風にしてるんだから、そーに決まってんでしょうがよー! ボックンがまとめて相手をしてやるんだからねん!」
マジか☆なんて骨体☆
わたしと、ウラやん、キンタ♀、原田と4対1でやろうとか自信アリアリじゃん☆これは口だけじゃなくてマジで強いやつか☆
「さーさー、レッツショータァイム!! 楽しいショーのはしまりはじまりぃだぁ!!」
そう言ってカッシーが指をパチンとならすと、あたりが映画がはじまるみたいにスッと暗くなりました★やべ、これ魔法空間の展開じゃね?
「キンタ、蛍光魔法を使って!!」
「わかったっす!! 《ルミナス・コーティング》!!」
ポワアとみんなの姿が見えるようになりました☆
主に洞窟探検とかで役立つ光属性では初歩的な魔法ですね☆残念ながらわたしは使えませんが☆
んで、カッシーはどこさ?
「キキキキッ! 薄暗き水底の心地はいかがかしらん?」
「自分の縄張りで戦おうってわけですか!」
「そうですよぉ、ウラやんセンパイ! こっちはハンデあげてるんだからこれくらい許してほしいなぁ!」
「勝手にその呼び方しないでよ。はるっぴ以外に言われたくない」
「あらやだー独占欲バリバリじゃーん? あーなた、ガチのヤンデレですのん?」
うん、多分そうです(キッパリ)★
しかもサイコパスとストーカー属性付きのメンヘラハッピーセットだぞ★そらそらカッシーに向ける顔が殺意に満ち満ちておる(汗)★
「もー、そんな怖いカオしないでくださいよ~冗談じゃないですかぁ!」
「自分は仮面で顔を隠して表情を見せない卑怯者! 私は、冗談って言葉ではぐらかそうとする奴は大嫌いなんだ!」
「卑怯者はさすがに言い過ぎですよ? そーですか、嫌いですか! あんまり当たり強いと、ボックンだってプンスカしちゃう!! 怒っちゃうんだもんね! さあ、そんな感じ悪いコにはお仕置きをしちゃおうかなー? 《幻域海・夜光虫》!!」
おや、プクーと光る透明の大きな風船が、カッシーのまわりに何個も現れたよ? 何かやな予感するけど、ちょっと幻想的でキレイですね☆
ふわり
ふわり
ぷかぷか
浮遊しながら、風船みたいなのがこちらにゆっくり近づいてきます。避けるのはわりと簡単そうなのですが、ほっとくとヤバイ気もするしシンプルに邪魔くさい☆
「こしゃくな……《載填刀》!」
ウラノーマはお得意の何処からか数本の刀を出す力を使うと、その刀を風船めがけてピュピュッと投げました。しかし、風船は割れることなく、ボヨンと刀を弾き飛ばします★ぷるぷるだぜっ★
「やっぱあれ、触れちゃいかんやつかな?」のんきな言い方する原田。
「絶対ダメだと思うぞ」
「だよねキンちゃん! ただのデコイなわけないか」
「あれは、おそらく生き物だ」
「なんでわかるの」
「お前、昔から図鑑とか見ないもんな」
「だって、本読むの嫌いやし。ラノベとかでも最後まで読めんどころか下手すりゃ序盤で放り出すアンチ読書派!」
「ラノベは好みあるからな! でもお前、なろう小説はバッチシ読んでるだろ!? つーか、ユーのせいで話が脱線したじゃないか! 元のレールに戻すぞ! いいかあの外見は、地球の海にいるプランクトンだ!」
「そなの?」
「ああ、夜の海を光らせるから、地球の日本では夜光虫って呼ばれるようになった。本来はとっても小さいんだけど。拡大したらあんな感じさ」
「いやー、ご明察! 新見ちゃんよくできました!」そう言ってまたパチパチ拍手するカッシー★
「伊東さん! 君のことは良く知らないが、無気味なことをするね!」
「ふふーん! イリュージョンってのは意外ででなくては面白くないでしょうよ! さあさあ、まだまだここからがお楽しみですぞ~?」
カッシーの両手が光ります★
すると、今度は地面から無数のクラゲみたいなのが出てきました★いや、みたいじゃなくてまんまクラゲですわ★
「そか、差し詰め水槽んなかぶちこまれたって感じか! こりゃ厄介やな」
「原田ぁ、どの口がいいますか? 近藤さんから厄介者扱いされてたくせに」
「なんでウチだけ呼び捨てやねん!? うっわ腹立つわーこのオカルト仮面!」
「あんたの悪評は耳がいたいほど聞いてるんですよ! だらしない、言う事聞かない、ごはんつまみ食いする、夜更かしするむちむちサボリ魔豚ヤロウがっ!!」
「話もしたこと無いのに当たり強っ! 風評被害やって! キミSNSとかの情報を真に受けるタイプやろ!」
「うっせえバカ。まずそのしゃしゃり口封じたるからな!」
カッシー原田のこと嫌いすぎてワロタW
あ、クラゲたちが一斉に向かっていくぞ★
「なんや、うわっ!? ちょっ、なんなん!?」
あー、しびれクラゲかあ★
触れた原田の体が、ぴくぴく痙攣してる★
「ハラちゃん!? 小癪なことをするわね!」
「はい、ひとり動けなくなったー! 黙っとけボケナス!」
「マヒくらいすぐ回復魔法で!」
「そうはイカのキングサイズ~!」
「えっ!?」
「ボックンの領域回復はできませんよー! ここでは、水属性と光属性は封印されちゃんでーす!」
「こいつ、まさか!」
「そー、そーなんですウラやん! ボックンはあなたなねメタ的な存在なのです」
前にも使ってたけど、説明しよう☆
メタとはある対象に対して有利な、対策として存在するもの☆簡単にいうと「~特効」「~キラー」「~ぶっ殺マン」みたいな感じですね☆つまりとにかく、カッシーはウラやんにとってめっちゃ不利な存在なわけです。
ちなみに、回復や治癒魔法は水と光属性に固まってるので結局他のやつらも回復魔法使えんってことですね☆あれ、でも他の属性、罪属性は影響無いんだ? わたしはノーダメ?
「〈キュア・パラライズ〉!!」
「だから、効果無いって」
「やっぱり出任せじゃないってことか。それなら、切り臥せるのみ!」
「ひゃー怖い! でも、そんな簡単にいくと思います? 言いましたよね、メタだって」
「《地反残月》!」
「だーかーらー」
滑るように間を詰めたウラやんでしたが、カッシーはヒラリとかわしました★なんか動きにさっきまでのキレが無いように見える★
「ここはボックンの水槽の中なんだって」
早い!! 一瞬でウラやんの目の前にスッと近づいたぞ!? ヤバい!!
「くっ!?」慌てて刀を振り、追い払おうとするウラやん。
「おやおや? 精彩を欠いていますねー?」
「うるさい!」
「そーですかー。やっぱりあなた、本当は、強くないんじゃないですか?」
「っ!」
「なんかチート的な力を得ただけで、中身が伴わないっていうか、動きが」
やば! いつもくそ強かったウラやんが押されてるぞ!?
まずい! 手が空いてるわたしとキンタで何とかしないと!
「土方さん!」
「おーっと、新見ちゃん。魔法は使わないんですか? あーあー、そっか、チミもこの空間では魔法まともに使えないんでしゅかー!」
「くっ!」
「そらそら! クラゲちゃーんのおしおきだー!」
あー、しびれクラゲがミサイルみたいにキンタに飛んでってビリビリビリビリ★
あー、もう二対一になってもうた★
どうする?
んー! ここは、ひとまずは、声を出すしかない!
「カッシー!!」
「ひゃい?」お、動きが止まった。
「はるなさーん、今ボックンよんでくれましたね? キキキ光栄ですー! それで、ご用は?」
「わたしがあなたを相手をします!」
「ほほー、赤兎さんがお相手とは光栄です」
田中も言ってたけど、わたし通り名あったんですね☆なんか普通の魔法少女のの3倍の力はありそう☆いや、100倍くらいかなエヘヘ(*´∀`)
なんかちょっとやれそうな気がしてきたぞ☆☆
そう、わたしは強い☆☆こんな三下ムーブかます変態仮面なんか禁断魔法でやっつけてやる☆☆
「みんなはやらせない!! 《プロミネンス・タルタロス》!!」
「キッ!!」
あ、かわされたか。ちょっと発動までラグがあったから、ゴハッ!?
「あらやだ、ごめんくさーい!」
いってー!! 後ろからケツキックしやがった!?
いつの間に背後に!?
「ずいぶん好きだらけじゃあーりませんか」
チャーリーとか懐いって★
くっそー! これやっぱ向こうのテリトリーだから強化ってるんですかね!?
「クラゲさーんいらっしゃーい!!」
「させるか!!〈カルマ・アテンダリー〉!!」
罪属性のバリアを周囲に展開する魔法です。
〈スタック・レファリー〉のようにカウンター攻撃をすることはできませんが、その代わり全方位を守ることができます。背後からの攻撃をしてきそうなカッシーには最適ーーぇ!?
「キーッ!!」
わー! 正面から突撃かよ!!
ブボベッ!?
「はるっぴ!」
ウラやんの声が聞こえるが、遠い。
みぞおちに物理的な一撃を食らったから、ショックで意識が、飛びそうになった。もう一撃もらったら、いや、なんで刀もってんのに、わたしにはパンチなんです?
「やらせない!!」
「キキッ!! そーら、スキだらけぇだぁ!!」
私を助けようとして、ウラやんが割り込んだ。
でも、そこにカッシーの魔法が炸裂して、吹き飛ばされました。
「ああっ!?」
「残念でしたねえ!! あなたの運命もこれまでです。動けないまま奈落に沈んじゃってくださいな!!」
「ぅ」
「ウラやん!!」
「ぁぁ」
ウラやんまでガッツリしびれちゃってたぞ★
うわ、カッシーのやつ冗談抜きでホンマ強いやんけ★★
「さーて、はるなセンパイ」
「なんですか?」
「ボックンの味方にならなーい?」
「それは、みんなを裏切れってことですか?」
「そです! そしたらあなたの命は保証いたします!」
「カッシー、それはいくらなんでも無茶ですよ」
「センパイ、聞きますが、そいつらって本当に信用できるクチですかー?」
うう、そこは痛いところですね★
全面的に、と言われると、はいとは言えない★
「ウラやん、ここに来るまでに3人ぶっ殺しましたよね? 容赦なく、かつて仲間だった人たちを、その鮮血を浴びてなお平然といられた」
カッシーの声からオチャラケペテン感が消えた?
つまり、ここからは真面目な話ってことか★
「そんな人間に、正義なんてあるのでしょうか? 今、ここまでやってきたことに、偽りはないのでしょうか? 十分なほどありますよね。 ウラやんは、あなた様にも、私たちにも隠し事をしてる。嘘をついている」
「……」うん、否定はできないゾ★
「センパイも、うすうすわかってるでしょ? あなたを利用しているのかもしれないって。いつ、どこで、あなたに牙を剥くかもしれないって。そんなヤツの味方をわざわざ、これ以上する必要なんて無いんじゃないですかねぇ?」
「……いやでも、カッシーも全く信用できないですよ!? 初対面で素顔も見せないで言われても説得力は皆無に等しいです”!」
「あやー、そりゃ失礼しやした。こちとら陰キャでして、仮面取ると恥ずかしくてちゃんと喋れないんですよ」
「嘘こけパリピ!」
「じゃあ、やっぱこちらの要求はのめないと」
「はい、とても信用ならないです!」
「死んじゃいますよ?」
「そんなの、まだわかりません!」
「あー、そのあきらめない言葉、ボックン好きだわーキキキ!」
事情は色々あっても、ウラやんはわたしの(自称?)妹だ☆裏切ってはいけないと、私の過去の残滓も言っています☆原田とキンタも悪いヤツには見えんし☆
しかしどうする?
3人はビリビリで動けないから、力を借りることはできないほしあと、空間はカッシーの方が圧倒的に有利★★しかも、それ抜きでも強い。何らかの奇抜な対策をしなければならなりません★
あ、そだ、まず、あいつを召喚してみるか。
「出でよ! わが守護精霊〈ヘコキイモ〉!!」
「キキッ?」
シーン。
なにも起こらない。
「あー、言ってなかった! この〈幻域海〉の中では、エレメンタルなどの召喚魔法は使えませんのよ!」
ク ソ ガ(`瓦´)
じゃあ、エメリスいたら完全オワだったね。あいつから召喚取ったらゴミカスザコ野郎ですからね★いまごろ、くしゃみしてそう★ハックシュン★
うーん、他だと何があるかな?
あ! そう言えば、ボクベー(=ウラやん)から《ルオーティーバ》教えてもらったとき、他にもよーわからん魔法をいくつか教えてもらってたっけ☆試しに使ったことあるけどよーわからん効果だったんよな☆いちかばちか使ってみましょう☆
「《アーク・リリース》!!」
「キキ?」
この魔法を使うと目の前に、直径10センチくらいの謎の球体が現れるのです。けど、そんだけで、しばらくするとシュワって消えちゃうんですよね★こういう状況だとどうなのかな?
ん、なんかシューッて音がしはじめたよ?
こんなのはじめてです☆何が起こるのかな☆
「キキ? キキキィ?」
お、球体に、立ち込めてる闇が吸い込まれてる!
例えるとウナギのかばやきの煙が換気扇に引き込まれてく感じの、驚きの吸引力です! あたりがどんどん明るくなって、もとの風景に戻っていくぞ!
「な、なんですとー!? ボックンの領域魔法がこうも簡単に効力を失うですって!? それに、なんです? 魔法を吸い込んでるモノがヒトの姿を形成しているだと!?」
解説じみたオドロキ発言をするカッシー☆
使った私も驚いてるよ☆仕組みはわからんけど確かに吸い取った魔法空間が一か所に集まって人のかたちになってる☆いや、ガチで人になってる☆
「……」
魔法を吸収し尽くしたあとにシュワーと現れたのは、ボロボロのホームレス的な服を着たムキムキのおじいさんでした☆手には変な道具を持っています☆いや、誰やねん☆
「吸収した魔法を利用した召喚魔法ですと?」
「この儂を呼び出したのは、誰だ?」
「いや、ボックンではありませぬ!! そっちの、その子ですっ!」
わざわざ、指差してジジイの視線を私に向けるカッシー
いや、なんか漂うオーラがスーパー田中より上なんだけど、召喚したわたしにとっては敵かどうかわからんよね★ある意味で親切ですね(汗)★
「汝か、小柄な娘よ」
「はい、多分」
「ならば、用を言え」と睨むじじい★
「えと、その前に、あなたは何者?」
「儂の名か。儂は、墓掘りのガロンゾーバよ」
あ、その名前は記憶喪失の私でも、覚えていますよ☆
エンターライズに伝わる昔話に出てくる、地獄の使いのおじいさん。悪いことをした人のもとに夜な夜な現れて、瀕死になるまでボコった後、穴ほって放り込んで生き埋めにすると言うこわーいお方です★
「キキー、まさか実在したとは! あれ作り話じゃなかったんですねー!?」声的にビビってるカッシー☆
「主よ。呼び出されたからには、暫し汝の手足とならん」
「戦ってくれるんですか?」
「うむ、そこの仮面の道化を埋めろと言われたら、そうしよう」
「あ、はいお願いいたします」
味方だけど威圧感と負のオーラすごいし目がバカ鋭くてめっちゃ怖い★さすがはホラー寓話に出てくるだけある★
「ならば生かしては帰すまい」
「キキー! また二体一でしゅか! ですが、ボックンを甘く見ないで欲しいですね!」
「いや、いちおー三対一にしますよ! ヘコキイモ!」
「呼んだ?」やっぱすぐ出てきましたね☆
「へ、何です生き物?」
「わたしのエレメンタルです!」
「マジか? 弱そ」
「まあ、間違いではありません」
「キキキッ! それは数に数えんでいいよネ! でもまあ、こうなったからってすぐに勝てるなんて思わないでほしいな! ボックンを見くびると、いくら伝説の存在でも痛い目見るよん? 」
「ほう、儂を見て逃げようとせぬか。その心意気は買おう。だが」
お、じいちゃんが穴掘り棒っぽい道具を床に突き刺した☆特殊な金属でできてそうなのに力わざですね☆
「出でよ足削ぎの者達よ。仕事の時間だ」
「キキー、なるほどそれは、死霊ですね!」
Yes、どーみても死霊です☆白くてガイコツみたいな顔した半透明のおばけです☆
「ただの死霊と一緒にするな」
「そうですねぇ! ボックンにとっては同じようなものですよ! なぜなら! お出でなさーい《魚頭龍尾》」
カッシーはシッポと角の長いタツノオトシゴみたいなモンスターを召喚しました★この怖ーいじいさんに怯まないの道化っぽくないよ★キャラ違わないですかふつう逃げません?
「むっ」
「さぁ、食べちゃいなさい!」
タツノオトシゴみたいなのは、タコみたいな口でスーッと死霊達を吸い込んでしまいました★
「ごちそうさま〜どう、おいしい?」
タツノオトシゴは応えません。そして急に体をひねらせ始めました☆
なんか食中毒おこしたみたいな感じですね☆
「無茶な事をする。悪魔であろうと魔法生物であろうと猛毒になると言うのに」
「キ!? キキー!!」
わ、風船みたいに弾けとんだ!
そして、死霊さん達が中から現れ……ません★
「ほう、道化よ、貴様わざと相討ちにしたな?」
「どーかしらん」
「儂に飄々(ひょうひょう)と嘘ぶくか」
「キキッ、例え地獄の使者とて、ボックンの仮面の内側を明かすわけにはまいりませんなあ」
「なら、その仮面、剥いでやろう」
そうっすね。とわたしが思ったのもつかの間、ガロンゾーバじいちゃんは、カッシーに飛びかかりました☆こっからは物理攻撃で殴るかよ☆よし、そのきならはるなもサポートするよ☆
「ヘコキイモ、あの仮面バカ野郎に《グラビティ》使ってください!」
「あーほいよ」
じいちゃんとカッシーのところの重力が強くなります。カッシーの体が少し沈んだのに対しじいちゃんは影響無し。これは良い判断でしたね!
「キキッ、キ」
「死ぬがよい」
「そう簡単には、いきませんぞ! シャアッ!!」
「まだこの機敏さ。貴様を突き動かしているものは何だ」
「『星崩し』をさせるわけにはいかないんだよネ! 神の変容を黙って見過ごしたら、面白くないことになるからねぇ!」
「ああ、あの星のことか。あの星は、確かに歪み始めている」
ほしくずし? 神の変容?
おそらくは地球の神キュベリオス様のことかな?
ウラやんの語らなかった何かが、この件にはまだあるのでしょうね★
今わたしたちのやっていることは、どんな結末をもたらすと言うのでしょうか? だけど、今は進むしかない☆カッシー、悪いけど倒させてもらいますよ☆
「《エリミネート・セブンスソード》!!」
「キキッ!?」
「たああ!」
私が狙うのは、仮面。いーかげん素顔見せろやゴルァ!
「がっ!!?」
よし、まともにヒットはしなかったけど、かすったぞ!
カッシー仮面の右上が吹き飛びました!
「ボクチンのだいじなマスクがー!!」
「もう、敗けを認めてくれますせんか?」
「うーん、そだね」
え、あっさり★
「さすがにここまでされちゃあ仕方ないかぁ。いいでしょう、この部屋のロックは外しておくので先にすすんじゃってください」
そして、指パッチンするカッシー☆
それでロック解除もできるなんてすげー☆
「キキッ、でも、後悔しても知りませんよぉ? その先にあるものはあなた方にとって、決して好ましい結果をもたらしはしないでしょうから」
「何ですか、何があるっていうんですか?」
「これ以上は教えられましぇんね! それは見てのお楽しみってことで! それじゃボックンはドロンしますんで! グッドラック!」
「待て、カッシー!」
ホントに煙幕炊いて消えました★
文字通りのドロンだわ★道化師と言うより忍者みたいだな★
「ふむ、逃げ足の早い娘だ」
「あのガロンゾーバさんは、この先ついてきてくれるんですか?」
「残念だが、汝との契約はもうすぐ切れる。ここまでだ」
「そーですか」
「注意するがよい、このあたりは澱んでいる」
「よどんでいる?」
「ああ、善くない気が流れ込んでいる。それば地獄から湧くものではない。汝、決して、呑まれること無かれ」
「それは……」
「さらばだ。儂にはもう会えない方が、幸いであろう」
「ありがとうございました!」
わたしがそう言うとガロンゾーバさんはウムとうなずいた後すぐにドロンしました☆
みんな消えるのうますぎ☆
「じゃあな、呑まれるなよ。あと、頑張ったから疲れたんでしばらく呼ばんといて」
「いも、お前は残れ」
「やだ、ドロンします」
うわー今回は死ななかったけど、勝手に去るんかい☆この薄情もんがよ☆でも、まあ、ありがと☆やはりこいつも消えるのうめぇな☆わたしも華麗にドロンできるようになりたい☆
「いやー局長、危なかったなあ!」
「はっ!? 原田、動けるようになったんですか?」
「ウチ、こう見えて状態耐性は高いんや! まあ、ゆーても、しばらくはビリビリやったし、さすがにさっきの魔法空間の中だとずっと痺れっぱなしやったろうけどな! あのアホ仮面、ホント面倒なヤツやで!」
「そうですね。見るからに怪しいです」
「こーやって通してくれるのも、いかにも罠ですって言ってる感じや! けど、きな臭いからって今更引き返すのもありえへん。副局長とキンちゃんが治したらそこの扉の先に行こか!」
「そうですね」
ガロンゾーバじいちゃんの言ったことも気にるけど、原田の言う通り☆早くはるなママを助けなきゃいけないし、ここで退くのは男じゃないけど男が廃ります☆魔法少女の名が廃るとか局長の名が廃るとかで良い気がするけど、たぶん私の中の芹沢鴨が言わせたんだよきっと☆
この後もきっと強敵ぞろいでしょうが、はるなもまだまだ秘められし能力があるのがわかりました! 活躍にご期待、あれ!
(ドヤ顔で次回に続く)
カッシーは煌魔の器としてはかなり新しい(若い)方。はるなやウラノーマとはかなりの年齢差があります。
はるなのことをセンパイと呼ぶのはそのため。