第45話☆劣情(れつじょう)なる天誅殺(てんちゅうさつ)
「壬生狼新選組」の野望を挫き、はるなママを助けるために2JJに攻め込むはるなと「魔法少女新撰組」!
雑魚敵のミブロボを軽く蹴散らした彼女たちの前に、最初に立ちふさがったのは幕末四大人斬りの魂を継ぐ煌魔の器「天誅組」の面々であった……
ぴりぴりぴり
場の空気がぴりぴりして、ちょっぴり痛いなーって感じてるはるなです★
人斬り4人衆が目の前にいるのが最大のぴりぴり理由ですね★特にうちのひとり、岡田に関しては、ウラノーマに対してなんかめっちゃ怒ってますし★
「岡にぃ、そんなに怒らないでよ」
「いーかげん、そろそろ話せぇ!」
「何を?」
「とぼけんなや! 土方ぁ、その力、一体どこで手に入れた!?」
「それは、日頃の鍛練のたまものだけど」
「白々(しらじら)しいんじゃ! 回復しか能がなかった弱虫のお前が、イカサマ無しでそんな風になるわけなか!! 本当のことを言えや土方ぁ!!」
ん、今の話の内容からすると、ウラノーマは最初から強かった訳じゃなく、「以前はすごく弱かったけど、ある時から急にめちゃくちゃ強くなった」ってこと? 確かにそれは岡田じゃなくても気になるわ☆
「もし、なにかあったとしても、岡にぃに話す必要ある? 味方でもないのに」
「そーか、変わっちまったんだなお前は!あの泣き虫はもうおらんのじゃな!! 死んだんじゃな!!」
「勝手に殺さないでよ」
「死んどらんちゅうなら、ここで殺してやる!! 安心せい! お前の大切なはるなも、後で冥土に送ってやるからの!!」
え、わたしも殺すん!? さっき恨みないって言ってなかったですか何でこうなんの(゜o゜:)
「冗談でも、そういうのやめてほしいな」同感☆
「はるっぴに手を出すって言うなら、その首、吹き飛ばすよ」あんま同意できない★★
「望むところじゃ!!」
なんかウラやんの目がめっちゃ怖い((( ;゜Д゜)))
ほんわかムードからの人斬りモードへのキャラ変スゴすぎる((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル((( ;゜Д゜)))
「おめーらは手ぇ出すなよ!」
「へっ、岡田お前よぉ土方と一対一で真剣勝負する気か?」ムキムキ筋肉男が茶化すように言います。
「そうじゃ田中ぁ!! あいつは、あの魔憑きは、ワシの手で仕留めにゃならんのじゃ!!」
「へーへー、わかったわかった! まったく、お前は本当に不器用なやつだぜ!」
やっぱ、ただムカついてるわけじゃないみたいですね☆つーかマツキってサッカーの解説者の人ではないよね☆ま、こっち的には4人でまとめてかかってくるほうがヤバイのでわざわざ一騎討ちをしてくれるのは有り難い限りです☆
「いくぞ!」
岡田は両手で鞘の刀を抜き、スタイリッシュに構えました☆いわゆる二刀流ですね☆ウラノーマはすでに刀を持っていますが、スッとその場に立っている感じです☆
「ボサッと立つな!! おみゃあは素人かぁ!!」
先に仕掛けたのは岡田。前方にステップし左右の刀で斬りつけ斬り上げました☆しかし、ウラやんはそれサッと後方に下がってかわします☆わたしも巻き添え食いそうなので少しさがりましょう☆
「相変わらず、荒っぽいなあ」
「なんじゃ、その目は!! その目はなんじゃあ!!」
「声もでかいし」
「土方ぁ!!」
「変わらないね、岡にぃのそういうとこ」
「わかった気になるなぁ!! 自惚れるんじゃなか!! 」
苛烈な連続攻撃を仕掛ける岡田に対して、防戦に徹するウラやん★響き渡る金属音、瞬いては消える火花☆あんな感情に任せてガンガン斬りつけて来られたら、フツーの人ならすぐに気圧されてみじん切りにされちゃいそうですね(ああいう荒々しいバトルスタイルは見てる分には嫌いじゃないけども)★しっかしウラやんはよく正面から刀で1本で2本の刀をキンキン受け止められるよな★お、ここで岡田がつばぜり合いに持ち込んだ!
「昔より動きがいいじゃん」
「上から目線で言うなじゃ!! 驕り高ぶりよって!! こん戯けが!! いつから!! いつからじゃ!! お前はいつから!!」
「だけど、気持ちで動きすぎだよ〈紙風車〉!!」
「ぐっ!?」
何かに気づいてバックステップした岡田。すると、ウラやんの目の前にいきなり数本の刀が現れて、時計回りに回転を始めました。これは、刀を召喚したってこと?
「どう、刀の数でも上回ったけど?」
「お前ぁ、いくらでも出せるってか!?」
「無限、ではないけどね。壊してもすぐに治せるし」
ってことは、魔法少女交翅宴でアルステリアさんと戦ったときは、やっぱり手ぇ抜いてやがったんだな★つまり、最初からあそこで敗退するつもりだったのか★まあ、魔王メロ姉野望を看破するための仕事があったからそっち優先したんだろうけど、なんだかモヤモヤするなぁ(-_-)
「姑息な手を使いよって!! じゃが、そんな手品くらい吹き飛ばしてやるきに!! 〈雷閃刀〉!!」
2本の刀を重ねて発光させ、生み出した電撃をウラノーマに飛ばす岡田★オメーのそれも手品みたいなんですが気のせいですかね?
「っ!」
弾き飛ばされた刀たち。ウラノーマは新たな刀を出そうとしますが、その隙を許さないとばかりに岡田が踏み込みました☆
「ここで終いじゃあ!! 道法寺流奥義〈〈空即迅〉〉っ!!!」
ズバァッ!!
ウラやんはとっさに防御体制をとりましたが、巻き起こった無数の刃を避けられず、着ていた新撰組的な陣羽織をビリビリに引き裂いてしまいました★中の服までは被害がなかったので、なかなかの防御性能があったんですね★はるなのもそうなのかな? ただのコスプレ衣装にとどまらなくて関心感心大感心です☆
「けっ! ただの布切れかと思ぉちゃが!!」
「何してくれるのよ。せっかく、はるっぴとお揃いだったのに」
「次は仕止める」
「ううん、もう終わりだよ」
「はぁ!?」
「もう、ここでおしまい。ばいばい、岡にぃ」
「おま……!?」
ギャー!!
岡田の頭の後ろから数本の刀が出てきてグサグサグサッて刺さりましたよ!? なんだよあのインチキ剣技!!
「ぐがっ……」
そして頭部がまるごと爆散し、噴水のように血が飛び散ります★ホントに首飛ばしよったぞコワー★そして、それを気にすることもなく、ウラやんはフッとこちらを振り返りました。返り血の、血糊のついたその顔は、笑っているようで、それでいて悲しんでいるようにも見えます。
「ねえ、はるっぴ。おかしいよね? 何で自分は強くなっていいのに、何で私は強くなっちゃいけないの?」
「ウラやん」
岡田の言ったことは額面通りならダブスタなんですが、おそらく意味が違います。強くなることはいいんです。ただ、その「方法」が間違っている。努力じゃなくて、何かしらのチート的な行為で、不正に近い方法で強くなったことがいけないと、危険だと岡田は言いたかったんじゃないでしょうか? ただ、この事をいまウラやんに言うとスルっとコロされそうなんで、恐くて言えません(>_<)
「私はずっと弱いままでいなきゃいけないの? ずるいよ、そんなの、ずるいよ」
「なにしてんだよぉ土方ぁ!!」
背後から七支刀のような炎の衝撃波を放った筋肉男。ウラノーマには当たりませんでしたが、振り向かせるには十分です★
「田中さん」
「俺は、お前の力を否定はしねぇ。どんな方法だろうと強くなったもんは強くなったんだからなぁ! だが、敵に背中を見せるのはありえん! 基本がなってねぇぞ?」
「そうですね、失礼しました。それで、もちろん、通してはくれませんよね?」
「あたり前だろ! 俺がここにいるのは近藤のためじゃねえ、強い奴と戦いたいってのが目的だからな!」
うわ、清々(すがすが)しいまでのバトルマニアじゃん☆頭の中まで筋肉でできてそう☆岡田が死んだのに全然気にしとらんあたりもメンタル激強そう☆
「あー、悪いですが、僕はここを離れますね」
「うん? おい中村! まさかトンズラこくきじゃねえだろうな?」
「少し、気になることがありましてね。この場は、田中君と河上君にお任せします」
「ふーん、そうかい。まあ止めやしねえよ! 好きにしな!」
「物わかりが良くて助かります、では失礼!」
キツネみたいな目をした帽子男は、斎藤や原田のいる方に今さら向かっていきました☆うわー、見た目に違わぬ姑息なムーブかますわ☆
「はるっぴ、キンタ、私は河上さんの相手をする! しばらく田中さんの方をお願いね!」
「ぇ?」
「終わったらすぐ加勢します! そこまでもたせてくださいっ!」
「は、はい!」
いや、自分で戦いそうなふりしこっちにガチムチマッチョの相手をさるんかーい★あー、これもしかしてもう一人の物静かな細身の剣士さんのほうが強いってことかな? それかさっさと倒せると踏んでるのか★後者だといいけど★
「ほう、土方よ、随分舐めてくれるでござるな」
「河上さん、あなたを侮るなんてとんでもない」
「そうで、ござるか。言うておくが拙者は、岡田のよう情は持ち合わせておらぬ。我が冷徹なる剣刃、容赦なくお主に振りかかろう」
「お手合わせ願いますね!」
あー、2人とも戦闘体制に入ってどっかに走り去っていったわ★じゃあ、こっちも★★
「へへっ! あいつら気が利くぜ!」
やだー筋肉男やだー(´Д`:)
ゼッテー強いだろコイツ。顔が気迫こもっててこええし(´Д`::)
「はるなぁ! 俺はなぁ、お前とはいっぺん闘ってみたかったんだ!! やっとこの時が来たぜ!!」
あらやだ何か言い方が卑猥だわよ('6`;)
ようは戦いたかったってことなんだろうけど、その見た目で言うと誤解招くぞ★★
「さあ! 見せてみろお前の本気を!! 煌魔の器で最強の一角と言われた紅兎の実力を!!」
田中は七支刀を振り上げて、ガンと構えました★なんかオーラみたいなので周囲が揺らめいています★★ヒエー、そら昔は強かったかもしれんけど、いまは昔の記憶もないし、ほとんどの属性ダメになってるんだよね★★
そんな言い訳できる状況じゃないけど★★つーかベニウサギってもしや、はるなのコードネームみたいなヤツ?
「はるなさんは、やらせないぞ!」
「キンタ、どいてろ。俺はお前のようなへっぴり腰には興味ねぇ」
「なめるなッス! オイラだって煌魔の器なスよ!!」
「どいてろと、言ってるだろうが!! 今のテメェじゃ役不足なんだよ!!」
「こっちだって鍛えてるんだ! やってみなきゃわかんないだろ!?」
わお、キンタって勇敢だなぁ☆
熱血を絵に描いたような性格してるわ☆☆ムキムキ倒してくださいお願いします☆☆ガンバ☆☆
「そうか、そんなに早死にしてぇか! なら、勿体ないが、望み通りにしてやるよ!!」
まるで猛牛のように押し迫る田中★★それを真正面から受け止めようとするキンタ★★え、それ大丈夫!?
「うわっ!?」
あああ! 言わんこっちゃない!!
これ、助けなきゃいかんやつや!!
でも、これ間に合わんぞ!!
「チェストぉー!!」
「うわあああ!!」
ぐぇぇぇ★★私の魔法攻撃がとどく前に、キンタはバッサリとけさ斬りされて、体から大量の血が飛び散りました★★
ヤバイ状況なので★★次回に続く★★でお願いします!
はるなは、記憶無くなる前も岡田のことは岡田と呼んでいました。
4人の人斬りは実質先輩なのに、さん付けしない。誰でもフランクに接する、それが許されるだけの実力があったようです。