第33話★マッド・デザイア
おっさん化して魔法少女スーリエをボコッたはるな。
次に立ちふさがるのは裏切り者の謀略家魔法少女……
デケレポン☆
ありがとうございます☆微笑みの爆弾魔法少女はるなです☆
魔法少女スーリエを倒したわたしたちは、デビルメロ姉をぶっ倒すため、第2関門「キロスの門」までやってきました☆さあ、次に待ち構えるのは誰かな? 何が来ようがぶっ倒してやるぜ!
「ククッ! 来ましたね!! 我らの崇高なる野望に逆らう愚かな者達よ!!」
なんだ、あの中二病的な香ばしいをはくインテリメガネか★★ショートカットとメガネとオフィスレディみたいな服の組み合わせは萌える人選ぶんよね。からくりなサーカスが好きな玄人向け☆☆はまる人にはハマるってやつです☆☆
「シーザ!!」
「おやおや生きていましたか。あのタイミングで素直に死んでくれればよかったのですがね、ハルシロフ!」
「あんたのこと、絶対に許さないんだから!! あたし達をだまして利用して!! イシュカは信じてたのに、それを全部裏切った!!」
「ククッ、あなた方か愚鈍すぎなんですよ。能天気に己が理想を掲げてはいましたが、あまりにも稚拙! 子供だましの夢物語でした! 正直聞いているだけで吐き気がしていましたよ!」
「ひどい!! よくもそんな事が言えるわね!! 一生懸命やってきたのに、それを!!」
「一生懸命やったら、それで全てが認められるんですか? 必ず肯定されるんですか!? 必ず成功すると!? 馬鹿馬鹿しいことこの上ない話ですよそれは!! それが世界の理だと言うのなら愚かにも程がありますね!!」
「あんたは違うって言うの!? あんたは生まれつき属性を持たないノーエレメントだった!! 魔法使いにとって属性が無いことはものすごいハンデなはず!! けど、それを乗り越えて魔法少女になれたのは、あんたが努力をした結果じゃないの!?」
あー、あの子はるなと境遇似てるんですね★
わたしも罪属性って分かるまでは全属性苦手のマジカスザコスペックで魔法少女名乗ってましたから★★特に攻撃魔法は適性が威力に直結するため顕著に影響出るのが辛いんですよねマジで★★わたしが前使ったファイアーボールとかが分かりやすい例です★★
「ククッ、わかってませんねえ。わかった気にならないでほしいですね! 努力なんてものは限界があるんですよ! いくら努力をしても、アルステリアはおろかあなたにすらも追い付けなかった。小手先の知恵でだましだましやってきた。こんな風にね!」
「!!」
ドオン!!! と地面が光って爆発しました!! しかし私たちの回りに白いバリアのようなものが発生して、その被害を完全に抑えました☆☆
「チッ、仕込んでいましたか」
「あんたの事だから何かしら罠をしかけてると思ってた。だから無詠唱こっそり、魔法に反応して起動する《ホワイト・ウィンドバリア》を地面に設置したのよ」
「やりますね! ククッ、でも、これでわかったでしょう? 知恵でなんとかしようとしてもここまでなんですよ」
「言い訳がましい!! ようはあきらめただけ、投げ出しただけ、自分から逃げただけじゃない!!」
あーあ、残念なダウナーさんですね★基本的にこう言う人生あきらめた人と関わってもなーんもプラスにならないんですよね★魂が枯れた奴はネガティブの沼に引きずり込んでくるだけなのです★正直たぶん敵側にとってもマイナスなのよね★★双方にとって害悪なのでハルちゃんサクッと排除してください★★
「何とでも言えば良いでしょう。力、力こそが答えなのです! このパワーこそが単純明快なる解決手段でしたぁ!!」
「強い邪気!? あんた、本当に悪魔に魂を売ったのね!!」
「ああ!! 素晴らしい!! 力が体から湧いてくる!! 無尽蔵に!!」
「正気じゃないのなら、倒すしかない!! 風切りの刃よ敵を切り裂け!! 《ウィンドカッター・ハイファイン》!!」
ハルちゃんは風の力を集めて作った円形の刃を、シーザに放ちました☆ウィンドカッターと言う魔法はかなり初級での初心者が覚えるような魔法ですが、ハルちゃんの使ったものは自分の風属性適正と修練により大幅に強化されて、上級魔法に匹敵するものと思われ、当たったら岩でもスパッと体がキレそうなくらいに鋭利で高威力なものになっているようです☆まともに喰らったら鎧を着てようが即死間違いなし☆
なのになのに、シーザは、立ったまま動きません★それどころか回避は愚か、バリア出して防御する様子もありません★ええっ!? どうしてなの!? そのままじゃモロに当たっちゃうぞ!?
ズバッ‼
ほら言わんこっちゃない★ウィンドカッターがシーザの首の右横に直撃し、切り裂きました。あまりにも切れ味が良すぎて血もあまり飛び散らず、右肩から横の肉体をだらりと垂れ下がらせました。しかし、体は立ったままですキャーー! これ会社がしばらく休業するくらいの労働災害じゃん!! どっかのヘルメット被った猫がヨシしたあとになる事故レベル!!
「なっ!?」放ったハルちゃん自身も驚きを隠せません。
「いたーい、いたーい!! グケケケケ!!」
うわ!? 裂けたところから何か出てきた★★沢山の目があるヒジキみたいに黒くてキモいクリーチャー的な何かがグニッと出てきましたよ★★体内に寄生して操ってたんですかね★正直さっきのドチキン骨ゾンビよりホラー度高いです★★ガチで悪魔に魂を売っちゃった感じだね★★
「うわっ!! なんなのよ!?」
「こわい、です」
ピリンとまりなちゃんは明らかにビビってる模様★おめーら魔法少女の代表なんだから、もちっとしっかりしろよな! と言いたくなりますが、はるなも鳥肌びきびきゾワゾワってます★★なのでハルちゃんバイセンここは頑張ってくださいっ★★彡
「あんた、シーザじゃないわね!!」
「クケケケケ! コノ女ハ、スゴクチカラヲ求メテイタ。ダカラ簡単ニ寄生サセテクレタ!!」
「体を乗っ取ったってことね!! じゃあ、今までの事はアンタがやったわけ!? いつからシーザになりすましてたの!?」
「人間ハ愚カー愚カダー隣ニイテモ気付カナカッタ! オマエモ、イツデモ殺セタ!!」
「そう、結構前なのね!! なら、今までの言動は全部シーザの本心じゃないのね!! ふん、逆に少し気が楽になったわ!! シーザの皮を被っただけのバケモノなら心置き無ぶっ倒せる!!」
さすっがバイセン☆☆見ただけで吐きそうなモンスターにも強気です☆☆こっそりなにされてたかもしれんのに、気にするそぶりはありません☆☆こういうのは気圧されたら負けですからね☆☆なんだかはるなも気持ちが前向きになってきたよ☆☆そうだよな、シーザ本人はもう外見だけで死んでて中身はただの魔物なのほぼ確定したんだから遠慮無くブッ倒すのみですわ☆☆
「今楽にしてあげる……はるな、ぴりん、まりな、一気に攻めるわよ!!」
「え、でも得体もしれないよ!? 大丈夫!?」
まあ、ぴりんが尻込みするのもある程度わかるんですよね~やつは近距離攻撃しかほとんどできないから、あのバケモンにどうしてめ近づくはめになっちゃいます★それは結構リスクが高いんですよね★★だから、まあ、ここはある近~中距離が対応できるはるなが先行するしかなさそうですね★★やりたくないけど流石に今の状況では避けられまい☆☆よっしゃ一肌脱ぐぞ☆☆
「《ジェノサイドニードル・エクステンド》!!」
「はるな!!」
「まずは、わたしが引き付けます!!」
「わかった!! お願いするわ!!」
不気味に蠢く的に向かって、右手に魔法のトゲ爪を展開させながら突撃します。罪属性の上級魔法で某スペインのストリートなファイターみたいにそれなりのリーチがあるのが利点です☆ヒョォォォと言いたくなりますががまん☆
「キシャアアア!!」
「てやあぁぁぁぁ!!」
バケモノの部分を爪の先っぽで切り裂きます☆
紫の血がプビッと飛び散って気持ち悪いよ★★
ゴポっ
あ、切ったとこがウジウジしはじめて、なんか盛り上がってる。これ増殖してますね★
「効いてない!?」攻撃してないのにしたかのように言うぴりん。「しかも大きくなった!?」
「グケケケケ!! 痛イ、痛イィィ、痛イヨォォォ!!」
カウンター攻撃とばかりに魔法の炎を放ってきました。かわせないスピードではないのでひょいと避けましたが、当たったらまずいですね★★しかし、叫び声がコワイ★★いまの痛いって言葉が実はシーザ本人の意識が残っているから発せられたのならなおコワイヨです★★やだーこんなのと戦いたくないよう★★
「直接的なダメージはまずそうね! まりな! 火属性の魔法で攻撃して!!」
「は、はい、ハルちゃん!!」しれっと呼び方かえてる。
「燃え盛る爆炎よ敵を弾ぜ倒せ!! 《ボルガニックバーン》!!」
プロミネンス・タルタロスの劣化版のような爆発がシーザの足元から起こりました。少し発生にラグがあったのにやはり避けるようすは全く無い。
「アツィィィ!! アツィヨォォォ!! タスケテェェェェ!!」
うわあ、火に油ならぬ油に火★★
さらに身体かただれて、日本妖怪の百目鬼みたな不気味な姿になっつまいました★★なんか変な汁がダラダラ出ていてマジグロいです★★
「まさか不死身なの!?」
言うだけでマジ何もしてないぴりん★★まーどうせ物理攻撃効かん感じだしもうナレーターだけやってろボケカス★★
「シーザ、あんたが求めたものはそんなものだったの……?」
「キィィィヤァァァ!! チカラチカラガワイテクルゥゥ!!」
「哀れだよ……それじゃあ何もないじゃない。そんなのただの肉のかたまりじゃないの」
つぶやきながら、ハルちゃんパイセンは何かを考えています。言ったことにはまったく同感☆たしかに見た目はでかくなったけど、増殖するけど、明らかに知性も低く動きがトロい。倒す手段は無いけれど、スキ!だらけでとても強いとは言えないないです★★
うーん、攻撃を当てるのは難しくありません。ただ、一撃で完全消滅させないと、なんだかまた再生してしまいそうな気がします★そして、その後どんなことになるかわからないリスクもあるんですよね~なのでわたしの十八番の神階魔法あたりが倒すのに適しているでしょうか? ちょっと魔力とか喰うし寿命が縮む可能性も無いとはいえませんが、一撃で倒すなら最善と言えそうです…………ん?
「ーー介錯つかまつる」
う、上からウラノーマが降ってきた? そして、バケモノの脳天に刀をグサリと突き刺しました!! え、なに、なんなの!?
「ギャアアアア!!」
刺されたところを中心に爆発四散して弾け飛ぶバケモノさん。飛び散った破片は暫くピクピクしていましたが、再生もせず塩かけたナメクジみたいにジュワァと消えていきました★(ちなみにナメクジに塩かけても実際は溶けません。おおげさな喩えってやつだよ理解してねっ☆)
倒し終えたウラノーマは、スタッとヒーローみたいに着地して、ゆっくり立ち上がり、刀をスタッと鞘におさめます。
「どういうことよ、あんた!」
「ハルシロフ。これ以上仲間が醜態を晒すのを見ていられなかった、だから、終わらせた。それだけの事だ」
「でも、あんたはメロウラインの仲間なんでしょ!?」
「いや、私は奴の仲間ではない」
「じゃあなぜ、なぜあんたはイシュカを殺したの!? 意味がわからない!!」
「悪いが今は話せない。だが、焦らずともいずれ知ることにはなるだろう。ここで死ななければな。だから今はメロウラインを倒す事に集中するが良い」
まあ、倒してくれたのはありがたいけど、謎ムーブ多すぎです☆ホント何者なんだろう? ★これ以上聞くのは野暮なんでやりませんが気になるわぁ★
「ふん! 隠し事ばっかりするのね!!」
「すまないが、こちらも別件があってな。今回の件はこれ以上の介入はしないつもりだ」
「こんなときに別件なんてよっぽどの事なのかしらね!? ふん! 今度会ったときはその顔を全力でブン殴らせてもらうから覚悟してね!」
「ふふっ、良いだろう。ああ、だが、せめてもの償いとして1つ助言をしておこうか」
「何よ?」
「今のメロウラインは魔王に成るだけの力がある。その核となるものは、天下無双の邪属性を持つ事だ」
「邪属性で最強(最強)なくらい言われなくてもおおよそわかってるし」
「しかし、それ以外の2つの属性はそこまででもない。更に複数の属性を持つ者に言えることだが、最も強力な属性が他の属性の魔力を補い支えていることがほとんどだ」
え、そうなの? ようはメイン中にもの一番のメインがあるってことだね☆☆まあ、はるなは罪属性オンリーだからあんま関係ないですね★残念★
「それは知ってる。だから?」
「もし、邪属性が重要な供給源となっているのならば、そこを絶てばどうなると思う?」
「邪属性が使えなくなったら大幅な弱体化は免れないわね。でもそんなことが出来るって言うの?」
「ああ、簡単なことだ属性を破壊してしまえばいい」
「属性そのもの壊して使えなくするってこと!? そんな方法が、そんな魔法があるなんて今まで聞いたことないけど!?」
「最近の魔法にはない。しかし、古の魔法には存在する。例えば、自らの属性の1つを完全に壊すことを代償とし、その引き換えに相手の属性を完全に破壊する穴二つの禁断魔法《ルオーティーバ》などがそれにあたる。射程が短いため至近距離で当てなければならないが、決まればメロウラインを大幅に弱体化できるだろう」
ん?
んんん!?
そのルオーなんとかっと魔法、このまえボクベーに遡及習得してもらったとき、一緒に覚えたぞ? まだ1度も使ってないけど使い方は何となく分かる感じだぞ? ウラノーマ、オメーまさかこの時のためにこっそりはるなに覚えさせたってことですか!?
「でも、急に言われてもそんな魔法が使えるヤツなんて知らないわよ!! 大体、言った本人のあんたは使えるわけ!?」
「残念ながら、使えない。しかし案ずるな。そこに1人、使える者がいる」
そう言って、こっちを見るウラノーマ★やっぱそうなんですね理解しましたよ★何かマッチポンプ感あるけどな★大体言った本人なんだから使えたりせんのか?
「はるな、あんた……っ!?」
ハルちゃんパイセンがこちらに視線を向けた、そのわずかな間に、ウラノーマはまるで忍者のようにシュッと飛び上がり、薄暗い空の彼方へと消えました。つーかあんな音速なみのスピードで飛べるなんて、ひょっとしてあいつメロ姉ちゃんより強いんじゃね? と、思わんでもない★
「あっ逃げた!! 何なのよ! 言うだけ言ってドロンするなんて!」
「まあまあ、敵か味方かわかんないし、教えてくれただけでもよかったじゃん」
「ぴりん。そりゃ、まあ、そうだけど」
「って言うか、なるほどなるほど。あん時に覚えたんだね、はるな! ボクベーが教えてくれたんでしょ?」
いやー、まるで手も足も出てなかったのに急にしゃしゃり出てきたなオメー★恥を知りなさい(汗)
「ボクベー? だれよそれ?」
「実はウラノーマの奴がさあ……ゴニョゴニョ」
「……えっ!? そんなことがあったの?」
「ゴニョゴニョ」
ピリンの事情説明を聞いてわかりやすく驚きまくるハルちゃんを拝みながら、私たちは再び歩みを進めるのでした☆☆
待ってろよメロ姉、このとっておきの属性破壊魔法でテメーをギャフンと言わせてやるからな!! まだ1回も使ったことないけどな!! な!!
シーザに寄生した魔物は、倒せないだけで能力は低いため時間稼ぎとしてメロウラインに使われた感じですね~(汗) 多分寄生されない方が賢かったのでもっと時間稼ぎできたんじゃと思わなくもないですが……どっちにしてもウラノーマに倒されそう……