断話◼️やっぱそうなってるんね
はるな達があれこれしてる頃、(はるなの予想どうり)アルステリアは地下牢獄で鎖につながれてムチとかでバッチリ拷問を受けたりしていたのだった……
※今回は登場人物がすっぽんぽん&ネタバレ防止のため挿し絵は控えております。
ここは薄暗き牢の中。
アルヴァロスに座する、焰竜城レッドファングの地下深くにあり、決して陽の光の射(座さ)さぬ場所。
四肢を鎖に繋がれ、壁に張り付けられ、身動きもとれず、ただ命の雫が天井から滴れ落ちる漏水の音とともに尽き果てるのを待つばかりの私が、ここに在る。
コツコツコツと石の階段をくだる音が聞こえてきた。それが牢の前まで来ると、止まり、黒き悪魔の角を持った者が見えた。それは、ガチャと牢の鍵を開けると、私に向かって歩み寄ってくる。
「メロウ」と、私は絞り出すように声を出した。姉妹のように生きてきた、そのつもりだった彼女は今、私に向けてニヤリと悪魔のようなおぞましい笑みを浮かべる。そして「お元気かしら?」と見ればわかることをわざと聞いてきた。そして、何も衣をまとわない、私の腹にボンと拳を食い込ませた。意識が飛びそうになり、口からは血か啖かわからぬものが吐き出される。
「惨めな姿ねえ。あなたのそういう姿、ずっと見てみたかったの」
「……まだ……信じられない……君が……属性詐称までして……」
「いい加減目を覚ませやボケェ!!」
「ぐっ!?」
「まったく、どんだけ能天気なんだぁテメーはよぉ」
金色に光る瞳には、かつての優しい姿の名残はない。まさに悪魔のような視線と野蛮な語り口だ。
「お前はいつもいつも三文芝居のような事を吐きやがってよぉ。正直いつもいつもむず痒くて鳥肌が立ってしかたがなかったんだよ」
「メロウ……」
「まだ口が減らねぇようだなぁ?」
「ぐっ!? ……だが、あの時の、カザ村での1件君の言葉が、嘘とは思えない」
「はぁ? 何の話だ? 知らねぇな」
一瞬、わずか一瞬だが視線を反らした。つまり、彼女はあの時の事を覚えている。だが、それがわかったところをこれ以上追及しても引き出すことは難しい。
「君は、これからどうするつもりなんだ……エンターライズを魔界にしたところで、膨らみつづけるエグザイル・ビーストの脅威をこれから回避できるのか?」
「頭わいてんのかお前は? お前案じなくともがもうすぐ完全なる邪神が誕生する。その力があればあんな異邦のトリくらい絶根絶やしにしてやふさ」
「……フフ……それは殊勝だね」
「まだ笑う気力があるのかよ。ククッ、後でじっくりいためつけて2度とそのにヘラヘラした顔もキザ言葉も吐けない肉のオモチャにしてあげるから覚悟することだなぁ」
「それなら、助けが来るまでにやることを推奨するよ」
その言葉に、眉を潜めてメロウはニヤリと笑った。この図星と言うような反応は、なるほど、さっきからここに彼女が来たことに違和感があったが、どうやらこの城に何らかの敵対するものがが攻めてしてきたようだ。
「死に損ないの小ネズミどもが、チョロチョロと走り回ったって無駄なのに」
「それは、もしかして、魔法少女のみんなの事かい?」
「数人で乗り込もうなんて、いつになっても脳ミソお花畑な奴らだよなぁアイツらは。今さら邪魔をしに来たってもう手遅れなのにさぁ」
はるな達が助けに来てくれたのだとしたら喜ばしい事だ。だが、「手遅れ」と言うメロウの言い回しはよろしくない状況であることを覚らせる。
「それ以前に、向こうには裏切り者もいるしねえ」
「なに……! スパイを仕込ませているのか!」
「そうよ。だから、今回来ることはバレバレだったの。今だっていつ背後から刺されてもおかしくない」
「魔法少女の中にいるのか!? 卑劣な真似を!」
「アハハ!」
まずい、この事を知らせなければみんなやられてしまう。けれど、今、それを伝える術がない。
「ククク! アルステリアぁ、心配しなくてもいいぜぇ? オマエには仲間が無惨に死んでいく姿を無様な格好で眺める権利を与えてやるからさぁ!」
みんな、くれぐれも油断するなよ。
メロウラインは君達の思いを軽く踏みにじろうとしている。君達は常にナイフを首下に当てられているのかもしれないのだ。
はるな、君の可能性にも期待している。
君ならメロウの野望を止めることができなるかもしれないという可能性を感じる。私達にとっても敵にとっても未知なる存在である君なら一一
鎖につながれるの色んなゲームの定番。
例のオウガなサーガでもありましたね……メロウラインもそれをリスペクトしたのかも。あの神ゲーの続編は魔法少女達も私も待ち望んでいます。(リメイクするにしてもあんまシステムいじらないで~)