第28話☆反撃のNOROSHI、俺はHIROSHI-◯-◯
下呂温泉でモヤモヤしていたはるな達のもとに死んだと思われていたハルシロフ達が現れた。
彼女からの情報により、ヴィーナスが先にエンターライズに戻ってメロウライン打倒の機会を伺っている事が分かり、ワクテルや他の魔法少女とともにそこに合流することになった。
久しぶりの里帰り。
でもはるなにとってはあんま嬉しいものでもないのであった……
こんにちは☆
ついにエンターライズに帰還を果たした、逆襲の魔法少女はるなです! ワクテルさん達生き延びたせ魔法少女と一緒に、南部の小大陸ラスカインの中心部であるスピア領聖都ルーノヒイゲまでやってきました☆
聖都と呼ばれる都市は、エンターライズの各大陸に一か所しかない首都的なものです。政治機能はだいたいここに集約しています。日本で言えば東京みたいなものですよ☆☆
「って言うか、ぴりん」
「何よハルシロフ?」
「あんた、メロウラインと仲良かったよね? 今まで一緒にいたのに、今までぜんぜん気付かなかったわけ?」
「ぐぐっ!」
「何か、一緒に海外旅行まで行ってたらしいじゃないの! それでわかんないとか、あんたもなかなか鈍感よね!」
「わ、悪かったわね! メロお姉様があんなになるなんてぜーんぜんわかんなかったし! 知らんものは知らんし! ホントだって! あんた、もしかして疑ってんの!?」
「別に。ふん、まあその反応からして、どうせシロでなんだろうけど」
まー、ハルちゃん先輩の言う通りだろうね☆
はるなも気付かなかったし、正直ぴりんを味方にしても足を引っ張るだけだろうからメロ姉ちゃんにとっては不要なお荷物だよな☆んあっ☆これもしかして、ぴりんに対する疑念をさっさと晴らすためにあえて聞いたのかな? だとしたら、随分ニクいことをしますね☆
そんな会話をしながらしばらく歩くと、工場地帯らしき建造物の群れが姿をあらわしました☆☆そして、そのお奥には白い要塞や管制塔のようなものがあります☆☆今まではファンタジーな街並みだったのに、急にばっきばき軍事拠点とか違和感がすごい☆☆お空で戦闘機が編隊飛行してるし戦車あるし、ほぼ自衛隊の基地ですね☆☆
「普通、入るにはIDカードがいるのよ。でも、私は顔パスがきくから大丈夫!」
さらっと自慢を含ませるワクテルさん☆
へー、すごいですねー入り口の守衛さんに話しかけたら、さらっと全員通してくれましたよーさすがは魔法少女のリーダーですねーすごいです棒読み。
「これ、全部ヴィーナスのものなの?」
「オーッホッホッ!! ハルシロフ様、まったくもってその通りですわ!! この土地の全てがこのわ、た、く、し、の所有物なのです!! 」
「そのわかりやすい高笑いはご本人様ね。あんた待ち伏せでもしてたワケ?」
奥からコツコツとやってくる白いスーツ姿のオサレサングラスをかけたやたら目立つ女性☆☆うん、間違いなくヴィーナスですね☆☆北海道球団のビッグ監督のような着こなしっぷり☆☆そして、その横を歩く明らかに素朴な格好の娘とのギャップがスゴいです☆☆
「まりな、あんたも生きてたのね」
「はい」
「あんたドジだから、大丈夫か心配してたけど。どうやって逃げ延びたの?」
「はわわ~、それはですね~、あの時はヴィーナスさんに助けられて、何とか逃げられて、ここにいさせてもらってるわけなのです」
わー、伝説の擬音「はわわ~」を実際に使うやつがいるとはな☆☆「魔法少女使ったらダサいワードランキング」で7年連続第1位を取ったこともあるタイトルホルダーぞ☆☆更に「魔法少女使ったらダサい語尾」ランキングで常に上位にランキングしている「~なのです」まで使いよったし☆☆これで後は伝説の激ダサワード「ほえ~」が出たらビンゴで確変だぞ☆☆
ちなみに、この子魔法少女交翅宴では1回戦で相手を巻き込んで自爆し、観客をドン引きさせた滋賀代表の子だよ☆(※第14話参照)
「あんたも、メロウラインと戦うつもり?」
「はい! 少しでもお役に立ちたいです!」
「ふーん、思ったより勇敢なのね。でも、あんまり無茶はしないでよ。フォローしきれるかわかんないから」
「ほえ~、わたしあんまり信用されて無いですねぇ」
☆☆BINGO☆☆
さっそく言いよった~☆☆やれやれ、この子はアニメとかで魔法少女が何たるかを学んだクチかなぁ? さっきからこっちに親近感のこもった視線を向けてきたけど、同類じゃないからね☆☆はるなはホームレスだけど、断じてド田舎育ちのイモっ子ではないんです☆☆多分断じて☆☆
「あなたが、はるなちゃんですね! わたしはまりな=シャトレーゼです!よろしくおねがいします!」
笑顔がまぶしっ☆☆何そのけがれの無いがごとき天使スマイル☆☆やっべ一瞬だけカワイイと思ってしまったゼ☆☆お辞儀の角度並に腰も低そうだし、ちょっとドジっ子だけど素朴で優しそうだし……ほえ? もしかしてこの子ってかなり正統派の魔法少女なのでは……あ、「魔法少女使ったらダサいワードランキング」常連の「ほえ?」を勢い余って使ってしまいました☆いや、こうやって変なランキング作って色んな言葉を使いにくくする風潮ってやっぱよくないですよね☆ダブスタっぽいけど、よくないです☆☆オヤジ構文も顔文字もどんどん使ってください☆☆
■■ みんなちがって みんないい ~はるな~ ■■
「こちらこそ、よろしくです」
「おーっほっほっ! このわたくし、ヴィーナス=シュタッツベルトも改めてよろしくおねがいいたしますわ! はるなさんには魔法少女交翅園で不覚をとりましたが、次はボッコボコにしてさしあげますので覚悟してくださいまし!」
「あー、はい」
割り込んできて無理やり手を握ってきたけど握力つよくて痛いんじゃボケ★でもまあ、こやつは金持ちだし仲良くしといた方がいいよね、とりあえず苦笑いしとこへへへへ(^_^)
「では、さっそく皆さまにはわたくしの秘密基地に来ていただきますわ!」
「あのー、もしかして向こうにある要塞みたいなやつですか?」
「はるなさん、正解です! あれこそがシュタッツベルト家が誇る鉄壁の要塞城! その名も〈ズィルバライヤー城〉ですわ!」
うわ中二病くさい名前。青春真っ盛りが大好きなドイツ語です☆
つーか、丸見えな時点で全然秘密じゃないんですが★★
「……んで、何て意味ですか?」
「日本語に訳すとシラサギ城ですわ! おーっほっほっ!! どうです、わたくしの類いまれなるネーミングセンスは!?」
どーもこーもそれ姫路城の別名ですがな★
わかってやってるのかいないのかわかりませんが、何となく知らずに名付けた感じのニュアンスだなあ★★
★☆★
その後、4500歩ほど歩いてやっとズータラカンタラ城にたどり着きました★山道がきつかったんですが、軍事車両があっちこっちに止めてあって、正直それに乗せてくんねーかなと思いました……いや、その年でめんどくさがるなとか言わないでください☆はるなは永遠の11歳、つまり年齢不詳なのです☆
要塞の内部もこれまた広かったのですが、作戦室まではエレベーターとエスカレーターをつかったため、割りと楽できました☆☆
円卓状になった机にそなえつけれた高そうな椅子にそれぞれ座がると、秘書らしきメガネの女の人が飲み物のオーダーを聞いてきたので、コーラを頼んだらちゃんともってきてくれました☆☆うわ、ヴィーナスめこんな贅沢な暮らししてやがるのか☆☆どうにかして居候できんかな☆☆
「さあ、皆さま。まずは情報の共有と整理をいたしましょう!」
パソコンをさわりながら、大きなスクリーンにパワポで作ったらしき画像を写し出てまりなにヴィーナス。格好からしてオフィスワーカー(会社員)みたいです☆☆まりなちゃんは、ペン型のレーザーポインターで赤い光の点を出して画像のあっちゃこっちゃをヒョロヒョロなぞってます☆☆社内会議ってこんな感じなのかな☆☆
内容は少し長くなりそうなので、以下に要約するよ☆☆
まず、メロお姉ちゃんは、一部の魔法少女と共にエンターライズの中心部であるアルバロス大陸を王都セリシウスを制圧することにより完全掌握。政治に関わっていた賢者様やその関係者たちはほとんど死亡あるいは捕虜となってしまったようです。現在は魔物達や、邪教教徒、反体制過激派等ならず者や蛮族が続々とここに集結していて、今や新宿歌舞伎町も真っ青なクソヤバ世紀末デンジャラスゾーンと化しているようですヒャッハー☆彡
ヤバイ奴らなのが幸いし、今のところそいつらの足並みは整ってないようですが、他の大陸にも魔の手は徐々(じょじょ)に及びはじめており、リデア大陸やローゼ大陸はかなり苦戦を強いられているようです。ヴィーナスの両親や有力な魔法使いはここに応援に向かい、攻防戦が繰り広げられているとのこと。
んで、このラスカイン大陸だけは、この中で現状被害がほとんど無く、大規模な反撃作戦を行うために着々と行う余裕がまだあるようで、ヴィーナスが指揮官となって、急ぎ準備を進めているとのことです。
「そっか、じゃあまだ敵さんも本格的に侵攻はできていないわけだね」
「そうですノノマさん。ですが、安穏としていられるかと言われれば全く違いますわね」
「ああ、もしかしてあれかな。魔族が絡んでるなら【魔杖オルフディスカス】を手に入れようとしてる?」
「左様。あれの在りかはローザルフ様や一部の大賢者様しか知りませんが、あれをメロウラインさんが手にすると、おそらくは」
「封じられし邪神が目覚める、のね」
それを聞くと、ワクテルさんはいかにも何か引っ掛かるというように視点を右にそらして頭に手を当てる仕草をしました。
「ただ、それだけではないかもしれないわね」
「何かまだあると?」
「目覚めた邪神を、メロウラインがそのままにするかしら」
「それはつまり、もっとまずいことを考えているかもしれないということでしょうか?」
「そうよ、ヴィーナス。だから、今の方針では手遅れになりかねない」
『そうじゃ』
「えっ!?」
突如大型スクリーンに写し出されるジジイの顔アップに一同唖然★昭和アニメならズコーっ/(>◯<)ノって後ろにコケる展開ですねこれ☆はるなは、令和っ子(自称)なのでやりませんが☆やりませんよ☆
「ローザルフ様!!」
『ワクテル、皆の衆、元気でなによりじゃ! 』
「今どこにいらっしゃるのですか!?」
「ワシはレッドファング城の地下に幽閉されておる。身動きは取れんが、このくらいの芸当は容易いて」
賢者のくせにハッキングとはなあ☆
「お命は大丈夫ですか?」
「お主もしっておろう? ワシは魔術師としても超一流じゃが、それと同時に超一流の呪術師でもある」
そうなのです★
はるなに「カサンドラの呪い」かけたのもこのジジイだからな★★はやく解いてくれ★★
「はるな、おぬし今、はよ私の呪い解いてくれよ! とか思わんかった?」
「んぎぎっ!?」
「ふぉっふぉっふぉっ! やーじゃよー! もーしばらくそのまま呪われときなさい!」
「んぎぎ!」
★★クソがっ★★
そろそろ許してくれよな~盗んだ杖はもう返し……てないわテヘッ(^V^)
「ま、下手にワシを殺せば、ワシの体に封じられし【七大呪詛】が解放される。それは魔王のごとき力を持つかもしれぬメロウラインでも対処できぬであろう代物じゃ。あやつもそれをわかっておるから、この老いぼれを始末できずにおるのじゃろうな」
なんか、思い出せんけど聞いたことがあるような★
とりあえず、何となくだけど、ジジイがあの世に逝くと世界を根絶やしにする的なシステムが発動する感じですかね★★流石は大賢人、水面下で老獪な駆け引きをしてるんですね★★
「他にも捕まっている人はいるんですか?」
「お主らの仲間の魔法少女達も一部は捕えられておる。あちらの方が危険じゃ。特にアルステリアはメロウラインとの戦いで瀕死の重症を負っていたから、一刻を争う状況やもしれん」
わー、はるなと戦って一回ボロボロになってまたボロボロになったんや★★なんか、ドSメロ姉ちゃんにエロゲーみたいひんむかれてビシバシムチ打たれるくっ殺状態になってそうで心配です(~ε~;)
「何にしてもローザル様がご存命なことがわかれば、他の皆様方も奮い立ちますわ!」
「あ、それなんだけど、ワシのことはもうちっと他の皆には秘密にしといてくれんかの?」
「え、どうしてですか?」
「おそらく、味方だけでなく敵にもワシの動きが覚られる。すれば、メロウライン側に余計な詮索をさせてしまうからのお」
「確かに、そうですわね! 浅はかな発言申し訳ありません!」
「よいよい。ヴィーナスは十二分に動いてくれておるからな。お主は計画した作戦を迷わず実行に移すがよかろう」
「そこまでご存じで!?」
ん、作戦とは(・_・?)
「ふぉっふぉっ! んじゃ、ワシ疲れたからひとまず回線切るね~チャオ~」
「ローザルフ様!」
「プツン」
いま回線切る音を口で言ったよな★★
これエロジジイのクソ冷やかし行為やんマジウザい★★
「……じゃあ作戦を聞かせてくれる?」
「ええ、ワクテルさん。今からお話いたしますわ、これから開始する大規模奇襲作戦、名付けて〈ダイダルウェーブ作戦〉の全容を!!」
地図の感じだとあんまり他の大陸に攻め込めていないメロウラインの軍勢。
エンターライズの住人の多くは魔法使いなので、そこらの魔物くらいは普通に倒せるくらいなため結善戦戦しているようです……