第24話★【決勝戦】うわーっ(爆)
魔法少女交翅宴もついに決勝戦!
3億円まであと一歩のはるなの対戦相手は、闇の魔法少女にして「魔法少女維新の会」のリーダー、イシュカ。
境遇はちがえど、不遇な世界を歩いてきた2人の魔法少女の戦いの行方は……え、タイトル的にはるなが負けそうですと……?
さて、どうでしょうね(*´ω`)
ご、ごんにぢは、はるなでず。
ざ、ざっそぐでずが、いま、わだじは、魔法少女交翅宴の決勝戦を戦っているわけですが、対戦相手のイシュカの魔法にひっががっでじまい、ぎゅうぎゅうと締づげられているのでず。づまり、大ピンチグエー★★★
「あなたの事は聞いているよ……随分とひどい仕打ちを受けていたようね」
返答できないぐらいヤバいわだじに、イシュカは静かな表情で語りかけチェキマス★★ぐぐぐ返ずごどもでぎぬ★★
「君が何か罪を犯したというのは、どうも信じがたい話なのだけど、本当なの?」
「ぐぎぎ」だぶん窃盗罪でず。
「……理由はどうあれ、今までずいぶんと貧しい暮らしをしていたそうじゃない。どう? エンターライズのこと憎んでる?」
「ぐぎぎ!」
答えを求めるなら締め付けるのやめんがい!!
くっそー!! 魔力が吸われてるのが、思うように魔法が使えないけど、何とかしなぐでば最悪死ぬ!!
「ぐおー!! 《ネクロハンド・アトモスフィア》!!」
「!?」
なんとか力を振り絞り、究極魔法を発動です☆☆2つの腕に挟まれれば、あのアルステリアさんですら動きが止まるくらいのパワーです☆☆よし☆☆はるなをギュウギュウしてた魔法の枷が解けた☆☆はー苦しかった☆☆
「これが……しかし……!」
バァンと弾け飛ぶマッチョな腕★★究極魔法なのに、なしてこんな簡単にみなさん打ち破っちゃうんですかね?
「罪魔法が使えるのは……いや、使えたのは、歴史の上でもマリアージュ様やキュベリオス様くらいしか知られていない。もしかして、あなたは……」
「語尾が尻すぼみになってますよ! はっきり言ってください!」
「ただの魔法少女じゃないかもしれないってことだよ。でも、今はこれ以上は言わない。何であっても、私はこの戦いに勝たなくてはならないのだから」
こちらとは別な意味で必死な感じですね。表面上はクールな感じですが、何だかこの子からはギラギラグツグツしたものを感じます★★3億円が欲しいという感じではない使命感的なやつ★★
「言いきりますか。でも、こっちだって負けられません!〈パニッシュメント・アロー〉!!」
漆黒の弓矢で攻撃です☆☆弓矢なんて本来は使えないけど、魔法の弓矢なので雑に引っ張っても弓道部員顔負けの矢を、こうして、パーンと放てます。当たればかなりの威力があるよ。
キィン!
あ、かるーく弾かれた★★
けど、魔法の矢は無尽蔵に出せるんですよ☆☆さー、矢の雨を受けるがいいです☆☆
ピッピッピッピッ
キンキンキンキン
ピピピッピピピピ
キキンキンキンキン
うわ全然あたんねー★★乱れ飛ぶ矢を棒みたいな武器を、風車のように回して弾くとか、カンフー映画の中に出てくる武術の達人くらいしか見たことない★★さすがは決勝戦まで上がってきただけありますね☆☆中級魔法くらいじゃ傷一つもつけられないってか☆☆ならば、究極魔法を使うしかありませんね☆☆
「出でよ裁きの両腕!! 《ネクロハンド・アトモスフィア》!!」
「動きが甘い」
足元からグロマッチョの腕かにょきりと出た瞬間、イシュカは見えないような速さでそれから逃げました。ほー、アルステリアさんよりも機敏なのか☆☆ならば☆☆
「《ネクロハンドハンド・アトモスフィア・ダブル》!!」
「!?」
短い期間で編み出した究極魔法のアレンジ版☆☆まあ、ただ素早く2回連続して使ってるだけなんですけどね☆☆究極レベルをこんな風に使うのはフツーの魔法少女にはできないらしいけど、そこは天才魔法少女はるなのたぐいまれなる才能のなせる技なのですエッヘン!!
さすがに予想外だったのか、かわせなかったイシュカはマッチョな腕4本にまとめてニギニギされてしまいました。スマン、これ死ぬかも……
「……」
おお、反応がない!
やったか!?
やったのか!?
「秘技《黒糸蜘蛛》!」
ギギッ!
ギリギリぎり!!
うわ! 手の中から、黒い虫の足みたいなのがいっぱい出てきて無理やり腕を押し上げたぞ!? な、何てパワーですか★★
「君もそうだろう。私も、負けるわけにはいかないんだ」
四本の腕は爆発し、発生した黒い煙の中からマジックショーのはじまりように、悠々とイシュカが現れました。
にしても究極魔法ぜんぜんダメじゃん★★今んとこ誰もしとめられてないんですよね★★見かけ倒しだわ★★
「私の執念、見せてあげる。〈四方凶陣〉!」
反撃のつもりでしょう★イシュカは、自らの背後になぞの漢字らしきものが書かれた四角形の幻を発生させました★★あれはもしかして、八卦か道術か風水でしょうか★★雑に説明すると、中華三千年の歴史から生まれた術法だよ☆☆魔法と似ているけどちょっと違います☆☆何かが違います☆☆
ズンッ
ん、なにこのイヤーな感じは? わるーいムードが戦場に立ち込めてきました★★まずい★★何かがまずい★★
「〈双竜破〉!」
続いて飛んでくる龍をかたどった2体の幻影★★喰らったら危険★★よけないと★★
わわっ!?
あれ!? なにかにつまずいて体のバランスが!?
ぎゃわっ!!
グゥエー!!
ぐぐ、ぐ、スマッシュヒットでないものの、体にかすってしまいました★★いでーよー★★井上のボディブローくらいいてぇ★★あ、アバラががやられたかもしんない★★
「ごめんね、痛いかい?」
「う、ぐぐ!」
「違和感を感じてる? それもそうだろう、今の君の運気は最悪になっているからね」
「ざ、ざっきのワザは、そういう効果っ!?」
「まどろっこしくて申し訳ないけど、それだけ君は油断ならない相手ってことなの」
ヤベーこいつすごく堅実に勝ちを狙いうタイプだ。
今までの相手とは違う。
召喚するだけのアホ☆
高笑いと長話で体力を使うお嬢様☆
臭いおならに鼻をやられたツンデレ風に笛吹き☆
天才だけど戦いを楽しみたいから余計なムーブいれちゃうアルステリアさん☆
いずれとも違う重圧感★★人間性を押し殺し、ストイックの鎧に身を包んだ魔法少女というよりかは戦闘マシーンに近い存在★★この子にはきっと、挑発も牽制も効かない★★つけ入るスキが見つからない★★ガチのガチだ★★
「さあ、闇の力で眠りなさい……〈ブラック・キュリオス〉!」
さらに黒いモヤモヤが立ち込めてきました★★まずい、非常にまずい★★バリバリ追い詰められてるよ★★こうなれば、迷うヒマなし、最大火力で一気に仕掛けるしかない!!
「えーいっ!! 深遠なる断罪の炎をくらえ!! 《プロミネンス・タルタロス》!!!」
「来たか……」
「逃がさないもう1発!!」
「神階魔法を連発!?」
「3連発です!!」
「!!」
かなりリスキーなことしてますが、3億のためなら寿命が減ろうが知ったことか!! 負けてたまるか!! くたばれー!!
ゴオオオオ!!
立ち上る黒い火柱のひとつを回避できず、イシュカは飲まれてしまいました。決まった☆☆これは決まったぞ☆☆勝った勝った勝ったぞーヒャッハー☆☆☆彡
「負けない」
は?
「私は負けるわけにはいかないんだ」
ウソだろ?
「例え相手が、神や悪魔であろうとも」
服が少し破れているけど、ほとんどダメージの無い状態で、イシュカが、炎の中から出てきました。そんなはずは、《プロミネンス・タルタロス》は、確実に入った。直撃した。アルステリアさんだって、耐えきれなかったのに。
『それはつまりですね、逆に言えば、もともとたくさん罪を背負せおってる人、罪深い人には効果が弱まるってことになるわけです』
はっ!?
あの時、ボクベー先生が言葉がふと脳裏をよぎりました。
なるほど、そー言うことだったか!! 何かさっきからいやにこちらの攻撃が効きにくいと思っていたら!! イシュカは罪属性に「耐性」を持っているんだな!! 理由は知らんけど!!
「極力、使いたくは無かったが、君には使わざるをえない。我が神階魔法を見せよう。深遠なる黒は生気の理、《シュバルッテ・トリガメント》!!!
あ
やば
目の前が
真っ暗に
これは
し
ぬ
★
★
☆
はっ!?
私が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上でした。
そばには、ぴりんが足組んで座ってます。
「おー、よかったね。意識が戻って」
「え、試合は、試合はどうなったんです!?」
「あんたは、イシュカの魔法で一撃ノックアウトして負けたのよ。神階魔法喰らって生きてるだけラッキーだと思った方がいいよ。まー、あの子が手加減してくれたかもしれないけど……はるな?」
「あ、あがが」
「惜しかったねー、あと1勝だったのにー」
「お、おがー」
そのあと、はるなはしばらく廃人になり、ずっとベッドに入って天井をみるだけになったのでした。
終わった。
三億円は幻となり、消え去った。
はるなの人生はこれでおしまいです。
みなさん、ここまで読んでくれてありがとう。
もうすぐ首を吊りますけど、誰も止めないでください。
ホームレス魔法少女〈完〉
……
……?
え、まだ続くかんじ?
そんな簡単に自殺するなって?
わ、わかりました。もう少し、粘ってみます★★
(-_-)
補足ですが、対戦の後半ではるなが若干冷静さを欠いた発言をしているのは、イシュカの魔法〈ブラックキュリオス〉の効果で少し精神を乱されてしまったためです。冷静さ欠いたら負けるよねやっぱ……(アーケードゲーマー談)
今回で魔法少女交翅宴編は終了……ではなく、表彰式があります。
ここからが……いえ、なんでも……